2021年相場に向かう重要ポイントをまとめる

コロナ安後の優良株上昇とバリュー株見直しは続きそう

例年のことだが、株式市場の年末年始休場はそう長いものではない。今回も12月31日、2021年1月1日~3日の計4日間が休場となるだけだ。欧米市場では2021年1月2日から新年の取引が始まる。このことからわかるように、言われるほど旧年末と新年始の相場の様子は急変するものではないだろう。その意味では、2020年の相場の流れと注目が集まった銘柄を頭に置いておかなければならないだろう。そして振り返る際の「スタート地点」はやはりコロナ禍によって世界株が軒並み安値をつけた2020年3月だ。ここから総じて株式市場が急反発した要因は、大規模金融緩和、大規模政府支出、さらには「Withコロナ」の生活様式が、意外にも追い風になる銘柄が多かったこともあるだろう。他方、中国はコロナウイルス発生国といわれていながらいち早く感染拡大を抑え込み、景気回復基調を取り戻したことも大きい。株式市場ではまず優良株といわれる銘柄が買われた。今も高値を保っている銘柄の中から象徴的な銘柄を挙げておきたい。

キーエンス(6861)FAセンサーなど検出・計測制御機器の大手企業

ファーストリテイリング(9983)「ユニクロ」を世界展開する

ソニー(6758)ブランド力絶大のAV機器大手企業

ダイキン工業(6367)エアコンで世界首位級企業


優良株(たいていはグロース株)の上昇は、比較、対極に位置するバリュー株の割安さをさらに際立たせる格好となったが、夏以降にコロナ感染が一時的に落ち着きを見せた時期に企業業績の回復期待が高まり、バリュー株にも目立って資金が向かう格好となった。これらバリュー株の目立った上昇はアベノミクス(2013年春)以降もほとんど見られなかった動きであり、現段階でも意外高との印象が強い。買われたバリュー株の中から象徴的な3銘柄を挙げておきたい。

日本郵船(9101)海運で国内首位企業

住友金属鉱山(5713)非鉄金属、電子材料が主力

デンソー(6902)自動車部品で国内最大、世界首位級企業


ここまで振り返ってきた「動き」や「流れ」は急に消失する可能性は低いだろう。足元、世界的にコロナ感染第3波となり、欧州を中心に、感染力が強いとされる「コロナウイルス変異種」が発見されているが、株式市場がそれほど嫌気していないことも端緒だと見ている。


グリーン関連株の“柱”が選別されていく

12月25日に正式に発表された政府の「グリーン成長戦略」では、2050年の温暖化ガス排出ゼロに向けた実行計画が示された。

【参考】経済産業省のHP
「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略を策定しました」
https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201225012/20201225012.html

菅首相が部分的に示していたことが具体化され、概ねバイデン次期米大統領が提唱している政策とも方向が同じだ。日本政府が明確に中長期の目標や支援策を示し、民間企業が投資を進めやすい環境を整えることが謳われており、わかりやすい「国策」として株式市場で注目されることになるだろう。洋上風力や水素など14の重点分野が設定されているが、とくに目を引く自動車分野では2030年代半ばまでに軽自動車も含めた新車販売をEV(電気自動車)やHV(ハイブリッド車)など電動車にするとのことだ。すでに関連する分野の小型株には急伸している銘柄もあるが、まだ「グリーン成長戦略関連株の柱」は明確ではない。当初は多くの銘柄に注目が集まるものの、時間を経て少数の銘柄への物色に収まっていく可能性があり、関連銘柄ウォッチには集中力を要することになるだろう。ここではヒントとなりそうな銘柄を挙げておくこととする。株式投資の醍醐味を味わえる年になることを期待したい。

トヨタ自動車(7203)国内シェア約50%、世界大手自動車メーカー

パナソニック(6752)リチウムイオン電池で世界首位級の総合電機大手

岩谷産業(8088) 水素サプライチェーン構築を手掛ける

三菱重工業(7011)洋上風力関連事業を展開する総合重機大手

川崎重工業(7012)液化水素運搬船・水素発電など水素に強い総合重機大手


(株式ジャーナリスト 天海源一郎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。