2019年の具体的な投資戦略について考えてみた

米中摩擦は2019年に激化する公算大

 2018年10月2日に日経平均が平成バブル崩壊後の高値、27年ぶりの高値24,448円07銭をマークしたものの、その後3ヵ月も経ないうちに約5,000円も急落した。もちろん歴史的な急落と言っていい。この背景として、企業業績の頭打ち懸念、米政権内の混乱、中国の景気減速懸念・・・いくつも指摘することができるが、それらはすべて「米中摩擦」に帰結する。企業も政治も、すべてがここに振られる格好となっている。2019年の投資戦略を考える上でも、この成り行きをどう見通すかということになるだろう。先手はアメリカが打ってくる構図に変化はないものと見ている。ではアメリカは中国に対しどのような態度を取ってくるのか?ここでは2018年10月4日に米シンクタンク・ハドソン研究所でペンス米副大統領が行った「対中国政策に関する演説」にヒントを求めたい。

【ペンス米副大統領演説要旨】

  • 中国政府は、政治・経済・軍事的手段とプロパガンダを用いて、米国の国内政策や政治活動に干渉している
  • 中国の経済発展の大部分は、米国の中国への投資によってもたらされた
  • 関税、為替操作、強制的技術移転、知的財産窃盗、産業界への補助金など自由で公正でない政策を行使してきた。民間技術は軍事技術に転用されている
  • 南シナ海を「軍国主義化する意図はない」と発言した一方で、人工島に建設された軍事基地に、対艦ミサイルと対空ミサイルを配備した
  • 中国政府は自国民に対して、統制と抑圧を行い、他に類を見ない監視国家を築いている。収容所に100万人ものイスラム教徒のウイグル人を投獄し思想改造を行っている
  • 中国政府はいわゆる「借金漬け外交」で小国への影響を拡大している。これらの融資条件は不透明で、利益は中国に流れている。中南米3カ国に対して、台湾との関係を断ち切り中国を承認するよう働きかけている

 ここからはアメリカが貿易問題だけでなく、中国の「人権」、「軍事」などについても問題視していることがわかる。これらのことは2019年にアメリカが先手を打つ格好でさらに両国の対立が激化してくるのだろう。2019年に「米中摩擦」は経済分野を飛び越えて別のステージに進行するものと考えられる。その中で、両国の緊張が強まる時があり弱まる時があり・・・株式市場は振りまわされる可能性が高い。

2018に年パフォーマンスが悪かったセクター/銘柄に注目

 情勢が不安定な中では、やはり短期投資ということになる。上げても下げても儲けを追求していくイメージだ。eワラント投資においてそれに違和感はなく、コールとプットを素早く転換していくことになるだろう。対象となる銘柄(原資産)として「2018年にパフォーマンスが悪かった銘柄」に注目してみたい。2018年は東証1部上場銘柄の約80%が昨年末比マイナスとなった。中でも目立って売られたのは、電機・機械・化学・非鉄金属・鉄鋼・海運などの景気敏感セクターだ。これらは下落局面では株価指数を超える率の下落となり、逆に反転高局面になるとリバウンド狙いの対象となるものと想定する。以下の銘柄をロング&ショート短期投資の対象と見ている。

ルネサスエレクトロニクス(6723・東証1部)
自動車向け半導体の大手メーカー

コマツ(6301・東証1部
建設機械の世界第2位企業

日東電工(6988・東証1部)<
自動車、半導体など幅広い総合材料メーカー

ミネベアミツミ(6479・東証1部)
極小ベアリングで世界シェア6割を誇る企業

安川電機(6506・東証1部)
サーボモーターとインバーター(可変速制御装置)の世界首位メーカー

パナソニック(6752・東証1部)
総合家電大手メーカー

住友金属鉱山(5713・東証1部)
金、銅、ニッケルなど非鉄金属の大手企業

(株式ジャーナリスト 天海 源一郎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。