2020年の主要イベントを先読み!注目はやっぱり・・・

2019年も残りわずかとなりましたが、昨年以上にトランプ大統領や米中間の貿易戦争に世界中が振り回されたような印象を受けます。それでも、本稿執筆時点(2019年12月11日)で、株式相場が昨年末と比べて高値圏で推移しているのは、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)が「金融緩和」へと政策を転換させたことが大きな要因と考えられます。緩和的な政策を継続している日銀と併せて、2020年も主要中銀の緩和的な姿勢が継続されるのかには注目が集まりそうです。

また、2020年には米国の大統領選挙が予定されています。前回(2016年)選挙の投開票日には、事前の予想に反してトランプ氏優勢が報じられる中で、株式相場や為替相場が大きく変動していたのが印象的でした。今回はどのような結果となるのかは要注目でしょう。

その他にも、2020年には相場に影響を与えかねないイベントが数多く予定されており、それを契機として相場が大きく変動する可能性があります。事前にそのスケジュールと想定されるシナリオや投資戦略を考えておくことは、来年の投資活動において優位に働くでしょう。

2020年の主なイベント

2020年に予定されている主なイベントと主要中銀の政策金利発表のスケジュールは下表のとおりです。最大の注目イベントは米国大統領選挙となるとは思いますが、日本国内や海外他地域でも選挙が予定されています。国内ではいよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催され、国内外から大勢の観戦客が東京に集まることが予想されます。


2020年前半の注目イベントと勘所

台湾総統選挙(1月11日))
台湾の元首である総統を選出する選挙が1カ月後に迫っています。ポイントとなっているのは中国との距離感です。中国の習近平国家主席は台湾に高度な自治を認める「一国二制度」を用いて台湾を統一することに意欲を示しましたが、同じく「一国二制度」を認められている香港でデモ隊と警官隊の衝突が激化する中で、台湾内で中国政府への警戒感が広がっています。これを受けて、直近の報道では、中国と距離を置く現職の蔡英文総統が、親中派の韓国瑜氏、宋楚瑜氏を大きくリードしていると伝えられています。台湾総統選をめぐっては、中国当局が圧力をかけようとしているとの懸念を米国側が示しており、米中関係を悪化させる新たな火種となるかもしれません。

Windows7の延長サポート終了(1月14日)
Microsoftは、新しいOSの発売以降にプログラムの不具合が見つかった場合やウイルスの攻撃に対する脆弱性が発見された場合には修正プログラムやセキュリティの更新を配信していますが、サポート期限終了後は更新プログラムが提供されなくなり、ウイルスの感染等のリスクが高まる可能性があります。Windows7は多くの企業や個人に利用されていたので、サポート終了に向けて多くの機器の買い替え(リプレイス)が進んでいます。PCや電子部品メーカー、企業向けにPCのリースを提供している企業はリプレイスに伴う需要でこれまで売上が増加していると思われますが、来期以降はその反動減が発生するかもしれません。

英国のEU離脱期限(1月31日)
本稿執筆時点では、まだ英国総選挙(12月12日)の結果は判明していませんが、仮に「労働党が勝利する」又は「どの党も過半数を獲得できない(ハングパーラメント)」となれば、1月末の離脱は不透明となるでしょう。合意なき離脱懸念も再燃するかもしれません。一方で、「ジョンソン首相率いる保守党が議会の過半数(連立や閣外協力を含む)を獲得」すれば、10月にEUと合意した離脱協定案に基づいて英国はEUから離脱を迎えることになるでしょう。ただし、1月末の離脱に向けた道筋が立ったとしても、EUや各国との通商関係に関する交渉はまだこれからです。英国経済を巡る混乱は2020年もまだまだ続く可能性があります。

スーパー・チューズデー(3月3日)
米国大統領選挙(11月3日投開票)に臨む各党の予備選挙・党員集会が来年2月から始まります。その中でも一日で最も多くの代議員を獲得することができる日をスーパー・チューズデーと呼びます。スーパー・チューズデーに勝利を収めた候補は共和党・民主党の大統領候補に大きく近づくため、非常に重要なイベントとなりそうです。共和党は現職のトランプ大統領が大本命ですが、民主党の候補者争いは混戦となっています。米キニピアック大学が行った世論調査によると、ジョー・バイデン前副大統領が24%で第1位となり、サウスベンド市長のピート・ブッティジェッジ(16%)、エリザベス・ウォーレン上院議員(14%)、バーニー・サンダース上院議員(13%)と続いています。どの候補が民主党の大統領候補となるかはこれからの選挙戦次第ですが、ウォーレン氏とサンダース氏は急進左派と目されており富裕層や大企業に批判的な発言が目立ちます。両氏の支持率拡大が取りざたされれば株価にとってはマイナスの影響があるかもしれません。


(eワラント証券 投資情報室長 多田 幸大)

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。