2017年10月2日の特選銘柄

DZHフィナンシャルリサーチ社提供の今週のeワラント特選銘柄です。
提供:DZHフィナンシャルリサーチ 

<今週の東京株式市場見通し>

 今週(10/2~10/6)の日経平均株価の予想レンジは20,200円-20,800円。円安進行が企業業績の上振れ期待を高めている。新四半期入りにともなう長期資金の流入が予想されるほか、原油相場の上昇を背景にオイルマネーによる日本株への資金回帰の期待値も高まりやすい。衆議院の解散によって政策論争が高まる可能性も高く、日経平均株価は2015年に付けた高値をうかがう展開が予想される。一方、週末には米9月雇用統計の発表や、10/7からの三連休を控え、売買代金の増加は見込めそうにない。米国市場でIT・ハイテク株が再び軟化するような場面では、利益確定売りが上値を抑えそう。イベント的には10/10の「朝鮮労働党創建記念日」を前に、地政学リスクの再燃にも注意しておきたい。

 物色では、直近買われた内需金融セクターの連想から内需系の出遅れ株が物色されそうなほか、商品市況でニッケルや銅などに反発がみられれば、非鉄金属や鉄鋼セクターへの買い戻しが予想される。また、ノーベル賞受賞による関連銘柄や、家電の国際見本市「CEATECジャパン2017」(~10/6)開催にともないロボット、人工知能(AI)、IoTなどのテクノロジー関連株が注目される場面もありそうだ。

 主要な国内経済指標は、9月調査日銀短観、8月景気動向指数(10/6)が注目される。一方、米国の経済指標の発表は、米9月ISM製造業景況指数(10/2)、米9月ADP雇用統計、米9月ISM非製造業景況指数(10/4)、米9月雇用統計(10/6)などがある。当面は「ハリケーン」の影響が反映される9月の米経済指標に関心が集まる。

 週初の寄り前に、9月調査の日銀短観が発表される。市場予想は、大企業製造業DIでプラス18と6月短観(プラス17)から1ポイントの改善。大企業非製造業DIはプラス24と6月短観(プラス23)から1ポイントの改善が見込まれている。製造業の先行きDIはプラス16(6月はプラス15)、非製造業の先行きDIはプラス21(6月はプラス18)への改善が予想されている。先行きDIと日経平均株価のトレンドはおおむね連動することも多く、市場予想に対する結果の振れが、10月前半の相場の方向を決めるカギになるかもしれない。

(提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 東野幸利)

<今週の注目銘柄>

トヨタ自動車(7203) プット 216回
権利行使価格6,500円(原資産:6,710円) デルタ:-0.4

 為替の円安進行を背景に、輸出関連銘柄の代表格であるトヨタ株も力強い上昇を見せているが、6,800円レベルが今回の戻り高値であるとみている。8月4日発表の今18.3期第1四半期決算はマズマズの内容と評価できるものの、市場の期待値を高めるまでには至らず、想定内との見方が広がっている。証券会社のレポートなどでは、会社の今期計画はなお保守的との見方が多く、上振れの公算大との見方に対しては異論はないが、やはり市場の期待値が高い銘柄であるがゆえに、相当強い数字を会社が出してこなければ、失望のリスクの方が大きいとみている。

 頼みの綱である為替も、ここからの円安は限定的ではないだろうか。米ドル円でみれば、円サイドでは北朝鮮リスクがくすぶり、米国の政治情勢にも不透明感がある現状、リスク選好の円売りの可能性は低い。ここにきて、日本の政治リスクが高まってきているが、国政の不安定化で「日本売り」の円売りにより円安となる可能性はあるものの、それならば、トヨタ株も海外投資家から売られるであろう。一方、米ドルサイドでは、12月の米利上げ期待が高まるか否かがカギであるが、これまでのイエレンFRB議長の言動を参考にすれば、市場に利上げ期待が高まってくればブレーキをかけるアクションをとっている。すなわち、米ドル売りの要因である。米ドル円の上昇一服となれば株価は弱含み、チャート的には9月中旬にある6,400円台~6,600円のマド埋めが見込まれる。権利行使価格として6,500円を選び、6,200円程度までの株価下落を予想。なお、販売奨励金に関する会社発表、報道には注意が必要である。新型カムリを契機に販売奨励金を抑制できるかが短期業績をみる上での注目点と指摘する証券会社のレポートが複数見られているため。

