今週のeワラント特選銘柄

フィスコ社提供の今週のeワラント特選銘柄です。
提供:フィスコ社

<今週の東京株式市場見通し>

今週(3/1~3/5)の東京株式市場は一進一退の展開が予想される。日経平均株価の予想レンジは28,000円~30,000円。引き続き、米長期金利(10年物国債)の動向を睨みながらの神経質な展開となりそうだ。

前週末の2月26日は、米長期金利が一時1.6%台にまで急騰するなど、金利上昇ペースの速さへの警戒感から米株市場が急落したことを受け、東京市場でもリスク回避のムードが高まり、日経平均株価は1202.26円安の28966.01円と急反落した。長期金利急騰の背景は、各国の財政金融に基づくマクロ経済政策、それに支えられる中での企業業績の想定以上の改善、ワクチン接種ペースの加速、そして、足元で進む米バイデン政権が掲げる1.9兆ドルの大規模経済対策による景気刺激効果、などを織り込んでのことだ。この先、急激な景気回復からインフレが急速に進むのではないかという懸念が金利を急上昇させている。

しかし、2月23、24日には、半期に一度の上下院での議会証言において、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、「足元で進むインフレは短期的なものにすぎない」、「インフレ目標の達成には3年超の期間を要する可能性がある」などと指摘しており、労働市場が最大限の雇用達成から程遠い状況にある限りは緩和的な政策を継続すると再強調した。資産購入についても、「政策目標に対して十分な進展がみられるまで現行のペースでの購入を続ける」としている。

このため、インフレ急伸を受けてFRBが早期に資産購入規模の縮小(テーパリング)や利上げに動かざるを得ないのではないかという市場の懸念はやや先走りすぎているといえよう。また、昨年前半はコロナショックで経済が大打撃を受けているため、今後発表される物価関連の指標が前年比で高く算出されることは市場では想定内のはずだ。加えて、FRBは、昨年から「平均株価目標」を取り入れており、一時的に物価目標を超えるインフレ率が実現されても、早期に緩和縮小には動かないとことを明確に表明している。それが、先日の議会証言で改めて確認された格好だ。

FRBは、いまのところ、足元の金利上昇については「経済再開や経済成長への市場の期待の表れだ」とし、特段の警戒感を示していないが、仮にこの先も今のようなハイペースで金利が上がるようなことがあれば、景気回復を図るFRBが黙ってはいないだろう。そのため、長期金利の上昇・高止まりは続くだろうが、最悪のシナリオで見積もったとしても2%よりは手前の水準(1.9%台)で一服すると考えられる。

ただ、株式市場については、これまでの動きの巻き戻し(アンワインド)などのリスクシナリオも想定して、短期的には高い変動率(ボランティリティー)に警戒しておいた方がいいだろう。米長期金利はすでにコロナショック前の1年ぶりの水準まで上昇している。また、これまでは期待インフレ率も上昇していたために実質金利の上昇は緩やかなものに留まっていたが、足元では期待インフレ率は高止まっており、名目金利の上昇ピッチにはついていけていない。実質金利は依然マイナスであるが、急速にマイナス幅が縮まってきている。その実質金利のマイナス幅の縮小傾向に対して、これまでの株式市場はあまり大きく調整してきていなかったことを考えれば、調整が前週末の1日だけで終わると考えるのはやや時期尚早といえよう。

この先、米長期金利は高くても2%未満、期待インフレ率は2%超の水準で高止まりすることを考えれば、実質金利は依然マイナスであることが想定され、株式の相対的な魅力はまだ高い。しかし、2月半ばにバンク・オブ・アメリカ(BofA)が公表したグローバルファンドマネジャー調査では、現金比率が過去8年間で最低となる一方、株式・商品の配分は10年間で最高となっていた。前週末は金利上昇で債券や新興国通貨などが大きく売られる現象もみられた。足元の金利上昇を受けて、アンワインドの動きがこの先も広がるようであれば、短期的には売りが売りを呼ぶ悪い連鎖となるリスクもある。

