~続編~ 日本のイールドスプレッドは?日本市場向けの戦略もご紹介!

5/23に、意外に知られていないイールドスプレッドとは?イールドスプレッドを使った投資戦略をご紹介します!と題して、米国におけるイールドスプレッドの推移を説明し、それを使った投資戦略を説明しました。

それに続いて今回は、日本におけるイールドスプレッドを検証してみたいと思います。

まずは前回の記事をご覧になっていない方もいらっしゃるかと思いますので、イールドスプレッドについての説明をしておきます。

イールドスプレッドとは?

イールドスプレッドを計算する上で必要なデータは、長期金利、株式益利回りになります。株式益利回りは少し聞き慣れない言葉かと思いますが、皆さんが良くご存じのPERという指標から簡単に求められます。

PERは、PER=株価/1株あたりの利益で計算できます。つまり今の株価が企業の稼ぐ利益に対して何倍の水準で取引されているのかを表したものになります。
この数字が高ければ(低ければ)、株価は割高(割安)と判断されることになり、とても分かりやすい投資尺度であるため広く普及しています。

一方、株式益利回りは、株式益利回り=1/PER=1株あたりの利益/株価で計算できます。つまり、投資する際の元本に相当する株価に対していくらのリターンがあるのかという投資尺度になります。
ただし、債券投資や不動産投資における利回りと異なり、投資家が実際に受け取ることができる金額は、1株あたりの利益のうち、配当に回される部分だけにはなります。しかし、配当に回されない部分も将来への投資に使われることになるため、広義の意味で株式投資利回りと呼ぶことができるでしょう。

そして、長期金利(10年国債利回り)から株式益利回りを差し引いた値がイールドスプレッドという尺度になります。現在の株式市場が債券市場と比べて割高なのか割安なのかを判断する尺度とも言えます。

イールドスプレッドの値が大きければ大きいほど(低ければ低いほど)、債券に対して株式が割高(割安)という判断になります。

米国では足元長期金利が急上昇し、株式へ投資するよりも国債を買ったほうが割に合うという考えも出始めています。株式市場と債券市場とは常に表と裏の関係にあり、両者の利回りを比べることによって、どちらの市場に投資をすべきなのかを知ることは重要な意味を持ちます。

日本のイールドスプレッドは?

下の図1をご覧ください。
こちらは2011年からの日本における長期金利、日経平均の益利回り、イールドスプレッドの推移を月次ベースでグラフにしたものです。

前回の記事で取り上げた米国におけるイールドスプレッドの推移と比べてどうでしょうか?
特徴をまとめると以下の通りです。

  • 株式益利回りが日本の方が米国よりも高い水準を保っている。
  • 長期金利は日銀の政策により、ほぼゼロ金利水準を推移している。
  • イールドスプレッドは、-4%-7%のレンジで推移している。

米国のイールドスプレッドが-6%~-2%のレンジで推移していたことを考えると、日本の株式市場が債券市場に比べて割安に放置されていると言えます。
では、日本株の方が良いかというと、そう簡単な話でありません。
なぜ日本の株式益利回りの方が米国より平均して高いかと言いますと、それだけ日本企業の成長力が米企業に比べて低いと投資家に判断されているという裏返しにもなるためです。
バリュー株ほどPERが低く、グロース株ほどPERが高いという理由と同じになります。

しかし、日本において今は株式市場と債券市場、どちらに投資すべきなのかを考える上では、イールドスプレッドは役に立つ投資尺度であることには変わりありません。

イールドスプレッドを使った戦略をご紹介!

イールドスプレッドがある一定のレンジで推移することを前提に、株式を買うタイミング、売るタイミングを判定できないか?と考え、ひとつ戦略をご紹介したいと思います。
まずは、図2をご覧ください。
こちらは2011年からの日経平均、イールドスプレッドの推移を月次ベースでグラフにしたものです。

図を見ているだけでは正直、何かしらの法則を見出すことはできません。
そこで、イールドスプレッドの原点(=イールドスプレッドが高ければ(低ければ)株式は割高(割安))に立ち返り、イールドスプレッドが低い(高い)時に株式を買う(売る)という単純な戦略を検証してみることにしました。

検証方法

検証方法の内容は以下の通りです。

  • 取引対象は日経平均。
  • データは2011年1月からの月次データを使用。
  • イールドスプレッドが-6.5%以下になったら日経平均を買い、-6.5%以上に上昇した時点でポジションを閉じる。
  • イールドスプレッドが-4%以上になったら日経平均を売り、-4%以下に低下した時点でポジションを閉じる。

バックテストの結果は?

検証結果は表1の通りです。

勝率を高めるために、トリガーとなる条件をかなり厳しめに設定したために、約11年半で11回しかトリガーにひっかかることはありませんでしたが、パフォーマンスは買いパターン、売りパターンの両方ともプラスとなりました。

短い期間で大きなリターンを生むeワラントは最適な道具!

以上、長々と説明してきましたが、1年を通しても中々発動しない戦略にはなりますが、期待収益も大きいため、発動した時はぜひチャレンジするべき戦略です。
またポジションの平均保有期間が買いの場合は2か月、売りの場合でも3か月と、投資期間が短いという特徴もあります。
となれば、eワラントの出番です。
投資期間が短いので、時間経過による価格の下落を最小限に抑えることができる上に、レバレッジが効いています。例えば、約10倍のレバレッジがかかっているeワラントを利用すれば、買いの場合の平均リターンが+3.8%ですから、約+38%のリターンが見込めることになります。
手軽なレバレッジ商品としてのeワラントをぜひご活用ください。

(カイカ証券 吉野 真太郎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、カイカ証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。