高金利銘柄は意外とパフォーマンスが良い!?

貸株と聞くと以前までは、機関投資家やヘッジファンドしか関係のない市場でしたが、今やオンライン証券を中心に個人投資家にも貸株市場が開放され、サービスを受けることが容易になりました。

日本の個人投資家は、FX取引におけるスワップポイントに代表されるように、金利商品を好む傾向があります。皆さんの中にも貸株サービスを利用している方がいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし注意しなければならないのは、貸株市場があるということは、裏で借株をして空売りをしたいというニーズがあるわけで、その株の将来性に疑念を抱いている投資家もいるということです。
更に言えば、空売りを得意とするのは一般的に海外のヘッジファンドなどが多く、世間では知られていない情報などを持っているかもしれません。
貸株の対象となる銘柄は、株価下落のリスクを孕んでいるといってもよいでしょう。

では、果たして貸株市場で人気のある銘柄は、本当に貸株金利以上に下落するのでしょうか?以下で銘柄のパフォーマンスを検証してみたいと思います。

銘柄の選定方法

今回、銘柄のパフォーマンスを計算するにあたり、銘柄の選定に悩みました。
ざっくりと貸株金利の高い順番に上から何銘柄か選択しても、正直パフォーマンスは悪いようです。

そこで下記のようなフィルターをかけてみました。
 ①オンライン証券で年利9%以上の貸株金利が付いている銘柄(今回は楽天証券を利用)
 ②直近2期連続で営業利益が黒字
 ③今期営業利益の会社予想も黒字予想

このフィルターにヒットした銘柄が、
 ・テリロジー【3356】(貸株金利:年率10%)
 ・UUUM【3990】(貸株金利:年率10%)
 ・HEROZ【4382】(貸株金利:年率9%)
 ・ソウルドアウト【6553】(貸株金利:年率9%)
 ・エムティジェネックス【9820】(貸株金利:年率9%)
の5銘柄になります。

さらに今回は、この5銘柄で等ウェイトのバスケットを組成してみました。
そのパフォーマンスの結果が下図になります。
貸株市場の金利は変動的なので、2019/10/1~2019/12/30までの3カ月で分析してみました。

驚きの結果となりました。
上昇しているどころか、同期間の日経平均のパフォーマンスにも勝っています。
しかも、これは貸株金利を一切考慮していないグラフになります。
従って実際のパフォーマンスはこれに2.25%~2.5%程度上乗せした値になります。(年率9%~10%×3カ月÷12カ月で計算)A

このような結果になった理由としては、
 ①黒字銘柄でフィルターしたため、短期的に叩き売られるような銘柄群ではなかった。
 ②ちょうど空売り勢の買い戻しの時期と重なった可能性がある。
などが考えられますので、あくまで参考までとしてください。

いずれにせよ、フィルタリングを工夫し高金利銘柄をバイ&ホールドしてみることも、一考の余地があるかもしれません。是非一度試してみてください。


(eワラント証券 マーケティング部 ヴァイスプレジデント 吉野 真太郎)

※A あくまでも3カ月間、金利が一定だったという前提での計算になります。

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。