2020年マーケットの視点と注目される銘柄

マーケットは米中対立を織り込み始めた

何よりも米中対立から生じる「不確実性」が低減していることを指摘しなければならない。2019年12月15日の追加関税措置直前に、米中両国は通商協議の「一次段階合意」を発表した(文書による合意はまだ)。そして「二次段階の交渉に入る」としている。

ここまでの経緯からは、紆余曲折はあるものと想像できるが、「それでも最終的には妥協点を見出し合意する」と考えることが可能だ。結果的に2019年の株式市場は「米中対立」が嫌気され、株価が下落した地点がことごとく安値買いポイントとなった。

このパターンは2020年も継続するものと考えられるが、すでに何度も同じことを経験していることから、2019年ほどの深押しはないと思われる。相場は同じ事象で同じ動きをするわけではない。必ず織り込んでいくものだ。

米FRBが2019年7月、9月、10月と3度の利下げを行ったことも株式市場の支援材料となった。2019年12月の米FOMCでは2020年の政策金利は現状を維持するとの想定が示され、パウエルFRB議長も「現在の金融政策が、持続的な経済成長、強い労働市場、2%のインフレ目標を支えると信じている」として、もう一段の利下げに慎重な姿勢を示したものの、マーケットの受け止めは「また危うくなればFRBは動く(再利下げを行う)」というものだ。

3度の利下げによってFRBに対する信頼は絶大なものになった。決してトランプ大統領からの圧力に屈した格好でなく、FRBが自主的に行動したと理解されているところがミソだろう。株式市場には追い風だ。

2020年11月の米大統領選挙はトランプ氏再選

2020年11月には米大統領選が行われる。米大統領選は米2大政党の予備選など長期間にわたる一大イベントだ。2020年2月から数か月間に大まかな様子は見えてくるものと考えられる。

忘れていけないことは、次の大統領選は「現職(共和党)VS新人(民主党)」の構図だということだ。過去において現職候補が圧倒的に有利だったことは言うまでもない。まして、地味さが目立つ米民主党の候補がトランプ大統領を圧倒することができるだろうか…ジョー・バイデン、エリザベス・ウォーレン、バーニー・サンダース、ピート・ブーティジェッジ、さらにはマイケル・ブルームバーグ、ここから相当な「旋風」を巻き起こすか、トランプ大統領が「大失態」を起こさない限りこれらの候補たちの当選は難しく、トランプ氏の再選が確実視される。

参考までに大統領選前後のNYダウと日経平均の年間平均騰落率を示す(1980年以降)。
大統領選の前年 NYダウ+15.6% 日経平均+9.5%
大統領選年 NYダウ+3.7% 日経平均-0.2%
大統領選の翌年 NYダウ+14.4% 日経平均+14.4%

あくまでも過去の平均値だが、大統領選翌年の上昇率が高い。大統領選は年後半に行われることを考えると、大統領選挙後の見通しは明るいのかもしれない。

いいタイミングで銘柄を保有する

堅調な相場の中では「何を買うか?」以上に「どのタイミングで買うか?」が重要視される。
2019年に素晴らしいパフォーマンスとなった「半導体製造装置関連株」は、来年もやはり、最初に注目することになりそうだ。さらに進む「5G関連株」も同様だ。ほぼ事業環境に疑いが無いことから、全体相場が軟調に推移し、ツレ安する時が仕込み場となりそうだ。

この他は、2019年9月以降に息を吹き返した「バリュー株」に目が向く。バリュー株は極めて幅が広く、銘柄数も多い。株価の動きが堅調に推移している銘柄を追いかける作戦が初手になりそうだ。

【半導体製造装置関連株】

東京エレクトロン(8035・東証1部)

日立ハイテクノロジーズ(8036・東証1部)

ディスコ(6146・東証1部)

【5G関連株】

アンリツ(6754・東証1部) 

村田製作所(6981・東証1部)

【バリュー株】

大成建設(1801・東証1部)

日本製鉄(5401・東証1部) 

第一生命ホールディングス(8750・東証1部) 


(株式ジャーナリスト 天海 源一郎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。