SDGs~洋上風力発電

 SDGsという言葉をよく聞くようになりました。企業の資料を見ていても「わたしたちの取り組み」といった項目が出てきたりします。投資の上でも欠かせない視点だと指摘されています。最近では世界的にESG投資が注目され、ファンドの成績もよいと聞くようになりました。ウクライナ情勢でまた「脱炭素」についての考え方などは変わってきているとも聞きますが、実際、どんな点を見ておけばいいのか、対象が広すぎてわかりません。そこで、そもそもSDGsって何?というところから調べてみました。夏休みの宿題です。

 SDGsとは国連に加盟する193カ国が、環境破壊、貧富の格差など、地球上で起きているさまざまな問題を2030年までに解決していこうと定めた目標のことです。SDGsとは、Sustainable Development Goals(サステイナブル・ディベロップメント・ゴールズ)の略で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳しています。
 目標は17個、全ての国の達成目標であり、169のターゲットで構成され、地球上の「誰一人として取り残さない」ことを誓っています。
 17の目標、私は残念ながら言えなかったので、今更ですが列挙します。

1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤を作ろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任、つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう

これが世界全体にとっての目標で、それぞれが相互に関連していますね。
投資の上で、企業の面から考えると、このSDGs、17の目標に向けて企業に何ができるか、企業が自由に自分の意志で取り組んでいくものがCSRです。CSRは企業の「社会的責任」と訳されますが、社会的対応力とも言えます。
そして、さらに企業の取組みを判断するのがESGです。 「ESG」とは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治=ガバナンス(Governance)の頭文字を取って作られた言葉です。三つの観点から企業の事業活動を分析して投資家が評価することで、企業が取組を強化しそれが世界にとっての目標SDGsにつながっていくということだろうと思います。

 私たちは財務情報と 非財務情報であるESG情報とで、投資や融資の判断基準として利用することになります。私たちは投資という活動を通して、SDGsの達成に関わるのですね。
 また、消費という行動もつながっているかもしれません。就職で企業を選ぶ時、取引先として選ぶ時などにも判断をし、それによって関わっていくのかもしれません。

「SDGs」「CSR」「ESG」 も相互に関係し、自分の小さな行動も世界の目標につながっていくかと思うと、当たり前のことなのですが、誇らしいような思いもあり、一方緊張するようでもあります。

 さて、中身として投資に関連してすぐに思いつくのはゴール7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」です。クリーンエネルギー関連の企業はたくさんあります。再生可能エネルギーは世界の発電量の 10%(2018年、EIA)を占めるまでに拡大してきましたが、これは原子力(同 10%)と同程度。火力発電等の化石燃料(同 64%)、水力(同 16%)に続く水準です。再エネのなかでは風力のシェアが一番大きく、木くずや燃えるゴミを燃やす際の熱を利用するバイオマス発電、太陽光発電が続きます。ほかに日本で潜在的ポテンシャルがあるとされる地熱、潮汐などがあります。
 世界的にシェアの大きい風力発電は日本では風車を設置する広い土地が少なく、洋上風力が期待されています。入札に関して課題が出てきていますが、かかわる企業のすそ野は広く、投資テーマとして今後もおりにふれて意識されそうです。

 豊田通商は風力発電の国内大手で、太陽光発電と併せて世界に331万kWの発電設備を有するユーラスエナジーホールディングを子会社に持っています。
レノバは独立系の再生エネルギー事業会社で、昨年12月に公募入札結果が公表された大型の洋上風力プロジェクトは失注したものの、定性面での評価は高いようです。
 デンマークの風車メーカーヴェスタスと提携する三菱重工や、米GEと提携する東芝など部材関連もあります。
 建設工事では海上での建設工事の専門的な技術を持つ五洋建設や、不動テトラ、基地港湾整備の実績を持つ若築建設などに活躍の機会がありそうです。
 このところ三菱商事、丸紅など総合商社の動きも活発です。

 SDGs達成に向けて多くの課題があるということは、それだけ投資のテーマもあるということにほかなりません。
 ほかにも様々な観点でSDGsを見ておきたいと思います。

(フリーアナウンサー/証券アナリスト かのうち あやこ)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、カイカ証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。