1月20日のバイデン次期大統領就任後の上昇を想定したスタンス

日経平均は1月8日に1990年8月以来の28,000円を回復しました。米国で注目されていた米ジョージア州の連邦議会上院の2議席を巡る決選投票では民主党が2議席を獲得し、上下両院を民主党が握る「ブルーウェーブ」が実現。これまではバイデン政権による増税や大型テック企業に対する規制強化が警戒されていました。ただ、決選投票の結果判明直後にハイテク株が一時的に売られる場面はみられたものの、その後はむしろバイデン政権による大規模な経済対策に対する期待感が強まり、投資家を買いに向かわせたことが上昇の背景とみられます。

ただし、足元ではトランプ大統領の支持者らが連邦議会議事堂を襲撃する事件が発生したほか、さらにトランプ大統領の支持者らがネット上で再び選挙結果に抗議する行進を計画しているなどとも伝わっています。この騒動によって米下院民主党は、トランプ大統領が「反乱の扇動」を働いたとして、罷免を求める弾劾訴追決議案を下院に提出しています。トランプ大統領とペンス副大統領はホワイトハウスで会談し、1月20日の任期満了まで国家のため職務を遂行すると約束したと伝わっており、目先的には政局への不安感が相場の重荷になる可能性は意識しておく必要がありそうです。

とはいえ、米国連邦議会は大統領選挙の結果を承認する手続きを完了し、バイデン氏が1月20日に大統領に就任することが確定しています。米国土安全保障省は就任式をめぐり13日から首都ワシントンの封鎖を始め、1万人超の州兵らが厳戒態勢で警備にあたるようです。トランプ派の過激な行動などが警戒されるものの、20日以降はこうした一連の状況を警戒していた待機資金が改めて株式市場に流入してくる可能性が高そうです。バイデン次期大統領は先週、個人への直接給付金増額(2,000ドル)を含む数兆ドル規模の追加経済支援策が直ちに必要だと呼び掛けたと伝わっています。こうした行動からも、目先的には新型コロナ感染拡大への対応策が優先事項となるため、当初警戒されていた増税や大型テック企業に対する規制強化の動きがすぐさま実施されることはないだろうとの見方が市場のコンセンサスとなっている点が背景にあります。

日経平均についても、これまでもち合いレンジ突破からトレンドが強まる場面においては、重要イベントの通過など、アク抜け的な要因がありました。2021年大発会の週においても、週前半は米ジョージア州の連邦議会上院の決選投票待ちのなかで調整をみせましたが、結果を受けた米国市場の動向を受けて週後半には強い値動きをみせており、日経平均は28,000円を突破しています。足元では米国の政局不安が重荷となりそうですが、大統領就任式後のアク抜けが想定されるなかにおいて、押し目買い意欲の強さが意識されると考えられます。なお13日に、新型コロナ感染拡大による1都3県の緊急事態宣言発令に続いて、京阪神含めた7府県でも緊急事態宣言が発令されました。感染再拡大が11月の個人消費などに及ぼした悪影響は想定ほど深刻ではなかったものの、12月及び1月に感染再拡大の影響が集中して表れるため、2021年1-3月期に対する悪影響は逆に膨らむとみられています。上期決算においては予想ほど悪くなかったとして通期業績予想の上方修正を発表する企業の動きが目立っていましたが、改めて業績不透明感が徐々に警戒されてくることになりそうです。特に一旦はアク抜け感が強まっていた景気敏感株に対しては戻り売りがある程度強まる可能性があるでしょう。そのため、業績期待が大きいセクターなどに一層資金が集中しやすいと考えられます。

そういった面では5GやDX化の流れにおいてハイテクセクターへの関心が引き続き続き高まりやすいとみられます。足元では強弱感が対立する場面もみられそうですが、各国の金融緩和政策による過剰流動性供給の中において、前述した通り20日の大統領就任式通過に焦点を合わせた資金流入が待ち構えていると考えられます。そのため、少額でのヘッジ対応として日経平均のコールのほか、過熱感や割高感から手が出しづらくなっている信越化学(4063)日本電産(6594)富士通(6702)村田製作所(6981)アドバンテスト(6857)東京エレクトロン(8035)などのコール買いによる、大統領就任後の上昇を想定した買いヘッジ策が有効になりそうです。


(eワラント証券)

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。