高配当銘柄は売り!?~「高配当=優良株」という妄想~

「配当取りだ!」
「高配当の銘柄は安心して保有できる!」

このような言葉を良く耳にしませんか?
でも本当なんでしょうか?
今のような堅調な相場展開ならば連れ高しているはずで、確かに損はしていないかもしれません。
しかし市場全体のパフォーマンスと比較してどうでしょうか?
負けてはいませんか?

空想で物事を語っても仕方ないので、実際に分析してみました。

銘柄選択の前提条件

以下のようなルールで、銘柄を選択しました。

  • TOPIX100に属する大型株
  • 直近配当利回りが4%以上の銘柄
  • 3月期決算の銘柄

そしてこの条件にヒットしたのが以下の19銘柄です。

 1) 大東建託【1878】
 2) 三菱ケミカルHD【4188】
 3) 武田薬品【4502】
 4) JXTGHD【5020】
 5) 日本郵政【6178】
 6) コマツ【6301】
 7) 日産自動車【7201】
 8) SUBARU【7270】
 9) 丸紅【8002】
 10)三井物産【8031】
 11)住友商事【8053】
 12)三菱商事【8058】
 13)三菱UFJ【8306】
 14)りそなHD【8308】
 15)三井住友FG【8316】
 16)みずほFG【8411】
 17)オリックス【8591】
 18)ソフトバンク【9434】
 19)関西電力【9503】

バックテストの方法

上記の19銘柄で等ウェイトのバスケットを組成しバイアンドホールドし、裏で日経平均をショートするという方法で行いました。

バックテストの期間

2019年3月25日の引値を以って、上記のポジションを構築しました。A

配当落ちの影響

19銘柄の平均配当利回りが約4.6%でしたので、3月期末に2.3%、9月期末に2.3%の配当分をバスケット価格に上乗せして計算しております。

日経平均の方は、配当利回りが約2%ですので、3月期末に1%、9月期末に1%の配当分を価格に上乗せして計算しております。

バックテストの結果

結果は下図の通りとなりました。

ご覧の通り、高配当株バスケットは約13%も日経平均をアンダーパフォームしたことが判明しました。

理由としては、

  1. マーケットが好調な時はグロース株がバリュー株よりも優位性を発揮することが一般的に知られており、高配当銘柄バスケットはバリュー株が多かったため。
  2. 「高配当=積極的な投資活動をしない企業」とも言うことができ、昨今の世界の流れとしてそのような企業は明るい未来がないと判断される傾向があるため。

などが挙げられると思います。
私個人としては、上記の2の理由が要注意と思っております。
以前までなら、銀行株や電力株などの安定株を保有していれば安心という時代もありましたが、そのような時代は終わりを迎えたと考えております。
メガバンクや大手電力会社とはいえ、今後どうなるか分からない時代になったと思います。
従って今後相場が軟調な展開になった際に、これらの銘柄が逆に優位性を持つかというと疑問を感じます。

今後、日本の高配当株は買いではなく、売りで攻めるのが得策かもしれません。


(eワラント証券 マーケティング部ヴァイスプレジデント 吉野 真太郎)

※A 権利付き最終売買日は2019年3月26日でしたが、配当取り買いなどの影響を除外したかったため、その前日にポジションを構築することにしました。

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。