“物色の変化”が分かりやすく表れている

物色はグロース株→バリュー株に移った
 ここ一ヵ月間の東京市場の話題のひとつに「ファーストリテイリング(9983)」、「ソフトバンクグループ(9984)」の急上昇があった。前回記事「今回の『NT倍率拡大局面』の投資アイデア」でも指摘した通りだ。前者は6月25日終値51,640円→7月19日高値54,510円、後者は6月25日終値8,198円→7月17日高値9,909円まで上昇した。物色難が言われていた東京市場の中にあって急上昇、日経平均寄与度が高いことから、日経平均を(結果的に)押し上げることになった。ただ、足元その勢いは失速と表現してもいい格好となっている。ファーストリテイリングなど「いってこい」になっている。逆に時を同じくして、それまで下げ続けていた「銀行株」に動意が見られる。メガバンク株は6月末~7月初に安値をつけた後、いずれも出直りの動きだ。

三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)
三井住友フィナンシャルグループ(8316)
みずほフィナンシャルグループ(8411)
 銀行株に限った動きであれば、「日銀金融政策変更に対する思惑(=金利上昇期待)」が理由かもしれないが、同じ時期に銀行株と同様に売られていた鉄鋼株にも出直りの動きが見られる。

新日鐵住金(5401)
JFEホールディングス(5411)
 このように見て行くと、足元の動きは高くなった銘柄が売られ、安くなった銘柄が買われるという“転換点”にあると理解した方がいいかもしれない。それは株式市場においてよく見られるものでもある。値がさ株が多いグロース株には一服するものが多い。逆にバリュー株はほとんどの銘柄が安値を付けた後、出直りの動きとなっている。鉄鋼株はその象徴的なものだ。

問答無用の強さを見せる石油元売り株
 物色の変化の外に位置し、変わらず堅調を続けるセクターもあり、注目される。「石油元売り株」がそれだ。ここでは具体的に2銘柄を例示する。国内シンクタンクの試算では、JXTGホールディングスでは、原油価格が1ドル/バレル上昇すると、約90億円通期利益が増加するとのことだ。足元、原油価格はOPEC減産緩和と地政学的リスクによる強弱感が対立しながら1バレル=約70ドル(WTI先物価格)の高値にある。石油元売り株の強い動きは市況関連株の面目躍如といったところだろう。

JXTGホールディングス(5020)
出光興産(5019)

(株式ジャーナリスト 天海 源一郎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。

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