新興国市場:強含む米ドル金利・懸念される新興国通貨安

米ドル金利の上昇は新興各国にとって悩みのタネ

 新興国通貨に再び下落圧力がかかり始めているのかもしれません(図1 南アフリカランド対円相場)。ここ数日、米ドルの、特に長期金利が上昇していることが影響している可能性があります。新興各国は、インフレ懸念と自国通貨安防衛のために利上げを行ったにもかかわらず、米ドルとの金利差が再び縮小方向に進んでいるためです。

インフレ懸念が高まるトルコ

 強いインフレ懸念が再燃し始めたトルコには要注意です(図2)。10月3日、トルコの消費者物価指数と生産者物価指数発表が下記の通り発表されています。

  • 消費者物価指数(9月):年率24.52%(15年ぶりの高水準。8月は年率17.90%)
    今年末のインフレ目標20.8%(9月20日、政府より中期経済計画として発表)、及び政策金利24.00%(9月13日決定。前回からの引上げ幅は6.25%)を上回る。
  • 生産者物価指数(9月):年率46.15%(8月は32.13%)
    自国通貨安の進行と原油価格の上昇が主因と思われる。

 特に留意すべきは生産者物価指数の急騰です(上記太字)。図2にある通り、生産者物価指数は消費者物価指数の先行指標でもあります(製品が生産されてから、国内消費者が購入するまでタイムラグがあるため)。だとすると、アルバヤク財務相の言う「インフレに関する最悪期は過ぎた」(10月3日、消費者物価指数・生産者物価指数発表直後の発言)は額面通りには受け取ることが難しい状況です。

 また、米ドル金利の上昇と堅調に推移する米ドル為替相場は、トルコリラ主導での米ドル高/新興国通貨安圧力につながる可能性もありそうです。

米ドル対トルコリラ相場のチャート(罫線)もトルコリラ安を示唆

 図3を見ると、8月のトルコリラ急落後の保合いはほぼ終了し、再び米ドル高/トルコリラ安へ転換しようとしているようにも見受けられます(縦軸は反転させています)。この傾向が強まると、南アフリカランド(図1)など他の新興国通貨も連れ安となる可能性もあります。

 これらの材料と併せ、eワラントの対象原資産でもある南アフリカランドの投資戦略をじっくりと練られてはいかがでしょうか?
 
 南アフリカランドを原資産とするeワラント一覧は下記のリンクからご確認いただけます。
https://www.ewarrant.co.jp/search/? undQuickCode=SAJY1

(eワラント証券 投資情報室 チーフ・ストラテジスト 塚本 誠)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。