2017年8月28日の特選銘柄

DZHフィナンシャルリサーチ社提供の今週のeワラント特選銘柄です。
提供:DZHフィナンシャルリサーチ 

<今週の東京株式市場見通し>

 今週(8/28~9/1)の日経平均株価の予想レンジは19,350円-19,850円。東京株式市場はジャクソンホール会合あとの週となることや、週末からは9月相場入りとなる。

 ドル円相場は時折1ドル=109円割れを挟み不安定ではあるが、円高への耐性がついてきたようだ。ただ、地政学リスクに対する緊張感に加え、米8月CB消費者信頼感指数(8/29)、米8月ADP雇用統計、米4-6月期GDP改定値(8/30)など相場に影響が大きい米経済指標が多い。9/1発表の米8月ISM製造業景況指数や米8月雇用統計の結果に対する反応は来週となるが、9月のFOMC(連邦公開市場委員会)を前に神経質な展開が続きそうだ。中国では、政府と財新が発表する8月製造業PMIなどが材料となる。特に政府発表の製造業PMI(8/31)は8月分が低下すると2カ月連続の低下となり、地合い次第では売り圧力を強める要因になる。

 一方、米主要指数が底堅い。8/22のダウ平均は196.14ドル高と4/25以来の大幅上昇となった。現在の為替水準でも米国株の反発力が強ければ、高値圏で推移を続けるジャスダック市場を中心に小型株はポジティブに反応しやすい。大型株へは高配当を中心に選別物色が予想され、日経平均株価の底固めが進むことが予想される。

 日経平均株価のテクニカル面では6月中旬以降で形成したコイル型の三角もち合いを下放れ、下値模索が続いている。200日移動平均線(19,297円 8/25現在)手前でいったん下げ渋っているが、目先の下げ基調が変わるほどの反発力を示現していない。ただ、200日移動平均線の上昇は続いており、多少の振れがあってもその前後が下値メドとして意識されやすい。直近20年(1997~2016年)における日経平均株価の9月の騰落状況は7勝13敗と負け越し。2000年からは5連敗するなど鬼門の月といえる。ただ、9月の過去20年間の平均値幅は6月、2月に続いて小さい傾向がある。

(提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 東野幸利)

<今週の注目銘柄>

TDK(6762) コール 125回
権利行使価格7,000円(原資産:7,380円) デルタ:0.6

 2015年6月に10,450円の高値を付けてから軟化していたTDK株は、リバウンドを見せた後に、足もとでは「もみ合い」の相場となっているようだ。2016年に2回、5,100円~5,200円まで弱含んだものの底堅さを見せており、節目の5,000円割れは回避されている。一方で、2015年12月に9,000円を超える水準までリバウンドしたものの、2016年12月~2017年1月には8,500円、この8月のリバウンド局面では8,250円のレベルで上値を阻まれている。すなわち、もみ合いのレンジ(値幅)が徐々に狭まっている格好である。日足チャートを見ると、現在は「もみ合い」の中で8月高値からの下降局面にあると見てとれるが、7,300~7,400円に位置する一目均衡表の雲の下限で下げ止まるか、否かが注目点。

 権利行使価格には7,000円を選ぶ。上記の日足チャートにおける一目均衡表の雲は、結果的に下抜けるとみる。マーケット全体の地合い悪化で、9月頃までは日本株全体が軟調に推移し、TDK株もさえない値動きを想定するため。一方で、今春の7,000円を大きく割り込むところまでは深押しはないと予想。4月安値、5月安値を結んだ7,000円のあたりでは徐々に押し目買いが入ると想定している。なお、発表された4~6月期の営業利益156億円は、M&A(合併・買収)関連の一時費用35億円を考慮すれば実質191億円となる好決算で、引き続き事業環境は良好。一般産機向け需要拡大が電源と受動部品の業績を押し上げたこと、ポリマー電池が中国スマートフォン向けや非スマホ向け(ゲーム、ドローンなど)に拡販が進んだことが好調の要因。株価はもう少し調整しそうであるが、7~9月の業績好調の確度が高まり、会社の通期計画達成がみえるにつれて、株価は再び上値を目指すと予想する。

