米国FOMCを迎えるにあたって

上図におけるFF先物(左軸)は100から金利を引いた水準を表しており、例えば6月17日(右端)における7月限(朱線)の終値は97.94であることから、FF先物市場の参加者は7月限の取引最終日(7月26日)におけるFFレートを100 – 97.94 = 2.06%と予想しているとも言えます。

6月18・19日(現地時間)の両日にわたって米国の政策金利(フェデラルファンドレート、以降FFレートとします)を含む金融政策を決定するFOMC(米国連邦公開市場委員会)が開催され、日本時間6月20日未明にはパウエルFRB議長の定例会見が開かれます。

6月初頭に同議長は、「景気拡大を維持するため、適切に行動する」と発言しています。ただし、上記の図では将来のFFレートの居所を予想するFF先物6月限(青線)が、現行のFFレートの上限(白線)と下限(灰線)の間に収まっていることから、今回のFOMCでは利下げに踏み切らないと大方の市場参加者は予想しているようです。とはいえ、市場の予想に反して利下げを実行した場合や、今後の利下げを示唆する発言があった場合には、相場に影響があるかもしれません。

次回以降のFOMC(年内は7月30・31日、9月17・18日、10月29・30日、12月10・11日)について、上記の図によると市場は7月・9月ともに0.30%内外の利下げを見込んでいるようです(6月17日米国市場終了時点)。

利下げは通常、株式市場にとってプラス材料ととられることが多いですが、米中貿易摩擦の激化や世界的な景気後退で米国経済に陰りが見え始めている中、市場は利下げの決定を米国金融当局による景気後退の追認と捉え、リスク回避の動きが先行する可能性もあります。また、既に利下げ期待が高まっている現在の市場環境においては、「材料出尽くし」として株価が下がってしまうリスクも考えられます。

さらに、米国で利下げの動きが鮮明になれば、日本にも金融緩和の拡大を求める声が高まる可能性があります。ただし、既にマイナス金利に突入している日本において、更なるマイナス金利の深堀は、国債を運用する金融機関の業績に悪影響が懸念されます。金融面から 景気の悪化を増幅する可能性もあるかもしれません。


(eワラント証券 投資情報室 チーフ・ストラテジスト 塚本 誠)

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