2019年の注目テーマ(消費増税・人手不足)

 新年の足音が聞こえてくる時期になりましたが、先週から日本株相場は下げ基調にあります。間もなく2019年を迎えますが、今年の相場に波乱をもたらした米中の通商問題や英国のEU離脱問題はいまだ解決の目処が立っていません。さらに、来年には米国の景気後退期入りや10月に控えた消費増税後の景気低迷を懸念する声も聞こえるようになってきました。2019年は日本株相場にとって厳しい1年となるかもしれません。

 とはいえ、一部の業種・業態にとっては株価押上げにつながる追い風もありそうです。例えば、 国内の制度変更により特需的な需要が見込まれる分野には短期的に資金が向かうこともあるかもしれませんし、すでに市場の注目が集まっている分野は相場環境が悪い中でも継続して買いが集まるかもしれません。

制度変更で需要が見込まれるテーマ(軽減税率関連、QRコード決済関連)

 2019年の株式相場に影響を与えかねない要素の1つとして、10月1日に予定されている消費増税が挙げられるでしょう。消費税率の引き上げは家計、企業の負担増加につながりますので、景気にとってはマイナス要因となります。実際、2014年4月の消費増税(5%→8%)の影響もあり、2014年度の実質GDP成長率は前年比-0.4%と前年度(+2.6%)から大きく落ち込みました(もちろん、消費増税前の駆け込み需要とその反動も大きく影響しています)。

 この点、2019年の増税に対し政府は、軽減税率の導入と経済対策(プレミアム付き商品券の発行、キャッシュレス決済へのポイント還元など)を行うことで、景気の下支えを行うとしています。新制度に伴い、小売店が導入する決済端末の費用については政府が一部助成するとしており、端末を製造するメーカーには特需が発生するかもしれません。また、ポイント還元の費用についても国が負担するとしており、キャッシュレス決済サービスを提供する事業者は取引の拡大が期待されます。特にQRコード決済は導入コストが安く、小規模小売店舗を中心に取り入れる企業が増えるかもしれません。

軽減税率関連関連銘柄

・東芝テック(6588):POSレジシステムの世界シェア第1位
 ※東芝テックを対象とするeワラントはございません。

・富士通(6702):子会社 富士通フロンテックがPOSシステムを手掛ける
 富士通を対象としたeワラント

QRコード決済関連銘柄

・ヤフー(4689)、ソフトバンクグループ(9984):子会社PaypayのQRコード決済が話題に
 ソフトバンクグループを対象としたeワラント

・LINE(3938):プリペイド式のQRコード決済「LINE pay」を展開
 LINEを対象としたeワラント

・キーエンス(6861):QRコードリーダーを製造
 キーエンスを対象としたeワラント

引き続き注目が集まるテーマ(人材サービス関連、無人化・省力化関連)

 有効求人倍率は1974年以来の高水準でバブル期のピーク超えとなっており、人員を確保する必要に迫られている企業側にすれば人手不足は深刻な問題となっています。また、人口の減少と高齢化が進行する中、中長期的にみても生産年齢人口の減少は必至で、採用環境は厳しさを増していくものと考えられます。構造的な人手不足の問題は求人情報サービスや人材派遣事業を手掛ける企業にとっては引き続き追い風となる可能性があります。

 また、人手不足にあえぐ企業の中では、人手をかけないようにする=無人化・省力化の推進が急務となっています。すでに製造現場では無人化・省力化が進んでいる企業も多くありますが、今後は小売、流通、農業など様々な分野でも需要が高まっていくものと考えられます。

 これらのテーマは既に注目が集まっている分野ではありますが、2019年もトレンドワードとして相場の材料となる可能性が高いと考えられます。

人材サービス関連

・リクルートHD(6098):新卒採用、中途採用、人材派遣と総合的な人材サービスを展開
 リクルートを対象とするeワラント

・エムスリー(2413):子会社エムスリーキャリアが医療従事者向けの求人情報サイトを展開
 エムスリーを対象とするeワラント

無人化・省力化関連

・ファナック(6954):産業用ロボットの世界大手。FA(ファクトリーオートメーション)の代表格。
 ファナックを対象とするeワラント

・ダイフク(6383):eコマースの増加に伴い人手不足が深刻な物流倉庫向けに自動化ソリューションを提供
 ダイフクを対象とするeワラント

・クボタ(6326):人材不足が懸念される農家向けに自動運転の農機(トラクタ、コンバイン)を開発中。
 ※クボタを対象とするeワラントはございません。

(eワラント証券 投資情報室次長 多田 幸大)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。