生活は変わるのか~物色テーマ

もともとインドア派なので私の生活はあまり変わらない。いや、考えてみると新型コロナウイルス感染予防の観点から土日の会場セミナーが開けないので私の司会のお仕事はまったく無くなってしまった。その打ち合わせや準備もないので仕事量は激減している。その分何をしているかといえば、家の片づけ。どうも人の考えることというのはあまり変わらないようだ。ため込んでいた書類を整理したいと思ってニトリのサイトに棚を見に行ったら配送は7月下旬以降になるという。無印良品でも配送には時間がかかるとされていた。困った、棚が買えない。 その場しのぎにアマゾンの段ボールを工作し、棚が来た後にも使えそうな収納用品の小さいものを100円ショップで買ってきた。100円ショップは大賑わいだ。収納用品、掃除用具などが売れているという。

買えないと言えばノートPCも品薄だった。3月だが、同僚が家電量販店でほしいものが買えなかったと言う。PCの品不足はコロナ以前からの米中摩擦やウィンドウズ10への乗り換えも要因だそうだ。最近私の住んでいる小規模マンションのごみ置き場で続けて3個もPCモニターの空き箱を見つけた。これも最近では品薄だそう。自宅で仕事をする際に、どうしても小型のノートPCでは画面の大きさが不足だということだろう。緊急事態宣言が解除されてもテレワークが続くと見て、購入に踏み切ったのかと想像する。

どうやら、家で過ごす時間が長くなることやテレワークは定着しそうだ。東日本大震災の後のことを考えて、コロナ後でも世界はそれほど変わらないのではないかと思っていた私だが、部分的には確実に変わるようだ。わざわざハンコを押して郵送しなくても電子署名でいいよね、といった今までも効率が悪いけどなかなか制度が変わってくれなかった所は一気に後押しされて変化してくれそうだ。30年かかると言われていた変化が3カ月で起こったとも聞く。

だとすると、短・中期的に家で仕事をするための設備投資にからむ消費は増えそうだ。PC、モニター、机、椅子などなど。セキュリティも欠かせない。家で過ごす時間が長いなら快適さも求めるので、今よりDIY需要も増えるかもしれない。アークランドサカモトがLIXILビバを買収するというのでホームセンター業界を調べてみたが、DIY部門が利益率高く、この売上比率が大きい企業は業績が堅調だ。米国に比べDIY資材等が売れにくい日本ではホームセンターという業態がなかなか利益を伸ばせず、規模を追求して合従連衡を模索してきたという歴史がある。家の広さはどうしようもないが、日本でももしかすると自分で造作するとか、庭を造るなんてことが増えるのかもしれない。

今のところ比較的感染を抑えられている日本で、本当に生活が変わるのか。人々の意識が変わるのか。都会の一部の人は満員電車を我慢しなくていいんだと気づいてしまった。絶対会場だよと思っていたライブは、オンラインならではの良さがあることも知った。でも実際に体験できることの貴重さも身に染みた。こんな情勢を逆手にとって新しいことをどんどん始めて仕事にしている人を見て、変な焦りがあったり、一方で格差が広がり分断が決定的になっていることも見せつけられた。おそらく何十年もたってから振り返っても「今」が大きな時代の節目になる、そんな時を生きているのだろう。


(フリーアナウンサー/証券アナリスト かのうちあやこ)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。