米国株式市場:下値メドはどこか?過去の相場に学ぶ

 4営業日連続で下落した米国株式市場(図1)は12月26日、大きく反発しました(ダウ平均1,086.25ポイントの上昇は過去最大の上昇幅)。しかし、これでもう安心と思う投資家はごく少数でしょう。というのも、1月には四半期決算を控えていますが、米中摩擦の深刻化や減税効果の剥落から1年前のような好決算は期待しにくい状況にあるためです。

 本稿では米国株式市場が更に下落する可能性がある中、ダウ平均を通じて、過去の相場動向から下値メドを計りたいと思います。(リーマンショック(下落幅が上昇幅を上回る)は除外しています)

 図1は「適温相場」とも言われたリーマンショック以降の相場です。足かけ10年にわたる上昇相場において、期間中の安値から高値までの上昇幅に対する割合から4本の破線で下値メドを示しています。23.6%、38.2%、61.8%といった割合はイタリアの数学者フィボナッチが発見した黄金分割比で、下げ相場ではよく引き合いに出されます。

 26日のダウ平均は23.6%のライン(21,881米ドル)に程近い21,712.53米ドルをつけた後に反発に転じましたが、これを下値メドとみるならダウ平均は再び上昇トレンドを描くかもしれません。一方、このラインを再び下抜けることがあれば、次のメドは38.2%ライン(19,049米ドル)と見ることもでき、大幅な下落となるかもしれません。

 もう少し短い期間で見てみましょう。図2は冒頭の図1のうち、直近約3年の上昇相場に焦点を当てたものです(2015年1月2日~2018年12月26日)。この間、緩和的な金融政策や拡張的な財政政策の追い風を受けた企業業績の成長に伴い、ダウ平均は2016年初のチャイナショック後につけた安値から11,000米ドルを越える上昇を見せました。直近の相場でダウ平均は4営業日連続で下落し、高値から38.2%の水準を下回りましたが、12月26日には1,000ポイントを越える反発を見せています。

 今後は、この1年でダブルトップ(二つの大きな山)を形成してしまっていることから、以前のような上昇の勢い(モメンタム)を取り戻すことは困難なようにも見受けられます。だとすると、次の目標水準は高値から50.0%水準にある21,244あたりかもしれません。

過去の相場に学ぶ   ドットコム・バブル編

 40代以上の投資家であれば、その多くが目の当たりにしたドットコムバブルですが、上昇期間は12年を超えています。ピークからの下落期間も3年弱と長めで、約4割下落の後、リーマンショックに繋がる上昇相場が始まっています。
 下落幅が約4割と、フィボナッチの言う38.2%に近い水準で底を打っている点も興味深いところです。

過去の相場に学ぶ   ブラックマンデー編

 ニクソンショック・オイルショックといった70年の経済危機を経て、80年代はインフレ(金利上昇)とともに株価も上昇しました。貿易不均衡が主要な経済テーマでもありました。株式市場の暴落に先立ち、米国では多くの中小金融機関(Saving & Loan)が閉鎖に追い込まれるなどといったバブル崩壊の兆しがありました。
 ブラックマンデーでは約50%の下落となりましたが、その収束が早かったことも特徴です。

-まとめ-
 今回はチャートを利用して下値メドを示しましたが、「山高ければ、谷深し」通り、40~50%程度の下落幅は覚悟したほうが良いのかもしれません。

 今回のように下げ足が速く、これに伴って変動率が急騰する相場は、プット型eワラントを使って下落相場を投資機会に変えるのも一手です。投資効率はFX取引やCFD取引を大きく超えるケースが多い一方、損失額は投資金額に限られます。下記リンク内の取引戦略も急落相場への対策としてご検討ください。

米国株式市場:ダウ平均は短期金融市場が引き金で下落? (記事内「eワラントだからこそ実現できる投資戦略」)

(eワラント証券 投資情報室 チーフ・ストラテジスト 塚本 誠)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。