疫病禍で結果的に建設セクターへの注目度が強まるだろう

新型コロナウイルスによるネガティブインパクトは不明

年初からイランとアメリカの対立(=地政学的リスク)による中東不安、その後、中国・武漢市が発生源とされる「新型コロナウイルス肺炎」の感染拡大によって中国景気の減速が懸念されている。

かつて2002年11月から2003年7月にかけて香港を中心に発生した「SARS(重症急性呼吸器症候群)」を例とする見方が株式市場では多いものの(もちろん過去例に倣うとするとそれになるが)、現時点では「新型コロナウイルス」の感染度合いははっきりせず、言うまでもなく2003年当時とは中国が持つ世界経済へのインパクトも異なる。2003年当時の中国のGDP総額は約22兆8000億元だったが、2019年には約90兆元にまで膨らんでいる(約4倍)。この点を考慮しただけでも、ともすれば大きなネガティブインパクトを伴うかもしれないことがわかる。

中国の一部都市では、大規模レジャー施設など人が集まる場所の多くが閉鎖されており、そうでなくとも人々は行動(外出)を抑制する。中国の個人消費の落ち込みは必至とみていいだろう。日本でのインバウンド消費にも悪影響が及ぶことになりそうだ。

ただ、未だ多くのことが判明しない中で徒に慌てることは避けたいと、個人的には思っている。ネガティブインパクトはあったとしても、その程度は不明なのだ。この時点では「武漢 加油(武漢 頑張れ!)」と、不自由な生活を余儀なくされている約1000万の武漢市民にまず思いを寄せることになる。


政府の公共投資関連銘柄の優位性が高まるだろう

東京市場においては「中国」に関する銘柄が避けられる流れが本格化するかもしれず、そうなると日経平均など主要指数の下落につながる公算もある。ここではなるべく内需、さらにインバウンド消費ともつながらない銘柄にフォーカスするのが賢明だろう。

昨年12月5日、政府は国や地方からの財政支出が13.2兆円となる経済対策を閣議決定した。民間の支出も加えた事業規模は26兆円にのぼる大規模なものだ。東京オリンピック開催後まで見据えた成長分野への投資、自然災害対策を含むインフラ整備、景気の下振れリスクへの備えが3本の柱とされている。政府が経済対策を打ち出したのは2016年8月の「事業規模28.1兆円(うち財政支出13.5兆円)」以来のことで、そうあることではない。この先、予算が執行されるに従い関連する企業には追い風が強まっていくことが想定される。

昨年は10月の台風19号など、災害が相次いだことから災害からの復旧・復興や「国土強靭化」に向けた河川の堤防などのインフラ強化と公共投資に約6兆円が投じられる。氾濫発生の危険性が高い河川の川底を掘削、堤防を再整備、さらには緊急時の輸送に使う市街地の道路の無電柱化なども進める方針が打ち出されている。やはり注目されるのは「建設セクター」となり、新型コロナウイルスが一段落した時には、見直しの動きが強まると思われる。

大成建設(1801・東証1部)

大林組(1802・東証1部)

五洋建設(1893・東証1部) 

ショーボンドHD(1414・東証1部) 

横河ブリッジホールディングス(5911・東証1部) 

(株式ジャーナリスト 天海源一郎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。