2017年9月25日の特選銘柄

DZHフィナンシャルリサーチ社提供の今週のeワラント特選銘柄です。
提供:DZHフィナンシャルリサーチ 

<今週の東京株式市場見通し>

 今週(9/25~9/29)の日経平均株価の予想レンジは20,100円-20,600円。先週は6月に付けた終値ベースの年初来高値(20,230円)を一気に更新した。日米金融イベント通過により、今週もリスク選好が強い地合いが続きそうだ。週前半は9月の権利・配当取り目的の買いが入ることで良好な需給環境が続く公算が大きい。後半は権利落ちなども含め反動で下げる展開も想定されるが、円安進行が企業業績の上方修正期待につながっている。これまでの短期筋の買い上がりに加え、10月からの新四半期入りを前に長期の資金流入も予想される。北朝鮮が国連安保理事会の制裁措置に仕返しを繰り返せば相場に狂いは生じるだろうが、衆議院解散発表によって政策期待が高まれば、海外投資家からの買いを呼び込む可能性も高い。

 また、年金資金などTOPIX(東証株価指数)をベンチマークとする大口投資家による配当再投資の買いが見込まれる。年金資金などを運用・管理する信託銀行などが、運用ポートフォリオに占める株式資産の配当落ちによる目減りを補うため、機械的に先物などに買いを入れる。今年の配当落ち分はTOPIX で13.5P程度と見込まれており、9/22現在のTOPIX(1,664.61P)の0.81%に相当する。TOPIXに連動する資産が世の中に 38兆円あるとした場合、3,070億円(38兆円×0.81%)程度が目減りする計算になるため、その分が先物に対する買い需要になる。

 主要な国内の経済指標は、9/29に8月消費者物価指数、8月失業率・有効求人倍率、8月鉱工業生産などの発表が集中する。一方、海外では、米9月ダラス連銀製造業活動指数(9/25)、米9月CB消費者信頼感指数、米9月リッチモンド連銀製造業指数(9/26)、米8月耐久財受注(9/27)、財新中国9月PMI製造業、米8月個人支出、米9月シカゴ購買部協会景気指数(9/29)などが続く。10月第1週にかけては米経済指標の発表が多く、先週のFOMC(連邦公開市場委員会)の内容に沿う強い内容が続けば株価は好感する可能性は高いが、予想を下回る結果が増える場合は株価反落のきっかけになることも考えられる。当面の外部環境で重要なのは、「ハリケーン」の影響が懸念される9月の米経済指標となる。

(提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 東野幸利)

<今週の注目銘柄>

リクルートホールディングス(6098) コール 5回
権利行使価格2,250円(原資産:2,437円) デルタ:0.6

 今春から続いていた1,850~2,100円のボックス相場を8月中旬に上へとブレイクし、「強気相場」入りしてから、株価上昇に拍車がかかっている。8月10日発表の今18.3期第1四半期決算が好調で投資家の間に買い安心感が広がったためであり、とりわけ本業の人材関連事業でしっかりと利益を出していることが確認されたことは、評価すべきであろう。また、9月5日に日経平均株価への採用が決まると、株価はマドを空けて急伸。9月14日の2,490円を高値に株価は下落しているが、急ピッチでの株価上昇に対するスピード調整とみる投資家が多いもようで、押し目買いは入りやすくなっており、下押しは限定的となっている。

 将来的には節目の2,500円を超えて、新高値を取りに行く展開をみているが、権利行使価格として2,250円を選び、もう一段の調整が入ってからの反転上昇を予想する。前述した、日経平均株価採用後の急伸で空けたマドを、いったん埋めるとみるため。カバレッジの入る国内証券の多くが同社の目標株価を2,300~2,400円レベルに据えており、現状の株価水準では「買われ過ぎ」「上がり過ぎ」とみて、格下げとなるリスクもある。ただし、足もとの株価下落はあくまでも「調整」であって、上昇トレンドの転換とはみていない。急ピッチな上昇に対する「スピード調整」が完了すれば、再び高値を更新していくとみる。とりわけ、海外人材募集(Indeed事業)は高い成長率を維持しており、今後さらなる業績拡大が期待できよう。

マルハニチロ(1333) プット 3回
権利行使価格2,900円(原資産:3,270円) デルタ:-0.3

 日本株全体の地合いが良化している中、前週の日経平均採用銘柄では上昇する銘柄が多く見受けられた。これまで、北朝鮮リスクや米国政権への懸念を背景に、ショートポジション(売り持ち)だった投資家がいっせいに買い戻し、新たに売り方に回った投資家も踏み上げにさらされ、日経平均株価の年初来高値更新に至ったとの解説が、メディアなどで聞かれる。為替の円安の恩恵を受けるとの見方で株価が上昇する輸出関連銘柄が散見され、その株価上昇に異論を挟む余地は乏しいものの、一方で、冷静に見れば事業環境などに厳しさがみられるものの、全体相場につれ高したものも少なくない。マルハニチロがその1つである。9月に入って、サンマやイワシなど、秋物と呼ばれる魚の漁獲量が極端に少なくなっていることが報じられている。イカ、マグロの不漁は、今年も続きそうである。このところの原油価格上昇も、業績にはアゲインストである。

 足もとの日本株の活況が落ち着き、投資家が冷静になれば、今度は利益確定売り→新たに押し目買いで参入した投資家の損切りと、売り物が買い物を上回る状況が続き、株価下落に拍車がかかるリスクさえあるとみる。週足チャートで一目均衡表をみると、7月以降、雲の上限の切り上がりに沿って、株価上昇が続いていると見て取れる。だが、ここからは雲の上限がなだらかではあるが下落に転じる。全体相場の地合い悪化で株価下押しがあれば、雲の中にもぐりこみ、雲の下限である3,000円まで下落する可能性が高まる。ここではいったん下げ止まるとみられるが、今18.3期業績の上振れの確度が低くなるにつれ、見切り売りがかさむことも考えられる。市場では、同社株に対する期待値は高い。従って、業績発表後に好感して上昇するよりも、失望で下落するリスクの方が勝っているとみる。弱気シナリオを採用し、7月11日安値2,903円よりも下、2,900円を権利行使価格に選ぶ。

三井物産(8031) コール 151回
権利行使価格1,850円(原資産:1,689.5円) デルタ: 0.4

 2012年秋に「アベノミクス相場」が始まり、日本株の多くが力強い株価上昇をみせたものの、商社株では出遅れの目立つ銘柄が多い。これについては、商社は原油、石炭など資源、コモディティへの投資が多く、その時々の市況に左右され、減損のリスクが高いために、個人投資家などからの買いが入りにくいためという解説を、見かけることが多い。確かに、過去の歴史を振り返ると、油田や炭鉱への多大な投資→市況悪化で損失発生→業績悪化という経緯をたどることは、少なくはなかった。最近でも、原油価格上昇を受けて、米国やカナダでオイルサンド、シェールガスへの投資が進んだものの、原油価格下落で減損→業績の大幅下方修正となったことは、記憶に新しい。三井物産は、三菱商事と並んで、資源投資に注力する国内商社の最右翼であり、この点が三井物産の株価の上値を抑える要因になっている見る向きは多いようだ。

(提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 小林由二)

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