2017年8月21日の特選銘柄

DZHフィナンシャルリサーチ社提供の今週のeワラント特選銘柄です。
提供:DZHフィナンシャルリサーチ 

<今週の東京株式市場見通し>

 今週(8/21~8/25)の日経平均株価の予想レンジは19,250円-19,800円。東京市場は前半軟調、後半堅調の展開を予想する。イエレンFRB議長とドラギECB総裁の参加が予定されている24日~26日のジャクソンホール会合が大きな注目を集める。イベント前には様子見姿勢が強まる展開が想定されるが、21日から米韓の軍事演習が予定されていることから、前半は買いが入りづらい中で地政学リスクを警戒する流れとなりやすい。助言組織の解散決定などから、トランプ大統領の政権運営能力を不安視する見方が改めて強まっていることなども、前半の上値を抑える材料になると考える。一方後半にかけては、ジャクソンホール会合でのイエレン・ドラギ両氏の発言への期待感が高まり、リスク警戒ムードが払しょくされる展開を予想する。昨年の同会合では、イエレン氏の発言を受けて米国株が大幅高となる場面があった。週前半がリスクに過敏になりやすい反面、後半は米欧の着実な経済回復を再評価し、買いが入りやすい地合いになると考える。

 日経平均は2万円を挟んで上下1,000円幅程度のもみ合い相場が続いていたが、8月に入り下放れの動きとなっている。ただし、19,500円を下回る場面では買いも入っており、今週はこの近辺に位置する26週移動平均線(19,578円、8/18)を早々に上回ることができるかが焦点と考える。一方で、先週はマザーズ指数が値幅調整を終えて戻りの勢いを強めてきた。ジャクソンホール会合通過後も、9月のFOMCまでは大型株は動きが鈍い展開も想定される。日経ジャスダック平均などは右肩上がりの上昇トレンドを崩すことなく、先週も週間では上昇を記録しており、当面は大型株劣位、中小型株優位の地合いが続くと予想する。

 先週はリスクを意識させる材料が多かった割には、ドル円は比較的落ち着いた推移となった。4月、6月、そして今回と108円台をつけたところでは反転の動きが見られており、この点は日本株の下支え材料となっている。今週米国では、シカゴ連銀全米活動指数やリッチモンド連銀製造業指数、住宅関連指標に加え、週末25日には耐久財受注など、注目度の高い指標の発表がいくつか予定されている。地政学リスクやジャクソンホール会合など為替を動かしそうな材料は多いが、米国指標がドル高・円安材料になるかという点にも注目しておきたい。

(提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 小松弘和)

<今週の注目銘柄>

ダイキン工業(6367) コール 84回
権利行使価格11,500円(原資産:11,100円) デルタ:0.5

 東日本の低温、冷夏でエアコンの需要減少を懸念した売りがかさんでおり、8月に入ってからの株価は下押しが優勢となっている。しかし、家庭向け、法人向けを問わず、実際にエアコンが売れるのは「夏真っ盛り」となる前の6~7月がピークであり、その頃は、暑い夏になる可能性がメディアで盛んに伝えられていた。確かに8月のエアコン販売に多少の影響はあるだろうが、過度に悲観的になる必要はないと考える。何よりも、これは日本国内の一部地域の話であって、世界的にみれば、高品質である同社製エアコンへの高い需要は変わらない。ダイキンは「世界的な」エアコンメーカーであって、国内の東日本のみで事業展開をしているわけではない。株価は下げ止まり、反転上昇すると予想。日足チャートを見ると、雲の下限でピッタリ下げ止まっており、雲の下限の切り上がりに沿って値を戻し、高値更新から新値追いの展開を見込む。

8月8日に発表された4~6 月期決算は中国や米国における拡販により、円高や原材料価格上昇の影響を吸収し、堅調な業績となった。海外市場での販売好調、着実な業績拡大は評価できよう。円高影響として4~6月期は20億円、原材料価格上昇も減益要因となったが、販売増の効果123億円で吸収した。新規だけでなく、更新需要もしっかり取り込めているもよう。決算後の株価は、通期計画の据え置きが嫌気され、前述の冷夏、低温要因も相まって軟調に推移しているが、通期計画上振れの可能性は十分。原材料価格上昇の影響も期初想定の範囲内であり、成長継続は可能。成長力が再評価されるにつれて、株価は再び強含むとみる。

