4月以降の日本株は欧州勢による日本株売りで下落か?

日本株市場の売買シェアのおよそ7割は海外投資家が占めているため、海外投資家の動きが事前に予想できれば日本株の取引損益を改善させることができそうです。その中でも、欧州投資家は買い越し、売り越しに大きな特徴があり、その売買動向によって日本株の変動にも大きな影響を与えるものと考えられます。


日本株の値動きは欧州投資家の売買動向次第?

日本株市場が大きく上昇した時期は海外投資家が日本株を買い越していたり、逆に日本株市場が大きく下落したときは海外投資家が日本株を売り越していたりすることがあります。東京証券取引所の公開資料によると海外投資家の日本株の売買シェアは7割近くあり、日本株市場は海外投資家の動向に大きく影響されると言えるでしょう。

海外投資家といっても米国や欧州などその拠点は異なります。東京証券取引所は海外投資家の地域別売買動向を毎月公表しています。図1は北米、欧州、アジア、その他地域で分け、買い越し金額から売り越しの金額を差し引いた金額を示しています。プラスであれば買い越し、マイナスであれば売り越しとなります。欧州投資家は特に金額の振れ幅が大きいことがお分かりいただけるものと思います。


数年前に比べると小さくはなっていますが、いまだ欧州投資家の影響力は大きく、日本株の株価変動の3割程度は欧州投資家の買い越し・売り越しの金額である程度説明ができると考えられます。欧州投資家の月間売買動向とその月の日経平均の変動幅をプロットしたのが図2です。過去のデータを見る限り、売り越し・買い越しの周期が数カ月単位で続くこと、そして欧州投資家の売り越し・買い越し額が大きいときに日経平均の変動幅が大きくなる傾向があることがわかります。


公開されているデータは2月までのものになりますが、2月まで4カ月連続で買い越しが続いていたことを考えると、3月や4月は売り越しとなる可能性が高いと考えられます。


欧州投資家の売買動向に見る季節性にも注意

ただし、4月に関しては欧州投資家の売買動向に特異な季節性が見られる点には注意が必要です。図3は欧州投資家の日本株売買動向を2007年まで振り返ってみたものになります。グラフのうち、赤で表しているのが4月の売買動向です。2007年から2020年までの14回のうち2020年を除く13回の4月に欧州投資家は日本株を買い越していました。唯一売り越しとなった2020年4月についても、新型コロナウイルスの感染が世界的拡大やそれに伴うロックダウン開始で世界経済の鈍化懸念が最も高まっていたタイミングであることを考えると、例外と考えてもよいかもしれません。


なぜ4月に欧州投資家が買い越しの傾向を強めるのかに関しては、明快な理由はわかってはいませんが、今年も買い越すと考えるのであれば日本株にとってはポジティブに作用すると考えられます。

一方で、その反動は5月以降に現れてくる可能性が高いと考えられます。特に、昨年末から買い越し基調が続いていることを考えると、5月以降の売り越しは大きなものとなる可能性も考えられます。「Sell in May」という相場格言がありますが、今年はその傾向はより強まるかもしれません。もしかすると「Sell in April」を意識してみるのもよいのかもしれません。


(eワラント証券 多田幸大)

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。