OPECプラス会合:減産暫定合意以外にも、価格上昇要因が

12月7日、OPECプラス会合で原油の減産について暫定合意がなされました。減産幅は10月の産出水準から合計 1.2百万バレル/日(OPEC 0.8百万バレル/日、非OPEC 0.4百万バレル)で、2019年1月から6ヵ月間(4月のOPEC総会での見直しあり)となっています。OPEC側はサウジ・アラビアが、非OPEC側ではロシアが、その減産分の過半を負担する予定です。

本稿では、原油産出コストの観点から原油市場の今後についてお伝えしたいと思います。

やや腰砕け間のある今回の暫定合意

今回の暫定合意には下記のような課題があるように思われます。

  • ロシアについては段階的に減産を進めるとしている
  • 減産除外国(イラン・リビア・ベネズエラ)の存在
  • 明確ではないサウジ・アラビアの減産姿勢(供給不足が生じるのであれば、増産の用意もあると発言)

それでも、これまで約2ヵ月間の価格下落を止める明確な意思を示したことには意義があるでしょう。

シェール・オイルの損益分岐点は55ドル/バレル前後?

需給面以外で原油価格はこれ以上下がりにくい側面があるのかもしれません。

IEA(国際エネルギー機関、OECD(経済協力開発機構)傘下の国際機関)によると、2018年第1四半期時点における米国油井の損益分岐点は40米ドル/バレルをわずかに割り込んだ水準としています(図1 破線。独立系の約50社平均)。

気になるのはこのところの米国原油産出量増加の牽引役であるシェール・オイルです。例えばテキサス州パーミアン盆地産のシェール・オイルは、パイプラインが未整備であることから、代替手段のトラック輸送費がかさむことなどを理由に、湾岸地区で取引される原油よりも15米ドル/バレル以上安く取引されるとの事です(2018年7月26日 EIAレポートより)。

そうすると、米国産シェール・オイルにとっての損益分岐点(WTI原油市場価格ベース)は55米ドル/バレル弱(40+15=55)であるという仮説も成り立つでしょう。本稿執筆時点(12月10日08:30)のWTI原油先物第一限月が52.61米ドル/バレルですので、米国産シェール・オイルにとって現行水準は採算水準を下回っている可能性があります。

今回のOPECプラス合意に対し、米国の原油増産傾向が脅威の一つでもありましたが、結果として米国も協調減産の輪に加わらなければならない状況にあるのかもしれません。

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(eワラント証券 投資情報室)

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