DZHフィナンシャルリサーチ社提供の今週のeワラント特選銘柄です。
提供:DZHフィナンシャルリサーチ
<今週の東京株式市場見通し>
今週(11/26~11/30)の日経平均株価の予想レンジは21,500円-22,300円。東京株式市場は米主要指数の反発をにらみながらの展開が予想される。NY原油相場や米ハイテク株の下落が一服し、海外株全般に買い戻しムードが強まるかが注目される。米国株式市場は感謝祭前で買い手控えた資金が、今週から流入する可能性も高い。
日本株も電機セクター中心に一部の買い戻しがみられるが、全体の底上げ機運に波及するかが焦点となる。経済協力開発機構(OECD)は世界経済見通しで2019年の経済成長率を3.5%とし、9月時点から0.2ポイント引き下げた。輸出の停滞などで日本の成長率予測も下方修正するなど、世界的な景気減速が企業収益の拡大を抑制するとの警戒は根強い。そのようなムードを背景に、株価指数の低迷が続く可能性はあるが、下押す場面では10月安値付近と同様、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の買いで支えられる。低迷する指数を横目に、電力や陸運などの原油安メリット株や、業績の上振れ期待の強い銘柄などへは資金流入は観測され、個別物色重視の投資スタンスが続きそうだ。
12/12-13に開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)までは時間はあるが、不安定な米国株式市場や米長期金利の低下を背景に、利上げペースが鈍化するとの見方が強まれば、株式市場には追い風となる。感謝祭前日には米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが鈍化するとの思惑が、ダウ平均を押し上げる場面があった。今後もFRB高官のハト派的な発言や観測報道などに要注目となる。
日経平均株価は10/30に形成した中陽線の中値付近を意識して緩やかに切り返し、11/21は比較的強めの陽線を形成した。5日移動平均線(21,647円 11/22)が上昇に転じる可能性が高い週でもあり、 10/26安値(20,971円)付近から反転上昇につなげられるかが焦点である。
直近の10月高値(24,448円)~10月安値(20,971円)までの下落幅3,477円は、1月高値(24,129円)~3月安値(20,347円)までの下落幅3,782円を上回っていない。後者の下落幅以内でこのままとどまることができれば、来年に向け再び高値更新に向けた上昇波動が予想される。
(提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 東野幸利)
<今週の注目銘柄>
三井物産(8031) コール 153回
権利行使価格2,000円(原資産:1,765.5円) デルタ:0.3
日本株全体が地合い軟化で弱含んでいるが、原油をはじめとする資源価格の下落を受けて、とりわけ商社株が軟調である。同社株は10月4日高値2,120円から下落に転じ、いったんは1,850円レベルで底堅さをみせて1,900円台を回復する場面があったが、リバウンド一服となっている。足もとでは4月、8月、9月の下落局面でサポートされた1,775円の水準を下抜けており、株価の方向性は下方向のようにみえる。しかし、11月中旬の下げが商いを伴ったものであり、目先での売り急ぐ動きは一巡したととらえてみたい。11月中旬~下旬は北米勢が感謝祭(サンクスギビングデー)の休暇をとる時期であり、先行き不透明感が強い状況下、ポジションを手じまう売り物も出たと観測される。感謝祭の休暇から戻った海外投資家が買い戻してくることも想定される。一時1,748円まで下落した同社株はオーバーシュートとみられ、早晩、値を戻す公算大と見ている。
原油価格の下落はトランプ米大統領の「原油価格はもっと下がるべき」発言が背景にあり、サウジアラビアやイランの問題も相まって、複雑化しているのは確かである。ただし、季節的には北半球が冬に入り、需要期であって、下がりにくいであろう。原油価格に連動しがちな三井物産株も底堅さを見せると想定される。また、ここに来て浮上した材料として、日産自動車をめぐる混乱がある。言うまでもなく、ゴーン会長の逮捕による株価急落、先行き不透明感の台頭であるが、日産自株は高配当銘柄として知られる。これが、経営体制の変化によって、今後も高配当の施策が維持されるか否かわからなくなっており、前週は他の配当魅力株への資金移動が見られた。これはまだ内需株中心にとどまっているが、配当魅力株といえば商社株も同様であり、資源価格の落ち着きとともに資金流入が見込めるであろう。週足チャートでは一目均衡表の雲の下限で、月足チャートでは基準線で何とかサポートされそうな様相であり、2,000円の節目回復から、反発基調を強めると期待したい。
