“2つの急伸市場”に関する5つの個別銘柄

金(ゴールド)価格は約6年ぶりの水準に高騰

まず、なによりもNY金先物(COMEX)の動きを見ていただきたい。

100ドルを超える値幅で上昇している局面は、昨年(2018年秋)と、直近だということがわかる。「米中貿易摩擦の深刻化」と「米金融当局の利下げ示唆」が金価格を押し上げたと考えるのが筋だろう。とくに6月18~19日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)において、年内にも利下げに踏み切る可能性が示唆されたことは金価格に大きなインパクトを与えたものと捉えている。

金価格は通常、米金利の動きと逆相関することが多い。米金利が高い時には、金利も配当もない金よりも、米ドル資産が選好される。逆に、米金利が低下する(と予想される)と、それまでよりも投機資金は金市場に流れやすくなる。

さらに6月20日には米軍の無人機をイランが撃墜した。これに対し、トランプ米大統領が、イランに対する報復爆撃をいったん承認した(すぐに撤回)と報じられ、アメリカとイランの緊張は高まったままだ。「有事の金」の連想が働きやすい環境にある。

東京市場に上場されている銘柄で金価格上昇時に注目されることが多い銘柄は以下の非鉄金属株だ。いずれも中国景気減速懸念=非鉄市況下落によって足元の株価は低迷している。

東京市場の「金」関連株

三井金属鉱業(5706) 

住友金属鉱山(5713)

ビットコイン価格は一気に100万円を回復した

暗号資産(仮想通貨)の中心的存在、ビットコイン価格も急伸している。2017年末には1BTC=200万円台を付け、その後30万円台まで急落していたことを考えると、値動きが極めて激しいものということとを差し引いても、かなりの強い動きと言える。

この背景のひとつとして米フェイスブック社が、独自の仮想通貨「リブラ(Libra)」を立ち上げ、「ブロックチェーン技術を基盤とした新たな国際通貨」として2020年に導入すると発表したこともある。従来の暗号資産(仮想通貨)とはやや性質が異なるものということだが、巨大IT企業が参入してきたことで、暗号資産(仮想通貨)全体の信用度が増すと考えられたようだ。

他方、ビットコインが騰勢を強めた時期と、香港でいわゆる逃亡犯条例改正案の撤回や林鄭月娥行政長官の辞任を求める大規模な抗議デモが起きた時期が重なっているが…もしかすると一部の投機的な香港ドル資金が、政治混乱を恐れビットコインに流れた可能性がある。この真偽は現時点ではっきりしないものの、もしそうだということが判ってくれば、この先も同様のことが起きた時に、さらにビットコイン価格を押し上げることになるだろう。「有事の金」ならぬ「政治混乱時のビットコイン」という評価だ。

東京市場の「暗号資産(仮想通貨)」関連株

SBIホールディングス(8473)

GMOインターネット(9449)

マネックスグループ(8698)


(株式ジャーナリスト 天海源一郎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。