2018年4‐6月期決算のレビュー~電子部品

 3月期決算企業の2018年4‐6月期決算がほぼ出そろった。

 8月14日時点の日経新聞の集計によると、上場企業全体(除く金融・JQ・マザーズ等)の売上高は7.9%増、経常利益16.5%増、純利益27.9%増となった。2019年3月期の予想では純利益は0.3%の減益予想となっているが、18年度末の2.1%減からは改善見込みだ。

 SMBC日興証券のまとめによれば、業種別の最終利益は電機が54.3%増、機械が26.2%増と好調。輸送用機器は原材料価格の上昇などもあって全体では3.4%増にとどまった。レポートによれば、「製造業の4-6月期経常増益率は同+14.7%。主要製造業の為替前提は、コマツ、日本電産などが引き続き1ドル=100円となっており、105円前提の企業も含めると保守的な企業が多い。」という。非製造業(金融除く)の4-6月期経常増益率は同15.7%。通信や商社などが貢献した。一方、内需では建設が減益。

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、中小型と大型を分けて集計しているが、大型株に分があったようだ。中小型株は売上高が前年比+4.8%、経常利益は同+8.4%、大型株は売上高が同+4.5%、経常利益が同+13.4%となっている。大型・中小型ともに製造業・非製造業は2ケタ経常増益である。一方金融株の経常利益が中小型株では前年比-21.9%、大型株では同+1.5%と低調だった。業種別ではサイズ問わず電気機器が好調。大型株の総合電機メーカーや半導体製造装置関連、中小型株の電子部品メーカーなどが増益だったという。

 個人的には、業績好調なはずなのに、このところ株価の下落が目立った電子部品メーカーの決算がとても気になっていた。昨年上昇しすぎた反動と言ってしまえばそれまでなのだが、実態をいまいちどチェックしたい。

 QUICK企業価値研究所によれば、電子部品5社(TDK、アルプス、京セラ、太陽誘電、村田製作所)は16%増収、25%営業増益。19/3期の会社計画は7%増収、34%営業増益となっている。売上高は、スマートフォン向けは北米大手メーカーの新モデルが18年に入り減産したものの、第1四半期に入り中華圏メーカー向けが健闘。なお、韓国向けは依然として苦戦。自動車向けの拡大も増収に寄与。加えてIoT(モノのインターネット化)をはじめ産業向けの拡大も貢献した。なかでも大容量の小型積層コンデンサの好調が顕著。

 しっかりした決算内容に見える。また、スマホ関連に陰りがみられるが、車載向けは成長期だという認識もマーケットのコンセンサス通りだと思う。しかし企業間では成長力の格差が広がっているようにも感じられた。前記の有力5社から対象を広げるとiPhoneやサムスン依存度が高いメーカーでは通信機器部門が減収になっているところもある。車載向けでも、欧州と中国で普及が広がるパワートレインの電動化、排ガス処理の高度化の需要を取り込めたところは伸びが加速した。一方日本車が中心の場合、成長率は前年並みだ。開発力はもちろんのこと、顧客層の偏りのなさも強みになっているようだ。

 ただ、顧客層も開発力もピカイチの企業について、アナリストさんがボヤいていた。「でもねえ、もうみんな機関投資家は持ってるんですよ」。株価という点ではどうなるのだろうか。

(フリーアナウンサー/証券アナリスト かのうちあやこ)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。