ブイ・テクノロジー(7717) プット 12回
権利行使価格18,000円(原資産:17,870円) デルタ:-0.5

 4月から6月上旬にかけて15,000円→23,000円へと力強い株価上昇を見せたが、上昇一服から一転、足もとでは下落トレンドに移行したようである。5月31日高値22,980円、6月23日高値21,850円、8月10日高値19,920円を結ぶと、右下がりのレジスタンスラインが引ける。これと平行に、6月19日安値19,550円を基点にして、7月5日安値18210円、8月14日安値15,850円を結んだラインを引くことも可能。すなわち、この2つのラインの間で上下動を繰り返しながら、株価は下落をたどる展開が想定されよう。前週では8月16日に、日本経済新聞が「有機ELパネルが本格的な普及期に入る」と報じたことをきっかけにして、有機EL関連銘柄の一角として物色された。だが、しょせんは材料難の相場における、短期的な材料に過ぎない。幕間つなぎ的に買われているだけである。戻りは限定的とみて、権利行使価格に18,000円を選んで、株価下落を予想する。

今18.3期第1四半期は減収減益となり、営業利益では前年同期に比べて49%の大きな下振れとなった。一部報道によると、会社側では今期は下期偏重型を見込んでいるとされ、第1四半期の出足は会社想定通りと伝えられている。確かに、受注残が900億円ほど積み上がっており、第2四半期以降の巻き返しに期待する投資家も少なくないもよう。北朝鮮情勢の悪化などで為替変動リスクが浮上する中、同社は円建て取引が基本であり、為替影響が小さいことを好感する向きもある。だが、第2四半期以降に、本当に巻き返せるか、業績面で数字に出すことができるかと言えば、半信半疑なのも正直なところ。業績回復や反転上昇の確度が高まるまでは、株価の上値は重いとみるのが無難であろう。目先では、株価は4月の水準である15,000円レベルまで弱含むと考える。

ユーロ ユーロ安(プット)型 442回
権利行使価格128円(原資産:128.20円) デルタ:-0.4

 4月17日に付けた安値114.84円から上昇基調が続いているが、前週の130~131円が当面の高値になると予想する。UBS証券の8月14日付けレポート「ユーロのオーバーウェイトを終了する」によれば、ユーロは米ドルに対して年初来12%程度上昇している。昨年末の状況を振り返ると、米ドルサイドでは、大統領選で勝利を収めたトランプ米大統領による財政支出計画への期待が高まっていた一方、ユーロサイドでは、反EU政党がフランスとオランダの選挙で勢力を伸ばす可能性から、欧州の見通しは不透明感が強かった。すなわち、米ドルが選好され、ユーロが敬遠されていた。それが今では逆転し、米ドルが政治の不透明感から敬遠され、ユーロが選好されている。欧州経済のファンダメンタルズ改善により、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、9月のECB理事会で金融緩和のテーパリング(段階的緩和縮小)を表明するとの見方が市場関係者の間で広がりつつある。今週、8月24~26日のジャクソンホール会議で資産購入プログラムの終了宣言を行う可能性もある。

 しかし、ここまで堅調地合いを保ってきたユーロも、好材料はほぼ織り込まれたのではないだろうか。ここにきて、ユーロ圏のインフレは鈍化傾向にあり、9月24日のドイツ総選挙という政治的な不透明要因も気になる。それに対して、米ドルサイドでは、年内利上げを予想する投資家が多いことに加えて、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策正常化の方針を示す可能性が浮上している。円相場が安定している状況下、対米ドルでのユーロの伸び悩みは、対円での上昇一服ともなる。ユーロ円は、リスク選好の円売りなどで8月2日高値131.39円の上抜けを再びトライする可能性もあるが、高値更新には至らないと想定。
 上抜け失敗から、急速に伸び悩む展開を見込む。結果的に、8月11日に付けた安値128.04円を下抜け、チャート的には「ダブル・トップ」形成と予想。その場合の下値メドは6月15日安値の122円台となる。権利行使価格には、8月11日安値ブレイク後の128円を選ぶ。

(提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 小林由二)

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