ワールドカップサッカー2022カタール大会で日本代表は、決勝トーナメントに進んだものの、惜しくもPK戦の末に前回準優勝のクロアチアに敗れてしまいました。それでも、今大会では優勝経験のあるドイツやスペインに逆転勝ちする「GIANT KILLING」を成し遂げたことは値千金と言えるでしょう。スペイン戦後に冨安選手がインタビューで「自分たちのことを過小評価しすぎず、もっともっと対等に戦えるんだという姿勢」を見せる必要があるとこたえていましたが、本当にその通りなのだと筆者も思います。
サッカーに限った話ではありませんが、こうしたスポーツイベントは、スポーツをしない人の心も熱くさせるから不思議です。ちなみに次の大きなスポーツイベントは2023年3月の「第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」でしょう。3月13日に、台湾で開幕する予定で、日本代表「侍ジャパン」は9日から13日まで、東京ドームで予選の4試合を戦う予定です。今回、目玉はなんと言っても日本人メジャーリーガーの参加です。エンゼルスの大谷翔平選手やパドレスのダルビッシュ有投手、さらにカブスの鈴木誠也選手の参加も決まったようです。日本にも「村神様」ことヤクルトの村上選手がいます。これらの選手の活躍は再び、日本のスポーツシーンを盛り上げてくれること間違いなしと言えるでしょう。なお、決勝戦は21日に米国のフロリダ州マイアミで開催される予定です。さらに、7月14日~30日には新型コロナで約2年延期されていた第19回FINA世界水泳選手権2022福岡大会(福岡市)が開催されます。日本水泳陣のレベル向上も著しく、世界記録達成も期待されるでしょう。
そして、男子に続き、サッカー女子ワールドカップが7月20日~8月20日まで、オーストラリアとニュージーランドの共催で行われます。日程もすでに決まっていて、日本代表「なでしこジャパン」は7月22日に初戦を迎えます。「なでしこジャパン」はワールドカップ8大会のすべてに出場していて、2011年には澤穂希選手の活躍などで優勝を果たしました。前回の2019年フランス大会ではベスト16と苦戦しましたが、今回は日本との時差が小さいことから、選手にとっても好条件ですし、観る側もほぼリアルタイムでテレビ観戦できることから、盛り上がりが期待されます。
また、8月11日~20日まで世界陸上選手権がハンガリーのブダペストで開かれます。日本陸上界のレベルも上がってきているので、フィールド競技などでのメダル獲得も期待されます。
加えて9月8日にはラグビーワールドカップ2023フランス大会が開幕します。10月28日までの日程で、日本は9月10日にチリと初戦を戦います。日本代表も2015年のワールドカップで強豪南アフリカを破る大金星を挙げたほか、2019年の日本大会では強豪国と互角以上の戦いを見せ、日本代表の躍進が目立ちました。そこで、一大ラグビーブームが巻き起ったうえ、日本チームの近年のレベルアップも目覚ましく、今回も期待が高まりそうです。
このほか、5月15日にはJリーグが開幕して30周年を迎えるほか、5月頃には札幌が有力候補とされている2030年の冬季オリンピック開催地が決定される見通しです。少し気が早いですが、2024年のオリンピックイヤーへと続く、スポーツのビッグイベントは、スポーツ人口の底上げにつながり、スポーツウエアやシューズ、スポーツ用品メーカーへの需要拡大や、スポーツ教室、スポーツジムの会員増加、スポーツ関連用品店の売り上げ増加などの、恩恵が期待されるほか、放送、配信などのビジネスにも追い風となるでしょう。最後に、サッカーで言えば三苫選手をはじめとして大活躍した日本代表選手達の今後の移籍なども話題になるかもしれません。日本と激闘を繰り広げたクロアチア代表キャプテンでバロンドーラーのルカ・モドリッチ選手もJリーグに来るかもしれないといった気になる話題もあります。もし本当に実現すれば、イニエスタ選手がJリーグ入りした時の盛り上がりが再来するかもしれません。いずれにせよ、明るい話題が少ない印象の昨今の日本に、日の丸を背負って戦う姿を通じて熱を届けてくれたW杯日本代表選手たちに改めて感謝の言葉を送りたいですね。
(カイカ証券)
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