米金利上昇の悪影響が出始めた時の投資アイデア

またしても米金利高はドル高円安につながらず

 4月以降、米金利上昇を背景に新興国からは資金が流出しているとみられ、通貨下落が顕著になっている国もある。筆頭はアルゼンチンとトルコだ。5月4日、アルゼンチン中央銀行は、政策金利を6.75%引き上げ、年40%にすると発表した。これは一週間で実に3度目となる利上げで、金利の引き上げ幅は計12.75%に達した。アルゼンチンの通貨ペソはドルに対して急落、通貨防衛のために緊急利上げを余儀なくされたものだ。トルコ中央銀行も5月23日に臨時金融政策委員会を開き、主要政策金利を3.0%幅引き上げ、年16.5%にすることを決めた。巨額の経常赤字に加え、エルドアン大統領が中央銀行に圧力を強める考えを示したため、通貨トルコリラは対ドルで年初より約30%急落、通貨防衛の必要に迫られた。(データは執筆当時)
 またもや「米金利上昇はドル高円安につながる」との見方が外れた格好になっている。新興国通貨の下落が円高につながるのは、過去にもみられた。経常収支、外貨準備(短期対外債務比)などから、高リスクと見られる新興国はほかにもある。事実上のデフォルト状態にあるベネズエラはいう間でもなく、メキシコ、南アフリカ、さらにはインド、ブラジル、インドネシアなども要注意国と言えるだろう。この側面からはドル円相場は「あって現状推移、ともすればさらに円高進行」という予想になる。

ここでも内需株に資金が集まる動きが

 投資資金は、より安全に結果が出そうなところに流れていくことになるだろう。円高不安局面ではやはり「内需株」がその対象となりそうだ。実は2018年1月31日、つまり前回の円高時に私は「円高時、内需株へ資金シフトする“いつものシーン”が見られるか」という記事を執筆した。取り上げた銘柄のその後の動きは以下だ。

【2018年1月31日終値から2018年5月第4週までの高値】
くらコーポレーション(2695) 6,630円→8,260円(5/24)
スシローグローバルホールディングス(3563) 4,350円→6,630円(5/24)
オリエンタルランド(4661) 10,660円→11,485円(5/8)
GMOインターネット(9449) 1,986円→2,974円(5/24)
LINE(3938) 5,170円→その後下落

 ここでも同様の投資アイデアがいいのではないかと見ている。
 以下、内需(が中心となる)銘柄に注目していきたい。
 物流、ネット、外食のカテゴライズされる企業群だ。やはり、足元高値をつけているものが多い。投資資金のわかりやすい動きが表れていると言えそうだ。

・ヤマトホールディングス(9064)
宅配便首位企業。国内シェア約47%を誇る。

・SGホールディングス(9143) 
「佐川急便」を中核とする宅配便2位企業。

・カカクコム(2371)
価格比較サイト『価格.com』とグルメサイト『食べログ』を運営。

・GMOペイメントゲートウェイ(3769 )
消費者向けEC(電子商取引)業者向け決済処理サービスを提供。

・サイバーエージェント(4751 ) 
ネット広告代理業を起点にスマホサービス、ゲーム、ネットテレビ局『AbemaTV』など幅広く手掛ける。

・コロワイド(7616 ) 
居酒屋『甘太郎』を展開。『牛角』運営のレインズ、回転寿司のカッパHDを子会社化するなどM&Aにも積極的。

・日本マクドナルドホールディングス(2702) 
世界的ハンバーガーチェーン『マクドナルド』を日本で直営・FC展開。

(株式ジャーナリスト 天海 源一郎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。

  1. 今回の『NT倍率拡大局面』の投資アイデア – eワラントジャーナル