注目を集めるECBとFRBだが影の主役は日銀?

主要各国の政策金利は金融市場への影響が大きいと考えられることから、政策金利が発表された直後は市場の変動を伴うことがあります。

また、米国の政策金利の決定が他の国の政策金利の判断に影響を及ぼす可能性もあるかもしれません。FRBは6月のFOMCにおいて追加利上げを行うと見られていますので、6月のFOMC前後の各国政策金利の発表スケジュールを把握しておきましょう。

主要各国の政策金利の推移

図はeワラントで投資できる為替相場に関して、為替相場に影響を及ぼすと考えられる各国の政策金利の推移をまとめたものです(2017年5月は15日までのデータ)。

また、以下では政策金利の動向について、次回の発表日が近い順に並べています。特に為替相場が大きく動く可能性のある政策金利の発表イベントは、最大損失が限定されているeワラントに向いていると考えられますので、この機会にeワラントの活用をご検討ください。

① カナダドル
政策金利(翌日物銀行間金利): 0.50%
次回政策金利発表:5月24日

前回の政策金利発表は4月12日でした。中央銀行であるカナダ銀行は政策金利を0.50%に据え置き、経済が持続可能な成長軌道に乗っていると結論付けるのは時期尚早との考えを示しています。次回も政策金利は据え置かれると予想されます。

② 南アフリカランド
政策金利(レポレート): 7.00%
次回政策金利発表: 5月25日

3月に南アフリカランド相場は急落しましたが、これはズマ大統領によるゴーダン財務相の解任観測およびその実行が要因と考えられます。前回3月30日の政策金利発表時には中央銀行である南アフリカ準備銀行において6人の委員のうち5人が据え置きを支持しました。当時は南アフリカランド相場がいっそう下落するかもしれないという状況下での据え置き判断でしたので、相場が戻った現状を考えると次回の政策金利も据え置かれると予想されます。

③ 豪ドル
政策金利(オフィシャル・キャッシュ・レート): 1.50%
次回政策金利発表:6月6日

賃金の伸びが鈍い状態が続いていること、豪ドル相場が高くなることを避けたい、という点を考えると中央銀行であるオーストラリア準備銀行が利上げをするには時期尚早という見方がコンセンサスです。次回の政策金利発表においても据え置きが予想されています。

④ ユーロ
政策金利(中銀預金金利): -0.40%
次回政策金利発表:6月8日

フランスの大統領選挙でマクロン氏が勝利した結果や、ドイツでメルケル氏率いる与党が高い支持率を保っていることを考えると、欧州の政治リスクは後退していると言えるでしょう。中央銀行であるECBは6月の理事会で金融緩和策の解除に向けて文言の変更を検討しているという報道もあり、現状ユーロは強含んでいます。

⑤ 米ドル
政策金利(フェデラルファンド金利の誘導目標): 0.75~1.00%
次回政策金利発表:6月14日

次回のFOMCで発表される政策金利が0.25%の利上げとなる確率は5月15日時点においておよそ7割と予想されています。直近の対円相場で円安ドル高となっているのは6月の利上げを織り込んだ動きと解釈できるかもしれません。

⑥ 英ポンド
政策金利(オフィシャル・バンク・レート): 1.50%
次回政策金利発表:6月15日

英国ではインフレの加速とともに消費の減速が懸念されており、インフレ対策として早期の利上げ実施も予想されましたが、5月11日に中央銀行であるイングランド銀行は政策金利の据え置きを発表しました。カーニー総裁は賃金上昇率の鈍化や家計支出の減速などについて言及していることから、次回の政策金利発表においても政策金利は据え置きされると考えられます。

⑦ 日本円
政策金利(短期金利): -0.10%
次回政策金利発表:6月16日

次回の金融政策決定会合において金融政策の変更はないと思われますが、FRBが6月14日に利上げを実行した場合、日本銀行も金融緩和の出口戦略について何かしらのアナウンスをするというシナリオはあるかもしれません。このシナリオが実現する可能性は高くはないと考えられますが、仮に実現すれば市場へのサプライズとなり、為替相場は各通貨に対して急激な円高で反応するということが想定されます。

⑧ ニュージーランドドル
政策金利(オフィシャル・キャッシュ・レート): 1.75%
次回政策金利発表:6月22日

5月11日に中央銀行であるニュージーランド準備銀行は政策金利の据え置きと、今後インフレ率が鈍化し、金融政策が長期間緩和的にとどまるとの見解を明らかにしました。ニュージーランドドルは先進国の中でも高金利通貨として人気を集めましたが、現在はオーストラリアとの金利差も小さく、ニュージーランドドル建ての債券等を投資対象とする投資信託の残高も伸びていないことから日本の投資家の人気も下火になっている模様です。

イベントにおけるeワラント投資戦略

eワラントで短期的に大きな値上がりを狙うのであれば、満期まで期間が短い銘柄のうち、原資産の価格と権利行使価格が近い銘柄を選びます。コール型eワラントであれば権利行使価格が相場よりもやや上、プット型eワラントなら権利行使価格が相場よりもやや下くらいの銘柄が理想です。

買付後に相場が大きく動けば大きな変動を期待することができます。ただし、想定した方向と逆に動いたり、大きな変動が起こらなかった場合には損失となります。投資元本がなくなっても構わないという余剰資金の範囲内で実行するのが良いでしょう。

その一方で、相場の方向性を予想するのが困難であれば、相場が上がると利益が期待できるコール型eワラントと、相場が下がると利益が期待できるプット型eワラントを両方とも同等の金額を投資し、どちらでもいいから相場が大きく動けば合計で利益が狙える両建て戦略が有効かもしれません。

政策金利発表の前に相場水準よりも若干上の権利行使価格のコール型eワラントと相場水準よりも若干下の権利行使価格のプット型eワラントを選択してみましょう。両建て戦略は片方の値上がりが片方の下落を相殺するもので、得られる利益は大きいものではありません。また、大きな変動が起こらなかった場合には損失となる点は両建て戦略でも同じです。

(eワラント証券 投資情報室)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。