米国金利上昇と米国株式市場

金利が上がると株式相場は下がるって決まってるの?


 長い間、米国金利と米国株価は仲良く上昇していました。しかし、VIXショック(先月初旬)を境に、その関係は真逆になってしまったようにも見えます。(図1)いったい、その背景はなんだったのでしょうか?
 そして今後も金利が上昇し続けるとしたら、どのようなリスクに気を付けなければいけないのでしょうか?

金利上昇が即効性をもって株価に影響(下落)するパターン

 金利が上昇して投資家が受け取る配当率が、預金金利などに比べて見劣りするようになると「株式から債券」へ資金は移動する傾向にあるようです。これは通常、比較的早い時期に発生します。(ただし、今回は米国債券も売られています)
 株式と金利の関係とはそれだけなのでしょうか?何か他に二つの間を結ぶ仕組みはないのでしょうか?

「親の言葉と冷酒は、後になって効いてくる」パターン

 何代か前の日銀総裁が好んで使った「親の言葉と冷酒は、後になって効いてくる」。これは株式と金利の関係にも当てはまります。金利の上昇が株式に与える影響は、ある日突然に噴き出すわけではないからです。
 しかし、多くの企業が好決算を迎えたばかりの米国株式市場なのに、どういうことでしょうか?
 答えは「借入金」にあります。

金利上昇が借入れに頼る企業へ与える影響

 ここ数年、様々な形で借入れに頼る米国の企業数は増加しています。特に格付機関から「投資適格(危なくなさそうな会社ですよ)」水準ギリギリや、それよりも少し低い企業群がまさにそうです。
 借金していても業績が上がっている(借入金の返済ができる)のだから、問題はないはず。しかし、ここで「金利上昇は後になって効いてくる」につながります。
 社債(債券)で借入する場合、その多くは発行から3年~5年後に満期を迎えます。借入れ依存の高い企業は、その満期時に借り換えを行います。その間に金利が上昇してしまうと、高い金利での借り換えとなるため、企業の利払い負担は増加します。そのときに増益であればよいのですが、そうでない場合は、その企業の台所が火の車となりかねません。また、一旦こうした流れになると、これを断ち切ることは難しくなります。

 ある米国優良銀行のバンカーが一昨日、「2~3年かけて、20%~40%程度の株価調整はありうる。ただし、今年は上昇基調を変えないだろう」としたのは、このあたりを見据えてのことかもしれません。「後になって効いてくる」金利ですが、その分、先行指標としての価値もありそうです。

 次回は短期金利に焦点を当ててお話したいと思います。

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。

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  1. 米国金利上昇と米国株式市場Ⅱ 長期金利の動向 – eワラントジャーナル