コロプラ(3668) コール 16回
権利行使価格1,300円(原資産:1,404円) デルタ:0.6

 「東京ゲームショウ」の開催まで1カ月を切り、例年のようにゲーム株への物色が目立つ頃合いである。2017年は9月21日~24日の開催が予定されている。徐々に新聞報道などが増え、開催が終わると短期筋の資金が引き挙げられ、ゲーム株が失速するという流れをたどる公算が大きい。夏休み相場で手がかり材料難、市場参加者の減少が背景にあり、幕間つなぎ的に個人投資家や投機筋の物色でゲーム株が「ゲーム」「おもちゃ」のごとく、出来高を伴いながら上下に振れるというものである。短期投資と割り切ることで、値幅を取れるチャンスでもある。コロプラ株は2016年秋に急落したのち、1,000円レベルで底堅さをみせて、じり高をたどっている。ここにきて、前述の背景もあって物色の矛先が向かって上昇に弾みがついているが、ここから高値を買っていくにはリスクを伴う。安値を拾って、リバウンドを狙う戦略が得策。短期の株価調整があるとみて、権利行使価格として1,300円を選ぶ。

 前四半期比での減収トレンドが続いており、材料(カタリスト)を待つ局面が続いている。今17.9期では通期計画達成には足もとの4Qの増収が必要であるが、既存主力タイトルの周年イベント効果で射程圏内との見方が多く、これが株価の堅調地合いを寄与している。今期末を控えて7~9月期の動向はもちろん、来18.9期の見通しにも注目。なお、4~6月期では既存タイトルが減収となった一方、コスト削減は外注費を中心に進展。主力の「白猫プロジェクト」は会社想定を下回ったとみられている。ただし、7月末より「白猫プロジェクト」周年イベントを実施しており、好調に推移しているもよう。新作「アリス・ギア・アイギス」「Project: PaniPani」を配信の予定であり、業績に寄与しそうである。株価は目先1カ月程度は堅調地合いを保つとみられるが、9月下旬には、トレンドが転換する可能性もあり要注意。前述のように(1)「東京ゲームショウ」通過での利益確定売りに加え、(2)これまでの株価推移から1,500円レベルでは高値での塩漬け株の売り、いわゆる「やれやれの売り」が出ることも想定され、これが株価のアタマを抑えることも考えられるためである。

新日鉄住金(5401) プット 152回
権利行使価格2,350円(原資産:2,584円) デルタ:-0.4

 鉄鋼セクターについては年初より、証券各社から「強気」の見方をするレポートが相次ぎ、株価は堅調に推移してきたが、ここにきて状況が変わってきた。前週は新日鉄住金以外でも、JFEホールディングス(5411)、神戸製鋼所(5406)など、同セクターの銘柄は軒並み急落。チャート的には一転、「弱気」相場に入ったと判断すべきであろう。新日鉄住金は今春からの下落局面にて2,300~2,350円で下げ止まり、リバウンドに転じているが、目先はここで再び底堅さを見せられるが注目される。権利行使価格として2,350円を選び、6月1日に付けた安値2,323.5円の更新に備えたい。

 背景は(1)米トランプ政権の先行き不透明感が高まっている、(2)トヨタ自動車が系列部品メーカーに支給する自動車用鋼材価格を引き下げる見通しと日経が報道、以上の2点。このうち(1)については、これまでトランプ政権が掲げていた1兆ドル規模のインフラ投資など経済政策で、議会との折り合いがつきにくくなっていることが懸念されている。米国のインフラ投資に伴って鉄鋼特需が見込めるとの見方から株価が上昇してきただけに、その期待のはく落が株価に反映されている。いずれも状況を見極める必要があり、投資家の様子見ムードが強まると見込まれる。買いポジションを持つ投資家は換金売りが想定され、一方で、買いは入りにくいだろう。ジリジリと値を下げ、2,300~2,350円の下方向へのブレイクでストップロス(損切り注文)を巻き込み、下げが加速する可能性(リスク)は低くはないとみる。

(提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 小林由二)

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