2022年も『コロナ』と『中国』が株価に影響を与える公算

個人投資家に試される機動力

2022年の東京市場は1月4日(火)から取引がスタートする。年末年始の休場といってもたかだか4日間だ。新年受け渡しは2021年12月29日から、欧米主要市場は1月3日からスタートする。急に相場に変化が表れるものではないだろう。変わらず東京市場の最重要ポイントは「コロナ」ということになろう。それに次ぐ事項として「中国経済(の減速度合い)」、「アメリカ(のインフレ進行度合い≒金融政策)」が指摘される。コロナについては、足元、オミクロン株の感染拡大が懸念されており、国内でも市中感染が確認されている。世の中の雰囲気も緊張感を増しているものと見られるが、今のところ株式市場に大きな変調をもたらすものとはなっていない。この事実はひとつ頭に置いておかなければならないことだろう。日本において、コロナ感染拡大におけるウイークポイントは医療体制と言ってよく、本来入院すべき患者がスムーズに入院できないような事態になると、社会不安が強まり政府批判へと展開していく(2021年夏に経験したもの)。もちろん株価にとっては頭を抑える要因となる。企業業績の側面では、日本では過去において欧米ほど供給面の制約が起こったわけではないものの、先行きへの不安感は増し業績への懸念にもなる。株式市場ではオミクロン株への不安が高まっている中では、ネガティブシナリオが台頭してくるが、仮に感染拡大が早期に収束、感染拡大の程度が再び緊急事態宣言が発出されるようなものではないと判断されると、直ちに経済活動再開をメインシナリオとするポジティブシナリオが意識されるようになる。そのケースでも、新たな変異株が出現する可能性がゼロになるわけではないものの、コロナに対する恐怖は低減していく。コロナにおいては、局面を見てスタンスを素早く転換させる機動力が必要となるのだろう。「必ずこうなる」という断定は禁物だ。

中国政府による景気浮揚策に期待

アメリカではインフレが進行に対処し、米連邦準備理事会(FRB)が2022年内に複数回FFレートを引き上げると想定されている。米金融政策は世界の金融市場の資金フローに大きな影響を与えることからその行方には注視することになる。パウエルFRB議長は就任時から「金融政策を変更する際には事前に充分なアナウンスを行う」と強調しており、実際、ここまでいずれの局面においても大きな混乱は起きていない。このことは投資家にとって重要事であるものの、積極的な指摘されていることではない。2022年にパウエル議長の姿勢が急変するとは思えず、その意味ではパウエル議長や他FRB首脳発言の意図や行間を読むような姿勢で臨みたい。対して、米政府は引き続き財政出動で経済の下支えをしていくことになりそうだ。道路、橋梁、鉄道、EV充電設備、高速通信網などの分野は言うまでもなく、低所得層の家計補助、教育・医療支援などが盛り込まれた法案も年明けに(多少の修正はあるものの)議会を通過する見込みだ。

中国では12月の「中央経済工作会議」で積極的な財政政策と緩和的な金融政策の継続が確認されている。カーボンニュートラル達成への道筋が説明され、不動産市場に対しては投機の抑制を継続しつつ、実需増を支援していく意向も示された。今後について想定されることは、中国政府が「景気浮揚策」に取り組むことではないだろうか。その場合、政策面による引き締めが続く「IT」や「不動産」ではなく「インフラ投資」がメインとなる可能性もある。中国政府のインフラ投資が強化された場合は日本株にも相当なポジティブサプライズとなる公算だ。抜け目なく経済政策を打ち出してくる中国政府の動きには常に注目しておきたい。中国関連株の動意を予想する。

日本製鉄(5401・東証1部)

コマツ(6301・東証1部)

・ツガミ(6101・東証1部)

ファナック(6954・東証1部)

DMG森精機(6141・東証1部)

(株式ジャーナリスト 天海 源一郎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、カイカ証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。