ブレインパッド(3655) コール 1回
権利行使価格1,300円(原資産:1,206円) デルタ:0.5

 AI(人工知能)関連の中心の銘柄として市場の期待は高いものの、足もとの業績がさえないとの見方から、株価は上値の重さが意識される。8月に発表された前17.6期業績は前の期比21.7%増収を達成したが、営業利益では同30.5%減、経常利益では同37.6%減となり、下げトレンドの株価は、その下げ足を速める格好となった。業容拡大に伴うオフィスの増床、人員増強が背景にあり、会社側の決算説明会資料では今18.6期も同様に、人材投資を中心とした投資フェーズが続く計画とされている。その人員採用は順調に進んでいるとされているが、戦力化の遅れがあると会社側では説明しており、それが前期業績の下振れにもつながっていると推測される。

 今18.6期は前期比16.2%の増収、利益は営業、経常の段階で同2倍超が計画されており、現状はその信頼性を確かめる状況である。11月10日発表予定の第1四半期決算を待つ必要があるが、当面の悪材料はおおむね織り込まれたと判断。市場環境は変わらず追い風であり、業績回復の確度が高まるにつれ、株価上昇が期待できよう。株価は9月上旬に節目の1,000円を割り込む場面がみられたが、この際の株価深押しで当面の売り物は出尽くしたとみられる。日足チャートをみると一目均衡表の雲の中で推移しているが、横ばい~じり高によって最終的に雲を上抜けて「強気相場入り」を予想。雲上抜け後の1,300円を権利行使価格に選び、1月27日に付けた2017年の高値1,767円をトライする展開を想定している。なお、米国や北朝鮮リスクの高まりで手掛けづらい相場が続くことも見込まれ、その際に材料株物色のマーケットになる可能性もある。その中で「AI関連」に物色の矛先が向かう公算もあり、そうなれば、ブレインパッドには真っ先に短期筋や投機筋の資金が流入し、株価が急騰するとみている。

TOPIX プット 235回
権利行使価格1,600円(原資産:1,674.75円) デルタ:-0.4

 「日本では国政選挙期間中の株価は上昇しやすい」というアノマリーを“安心材料”に、安倍総理の衆議院解散の意向が報じられた9月中旬以降、日経平均株価、TOPIXともに上昇が続いている。このレポートの9月18日公開分で、日経平均株価のプットを推奨し、株式市場に対するベア(弱気)の見通しを示したが、この見方を維持したうえで、TOPIXのプットに着目する。

 足もとのTOPIXは2016年6月に1,200円割れとなってから上昇基調を続けているが、次の節目である1,700円を超えられないと予想。前回、2012年秋にアベノミクスがスタートしてからの“第1次”上昇の際には、2012年11月の700円から2015年8月には1,702円までの大相場を演じて見せた。そこでいったんアタマを打ち、反転上昇してきた“第2次”上昇であるが、高値更新は困難と見る。しだいに上値の重さが意識され始め、じり安となった後に、10月中旬にかけて薄くなっている日足チャートの一目均衡表の雲を下抜けると想定。日足の雲は1,600円台前半に横たわっており、下抜け確認後の1,600円を権利行使価格に選ぶ。冒頭のアノマリーについては否定はしないが、このところの総選挙とは背景が異なり、与党が安泰というものではない。何よりも「平時」ではなく、北朝鮮リスクが極度に高まっている状況下での選挙であり、安心してリスク資産に資金をシフトできる環境ではない。日柄的になど、もともと上昇一服が見込まれていた中で「選挙」というノイズが入り、高値圏での推移が長続きしているに過ぎないと判断。選挙での与党の苦戦、北朝鮮の不穏なニュースが流れるにつれ、TOPIXは弱含むとみている。

(提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 小林由二)

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