プット・コールレシオが1年ぶりの低下!警戒シグナルか?

プット・コールレシオとは

eワラント証券では、国内の個別株または国内の株価指数を対象原資産とするプット型eワラント(相場下落時に利益を狙うタイプ)とコール型eワラント(相場上昇時に利益を狙うタイプ)のどちらが売買されているかを示す指標として、プット・コールレシオを日々公表しています(https://www.ewarrant.co.jp/tools/put-call-ratio/)
図1は2015年1月5日から2016年11月28日までの日経平均株価とプット・コールレシオの推移を示したものです。
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プット型eワラントが多く売買されていればプット・コールレシオは上昇し、コール型eワラントが多く売買されていればプット・コールレシオは低下します。プット・コールレシオは次式で計算されています。

プット型eワラントの売買金額 ÷ コール型eワラントの売買金額 (5日移動平均)

一般に、強気相場においては株価の上昇期待が支配的となり、コール型eワラントの売買が増える傾向があります。逆に、弱気相場においては、相場の下落を予想してプット型eワラントの売買が増える傾向があります。つまり、eワラントのプット・コールレシオが高まってくれば弱気な投資家が増えてきた、逆に低下してくれば強気の投資家が増えてきた、と考えることができます。絶対的なものではありませんが、プット・コールレシオには次の傾向があり、相場の割高・割安を判断する逆張りの指標として利用できるかもしれません。

・割高の判断:相場の高値圏ではプット・コールレシオは低くなる傾向
・割安の判断:相場の底では、プット・コールレシオは急上昇し、鋭いピークを形成する傾向

約一年ぶりの低水準に

11月28日の取引終了時点でプット・コールレシオは0.15となり、2015年11月9日以来の低水準となりました。この現象を解釈する前に2016年のプット・コールレシオの推移について簡単に触れておきましょう。

年始から日本株相場が下落したことで年間を通じて冴えない相場が続くという予想をする投資家が多かったためか、2016年はプット型eワラントの取引が例年よりも比較的多い印象です。プット・コールレシオは0.10 ~ 1.00 の範囲で推移することが一般的ですが、6月21日のプット・コールレシオは4.71となり、過去に例を見ない水準までに上昇しました。これは6月23日に英国でEU離脱を巡る国民投票が予定されており、まさにその直前において相場の下落に備えたプット型eワラントの買いが増えたためです。投票の結果、いわゆるブレグジットが決まって相場が大きく下落したことは記憶に新しいところですが、その後の反発を考えると、相場の底が近いことを示していたと解釈することもできるでしょう。

話題を現在に戻しますと、トランプ次期大統領の政策に期待しているためか、株式市場は米国の大統領選挙をきっかけに上昇基調にあります。筆者の経験則上、プット・コールレシオが0.20を下回ると相場に過熱感があり、急落が発生する可能性が高まると考えています。0.15という水準は、トランプ氏への期待が強すぎて相場にそろそろ過熱感が出ていることを示すものと考えられます。

目下1~2週間の投資戦略

プット・コールレシオの約1年ぶりの低下は相場の過熱感を示す前兆として注意が必要です。また、今週はOPEC総会、イタリアの国民投票、オーストリア大統領選挙など大きなイベントが控えています。投資家のリスク回避的な動きが強まれば調整局面が訪れる可能性があります。買い持ちのポジションはキャッシュにするとか、下落に備えた保険としてプット型eワラントと組み合わせるなどして相場の下落の影響を受けにくくする戦略が有効と思われます。目下1~2週間程度の投資期間であれば、12月14日が満期日となっているプット型eワラントで、権利行使価格が相場水準に近い、もしくは権利行使価格が相場水準よりも若干低めになっている銘柄を選択すると良いでしょう。

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)
※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。