まいど、相場の福の神こと、藤本誠之(ふじもと のぶゆき)です。連載コラムでは、株式、eワラントにまつわる様々な話題をご紹介させていただきます。
第40回は、『静脈関連企業に注目、福の神注目の静脈関連企業はコレだ!』です。
株式市場で大きく注目される一つの産業として、様々な製品を産み出す「動脈産業」があります。新たな製品を産み出す競争は厳しく、上場企業の競合他社も数多くあり、強者がガチンコで殴り合う、いわゆる「レッドオーシャン」になっています。
しかし、その製品を廃棄するいわゆる「静脈産業」は、目立ちにくく、圧倒的なシェアを持つ上場企業もなく、その地域に根差した地元の中・小企業が群雄割拠しています。それなりに競争はありますが、まだ「ブルーオーシャン」な産業です。
さらに、企業の中で、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったESGの観点が今後重要となってきます。企業は自社が生産した製品に対して、環境(Environment)の観点から、リサイクル・リユースなど再資源化が重要な経営課題となってくるため、その分野で優れた技術を持つ静脈産業にも自然と需要が高まるものと考えられます。
今回は、相場の福の神こと藤本が、今までに企業訪問して、経営者に取材した800社以上の企業の中から、静脈産業で、今後大きな成長が期待出来る企業をご紹介しましょう。
リバーホールディングス (5690)東証2部
株価 635円 時価総額109億円

★福の神ポイント
東京都千代田区大手町に本社があります。「地球を資源だらけの星にしよう。」をビジョンに掲げ、あらゆる廃棄物を再資源化し、100%再生利用する「高度循環型社会」の実現を目指している企業です。
リバーホールディングスは、乗用車・家電の10%を処理しており、なくてはならない静脈産業のニッチトップ企業です。数多くの未上場企業が混在している市場ですが、今後合従連衡が進む中では、核となっていく可能性が高く、非連続的な成長が期待出来ます。
売上高が鉄スクラップ市況に連動するため変動が激しく見えますが、収益は安定的な伸びが期待出来そうです。
25円の配当を行っており、予想配当利回り3%後半です。じっくりと配当を貰いながら、中・長期的な株価上昇も狙えそうです。
ベステラ (1433)東証1部
株価 1,384円 時価総額116億円

東京都江東区の木場公園近くに本社があります。『りんご皮むき工法』などの独自工法で、製鉄所や発電所、石油化学等のプラント解体工事を行うマネジメント会社です。
★福の神ポイント
「つくった人でなければ、壊すことはできないのか」そんな疑問が、出発点で、様々な独自工法を考案する解体工事のマネジメント会社です。持たない経営に特化していて、様々な解体技術の研究・開発を行い、実際の作業は協力会社に任せ、現場監督に徹しています。
前回の東京五輪があった高度成長期に造られた製鉄所、化学プラント、火力発電所などの解体が今後急速に増加することが想定され、既存ビジネスでも安定的な高成長が期待出来そうです。
また、原子力の廃炉、風力発電の2つの新規事業にも大きな成長の可能性がありそうです。
東証2部のリバーホールディングス (5690)の筆頭株主となるなど、日本の静脈産業のプラットフォームを作ることで高度循環型社会を実現することを目指しています。
オカダアイヨン (6294)東証1部
株価 993円 時価総額83億円

大阪市港区海岸通に本社があります。建物解体用建機の国内トップブランドメーカーです。北米を中心に海外へも販売を行っている他、廃材処理やバイオマス発電用チップ向けの環境商品も手掛けています。
★福の神ポイント
今後、前回の東京五輪の直前に建設された様々な社会インフラや、建築物が寿命を迎え、これを更新するニーズが出てきます。この時に必要なのが、建物解体用建機であり、このトップメーカーのオカダアイヨンは、時代の大きな追い風を受けています。また、主力製品のクラッシャーはメンテナンスコストが比較的高額な製品であり、販売数量が増加すると、自動的に好採算なメンテナンス需要も伸びる可能性が高いです。しかも、隠れた成長市場である林業においても、M&Aにより商品ラインアップを強化しており、大きな需要が見込まれます。
ニッチトップメーカーとして、中・長期的な高成長が見込まれそうです。
株価データは2020年10月29日終値ベース
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(財産ネット株式会社 企業調査部長 藤本誠之(ふじもと のぶゆき))
※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。