しかし、昨年のコロナパンデミックの際には、ジャンク債(格付けが低いためデフォルト(債務不履行)リスクが高い債券)の購入にまで踏み切ったFRBだ。仮にそのような事態になった場合、あまりにマーケットの動きが激しければ、実体経済への波及や金融システムリスクを警戒してFRBが策を講じる可能性もあろう。

まとめると、足元の金利高は確かに警戒要因だが、各種資産の中で株式の魅力が相対的に高いことには変わりがない。また、リスクシナリオが実現した場合のマーケットの落ち込み幅は大きくなるだろうが、長い目でみれば恐らくそれは短期的なものに終わるであろうことなどが予想される。そのため、リスクを積極的に取れる人は大きく下がったところでは押し目買いをするのが得策であるし(ただし、ある程度日を跨いだ分散は必要だろう)、保守的な人は、米長期金利を含め相場全体が落ち着いたのを確認してから投資するのが望ましいだろう。

物色動向としては、インフレリスクや金利高止まりへの警戒感からグロース(成長)株は総じて軟調の継続が想定され、鉄鋼や非鉄金属など景気敏感の資源セクターが相対的には買われやすいだろう。今週は、中国での2月製造業PMI(購買担当者景況指数)のほか、米国で2月のISM製造業・非製造業景気指数、2月ADP全米雇用リポート、2月雇用統計など重要な経済指標が多く発表される。これらで、予想以上に強い数値が出た場合には、上記のインフレリスクなどを強く織り込む動きとなりやすく、物色動向としても、グロース売りの景気敏感・バリュー(割安)買いの様相が強まろう。

<今週の注目銘柄>

エヌビディア(NVDA) プット 78回
権利行使価格550米ドル(原資産:532.30米ドル) デルタ:-0.52

GPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット/画像処理半導体)の設計を手掛ける世界有数の半導体製造会社。20年11-21年1月期決算は、売上高および一株当たり利益(EPS)ともに大幅な伸びを見せて市場予想をも上回った。セグメント別でもゲーム事業およびデータセンター事業ともに好調だった。ただ、翌第1四半期(2-4月)の見通しについて成長の大半がゲーム事業によるもので、データセンターは成長が鈍化するだろうと示したことが嫌気され、その後の株価推移はさえない。また、足元では米長期金利が上昇・高止まりしており、ハイテク株は目先軟調な値動きを強いられそうだ。

商船三井(9104) コール 94回
権利行使価格3,200円(原資産:3,365円)デルタ:0.59

新型コロナワクチンが普及し、先進各国で接種ぺースも加速するなか、市場は一段と世界景気の回復を織り込んでいく動きとなっている。昨年後半から物流状況もひっ迫しており、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数も堅調な動きを続けている。米長期金利が上昇し、ハイテク株やグロース株が大きく売られるなか、景気敏感株は底堅い動きを見せており、海運市況のひっ迫などの実需を背景とした海運株もご多分に漏れない。株価純資産倍率(PBR)が1倍割れと日本郵船と比べても相対的な割安感・出遅れ感がある同社に注目したい。

JR東日本(9020) コール 125回
権利行使価格7,500円(原資産:7,857円)デルタ:0.62

国内でも新型コロナウイルスのワクチン接種が始まっている。コロナワクチンについては、2月24日には米食品医薬品局(FDA)が医薬・日用品大手のジョンソン・エンド・ジョンソンが開発したものについて「1回の接種でも高い効果がある」として緊急使用を支持したほか、米バイオ製薬モデルナも生産能力を大幅に増強する方針を24日に示した。こうした相次ぐワクチン関連のニュースフローを受けて市場も完全にアフターコロナを見据えた物色となっている。新幹線収入の多い同社についても、コロナ禍からの回復度合いが大きいことで注目されている。今年に入ってからは悪材料を織り込み切ったような上値追いの動きだ。出遅れに着目した物色が続きそうな中まだまだ目が離せない。


(提供:フィスコ社)

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