KDDI(9433) プット 150回
権利行使価格2,700円(原資産:2,605.5円) デルタ:-0.6
強い向かい風にさらされている通信セクターの中で、とりわけ逆風の強い同社に注目する。菅官房長官の「日本の携帯電話料金は高すぎる」発言をきっかけとした業界のアゲインストの風は止むことなく、NTTドコモの料金値下げ発表も相まって、同社業績に対する市場の警戒感は強い。強い基盤を持つNTTグループ傘下のドコモや、カリスマリーダーを有するソフトバンクには一歩劣るとの見方が、市場関係者に少なからずあるためである。とりわけ、同社のユーザーは携帯キャリアの中でも若年層が多いと見られ、新規参入の楽天も交えた価格競争になる場合、乗り換えが相次ぎ、劣勢に立たせられるとの声も聞かれる。
菅長官の唐突な「問題提起」は、なにゆえ出てきたのかは不明である。ユーザーとしては、携帯料金の値下げはうれしい限りだが、会社関係者や株主など、その他のステークホルダーとしては看過できない話である。多くの株主が様子見に転じ、ひとまず保有株をいっせいに手放したことで株価は急落したと見て取れるが、「どこまで値下げすれば、菅官房長官が満足するか?」は不明である。同じく業界の懸念事項であった楽天の新規参入に関し、KDDIが楽天と提携すると伝えられてから、株価はリバウンドの基調にあるが、投資家の警戒感は強い。株価急落に伴うマド埋めの動きはもう少し続きそうであるが、いずれまた売り圧力は強くなるとみて、権利行使価格2,700円を選び、株価の戻り売りを想定する。
ZOZO(3092) プット 1回
権利行使価格3,200円(原資産:2,389円) デルタ:-0.7
2018年で、投資家の失望を買った企業の1つとして挙げられるだろう。7月16日付けレポートではコール 1回(権利行使価格4,500円)を推奨し、マーケットの期待を背景に株価上昇が見込める銘柄として取り上げたが、この4カ月の間に、社名が変わっただけでなく、投資家の同社を見る眼も変わってしまった。言うまでもなく、採寸用ボディースーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」をめぐる迷走である。もともと、プライベートブランド(PB)「ZOZO(ゾゾ)」に対する見方に懐疑的な見方がマーケットでは多数派であったが、それが徐々に取り除かれ、期待が醸成されようというタイミングでの、会社側の方針の変更がなされた。この件を良いほうにとらえれば、取り巻く状況に対して臨機応変に対応できたとみることもできなくはない。同業他社でこれをマネするような動きが見られ、とりわけ、コナカの「オーダースーツブランド『DIFFERENCE』にて、AIを活用した画像採寸アプリをオープン」は手ごわそうである。しかし、社運をかけて取り組もうというように見えた「旗」をあっさり降ろすという経営判断は、ネガティブに見ざるを得ない。
海外勢を中心に、年末に近い、クリスマス前にポジションを整理しようという動機もあって、足もとの株価は下押しを強めている。最近は「落ちてくるナイフをつかんではいけない」という投資格言が知れ渡ったのか、個人投資家の値ごろ感からの買いも入り難く、目先の下値メドとみられていた3月20日安値2,622円も、あっさり下抜けてしまった。だが、直近の株価急落は狼狽(ろうばい)売りも散見され、海外勢の売り圧力が弱くなってくる11月下旬~12月のタイミングではリバウンドが見られそうである。中長期の株価のベクトルは下方向であろうが、いったんは戻りを試すと予想する。証券各社の目標株価は3,000円よりも上であり、その辺りまでのリバウンドはありそうだが、3月の権利取りに向けて株価がグングン上昇するとはみていない。権利行使価格には3,200円を選ぶ。
(提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 小林由二)
※記載の銘柄情報はDZHフィナンシャルリサーチとの情報利用契約に基づき、eワラント証券が利用料を支払って掲載しています。また、分析対象の選定およびコメントは、DZHフィナンシャルリサーチ独自の調査・判断に基づくものであり、eワラント証券による投資情報ではありません。