NT倍率の世界でも10億分の1の確率の事象が!?コロナショックはこんなところにも影響を

コロナショックの影響で、投資家からあまり注目されていませんが、実はNT倍率※1においてもショック級の出来事が起こっているのをご存じでしょうか?

下図をご覧ください。


これは2010年1月~2020年3月までの約10年間における「NT倍率の値」と「NT倍率のヒストリカル・ボラティリティ(5日)」をプロットしたグラフです。

NT倍率というのは、価格そのものではなく指数と指数の比率ですから、通常そこまで大きく変動するものではありません。
上図でも分かるように、ヒストリカル・ボラティリティ(5日)で言うならば、5%程度が通常の値だと思っていただければ良いかと思います。

しかし、そのNT倍率において異常なことが今起こっているのです。
その変動率が約30%近くまで跳ね上がっているのです。
これは、通常の変動率の6倍に当たりますから、統計学で言うところの“6σ”という、まあなかなか見ることのない現象だと言えます。
確率にしますと、約10億分の1の確率になります。更に分かりやすく例えるならば、偏差値110ということです
え?偏差値って70、いっても80くらいまでじゃないの?と思われているかもしれませんが、理論的には110はあり得ます。但し、確率は10億分の1ですが…

さて少し話が脱線しましたが、要は今通常だと起こりえないことがNT倍率の世界でも起きているのです。

その原因は、先日3月16日に日銀が発表した「ETF買入枠の増額」である可能性が高いです。

日銀は、ETF買入政策の導入当初、日経平均に連動するタイプのETFを購入していました。しかし昨今、そのままでは組み入れ比率上位の銘柄における日銀の保有割合が高くなり過ぎることを懸念し、その政策を改め、TOPIXに連動するタイプのETFを中心に購入する政策へと変更していました。

従って、今回の「ETF買入枠の増額」の発表の後、「TOPIXが日経平均に比べてアウトパフォームする相場が続くのではないか?」という予想が市場で噂され、大量の「TOPIX買い、日経売り」という取引が出されていると推測されています。

これは正しい反応だろうと私も考えております。

従って、今後株価指数を取引する際は「買うならTOPIX、売るならば日経平均」という戦略が有効かもしれません。
また、足元のトレンドに追随する形で、純粋にNT倍率をショートするのも面白いかもしれません。
足元大きく下落しているNT倍率ですが、長期の水準で見れば、まだまだ高い水準と言えるでしょうから、ここからショートしても利鞘を十分稼げる可能性もあるでしょう。


(eワラント証券 マーケティング部 ヴァイスプレジデント 吉野 真太郎)

※1  NT倍率とは、日本の株式市場を代表する日経平均株価(Nikkei)と東証株価指数(TOPIX)の価格比率(レシオ)を計算した指標になります。一般的には、日経平均÷TOPIXで計算されます。

* 本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。