話題のIPO、抽選を狙う前に

韓国のアイドルグループ「BTS」が所属する芸能事務所ビッグヒットエンターテインメントが15日、韓国取引所に上場しました。公募価格(13万5,000ウォン)の2倍となる27万ウォンで初値をつけ、一時35万1,000ウォンまで上昇しました。ただ、利益確定売りが急速に強まり、その日のうちに初値を割り込む25万8,000ウォンまで下落したことで話題となっています。


IPOが集中する時期に

日本国内において2019年には86社が新規上場し(テクニカル上場やREIT・インフラ投資法人を除く)、うち76社が公募価格を上回る好調な出だしをみせました。2020年はコロナショックで相場環境が悪化したこともあり、上場申請を取り下げる企業が出たものの、59社が上場(10月20日時点)、うち39社が公募価格を上回る初値を形成しており、IPO投資=儲かるものとのイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

下記の図は、2010年から2020年までのIPO件数を月別にまとめたものです。例年1月と5月頃は0~2件程度とIPO件数が減少する一方で、12月と3月にはIPOが集中していることがわかります。これには企業の決算期が関係していると言われています。申請から上場までを同事業年度内に行うことを目標とするため、上場審査などの関係から12月、3月期決算の企業はこの時期の上場となることが多いようです。


IPO銘柄の需給を予想する要素はいくつかありますが、代表的なものとして企業の知名度や上場する市場、公開規模、業種、株主構成、上場日などが挙げられます。単純に企業の知名度が高ければそれだけ関心も集まりやすく需要も増します。また、マザーズは成長企業向けとのイメージもあり、資金が向かいやすいようです。こうした要素を勘案して初値を予想するのも面白いのですが、残念ながら抽選に当たらなければ予想も無駄になってしまいます。セカンダリーを狙うのも良いですが初値をピークに下落が続く銘柄もあります。


マザーズ指数が下落するって本当?

IPOが過熱すると、IPO株購入資金を用意するために保有株式が売られることが多いといわれています。証券会社によっては、申込や抽選の段階で買付資金が拘束されることに起因しているようです。こうした動きは、個人投資家が主体となっているマザーズに顕著だとされており、マザーズ指数の下落につながっているとされています。また、IPO銘柄が指数に組み入れられるのは約1カ月~2カ月後となります。そのため、直近IPO銘柄が活発に売買され上昇をみせても指数には反映されないこともマザーズ指数に影響しているとも言われています。

果たして、IPOの盛り上がりとマザーズ指数の動きにそこまで明確な関係があるのでしょうか。次の図は、マザーズ指数を日経平均で除したMN倍率とIPO件数をまとめたものです。マザーズ指数をそのまま使わず、日経平均で除しているのは市場全体の影響を減少させるためです。マザーズ指数単体では、仮に下落したとしても市場全体が下げているからなのか、それともマザーズ指数特有の動きなのかを判断することは出来ません。マザーズ指数の代わりにMN倍率を用いることで、マザーズ指数が相対的にどのような動きをみせたのかを把握できるようにしています。IPO件数が増加するとマザーズ指数が下落するという関係があるのであれば、eワラントや先物を用いて日経平均のロングとマザーズ指数のショートというポジションを構築することで、市場全体の影響を抑えつつリターンに期待できるはずです。


図を見ると、IPOが集中する12月・3月のNM倍率には目立った方向性がないようです。数値を確認してみたところ、変動率が年平均を下回る場面が多く、どちらかというとこう着感を強める展開が多いようです。先ほどのポジションでは、あまりリターンに期待できないようです。むしろ、12月・3月はマザーズ市場が相対的に落ち着きをみせると仮定するのであれば、マザーズ指数やマザーズ銘柄を狙うよりは、大型株に物色対象をシフトした方がいいのかもしれません。eワラントであれば、レバレッジが効いているため、値がさ株にも小額から投資することが可能です。ファーストリテイリング(9983)任天堂(7974)など1単位が非常に高額となる銘柄への投資も可能ですので、一度検討してみてはいかがでしょうか。


(eワラント証券)

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。