2018年8月27日の特選銘柄

DZHフィナンシャルリサーチ社提供の今週のeワラント特選銘柄です。
提供:DZHフィナンシャルリサーチ

<今週の東京株式市場見通し>

 今週(8/27~8/31)の日経平均株価の予想レンジは22,500円-22,900円。東京株式市場は外部環境の落ち着きを受けて買い優勢の展開か。米ジャクソンホール会合(8/23-25)でのパウエルFRB(連邦準備理事会)議長の講演に反応する、米国株式市場や為替市場の動向を織り込むことから始まる。米主要指数であるS&P500やナスダックは史上最高値を前に微調整を入れているが、再び高値更新に向かえば日経平均株価の23,000円超えをサポートするきっかけとなる公算が大きい。

 基本的には、東証1部の騰落レシオ(25日)は80%台と過熱感がないことに加え、国内企業の足ともの好業績を背景に割安感のある銘柄には買いが入りやすい。ドル円相場が再び1ドル=111円台に回復してきたことも後押し材料となる。また、先週は配当利回り面で魅力的な銘柄が多い証券株が物色されたように、9月末の権利取りを意識して利回り面+値ごろ感で買われそうな銘柄への先回り買い的な動きもありそうだ。低迷が続くマザーズ市場の変化にも注目したい。東証マザーズ指数の直近安値(932.07P)は、2012年6月安値を起点に2016年2月安値を通る中長期の上昇トレンドライン上に値する。中長期の上昇トレンドラインが短期下落トレンドの反発ポイントになるとすれば、マザーズ銘柄の一部が息を吹き返す公算が大きい。

 一方、米中制裁関税発動、トランプ米大統領の政治的危機など、株価下落やドル売り・買いの潜在的なリスクは残っている。米中通商協議が終了したこともあり、協議の結果についてのトランプ米大統領を中心とした要人の発言で市場のムードが一変する場面があることなども想定しておきたい。

 また、米中貿易戦争に比べると小さくみえる、イタリアの政局不安や英国が欧州連合(EU)と合意なしでEUを離脱した場合のポンドへの影響、豪政府の混乱に加え中国通信機器メーカー(ファーウェイとZTE)に対する通信参入制限なども尾を引く可能性があり、それぞれの進展度合いによっては市場ムードを悪化させる要因になるだろう。

 国内の経済指標で重要なのは7月鉱工業生産(8/31)。海外では、独8月Ifo景況感指数、米7月シカゴ連銀全米活動指数(8/27)、米8月消費者信頼感指数(8/28)、米4-6月期GDP改定値(8/29)、米7月個人支出(8/30)、中国8月製造業PMI、米8月シカゴ購買部協会景気指数(8/31)などが比較的材料視されやすい。

(提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 東野幸利)

<今週の注目銘柄>

新日鉄住金(5401) コール 179回
権利行使価格2,400円(原資産:2,242円) デルタ:0.4

 いわゆる「夏枯れ相場」が8月下旬になっても続いており、米国の政治リスクが一段と顕在化する状況下、手がけづらいセクター、銘柄の1つとは承知の上で、株価上昇を期待してみたい。日足チャートを見ると重要な局面であり、一目均衡表の雲の上抜けができるか、否かという状況である。1月9日高値3,132円→7月5日安値2,063.5円と半年間続いた下げ相場からのリバウンドの最中にあり、7月下旬にはついに、日足の雲の中にもぐりこんできた。8月上旬にいったん、雲の上限で上値を阻まれたが、調整が入っても雲の下限でサポートされており、この上昇相場は「ホンモノ」である可能性大。2,300円ちょうど付近に横たわる雲の上限をしっかりと上抜けられれば、強気相場に転換となり、一気に上値が開けてくる。

 8月2日に公表された今19.3期第1四半期決算、ならびに通期見通しは、安心感の持てるものである。この決算に対する株価の反応は下落となったが、材料出尽くしであって、ネガティブ視されたものではない。また、ここに来て、高炉各社に対する強気の見方も広がってきている。きっかけは、8月21日のゴールドマン・サックス証券のレポートだ。第1四半期決算を経て、ゴールドマンでは高炉セクターに対する前向きなスタンスを維持。下落トレンドを続ける非鉄金属市況とは異なり、グローバルの鉄鋼需要は好調で鋼材市況/スプレッドも高水準を維持していると指摘。中国においては今後、インフラ工事の需要期入りを経て、冬期減産の対象地域/期間が昨年以上に拡大することで、当面輸出余力が限定的となると見られることから、日本の鉄鋼メーカーの収益に大きく影響するアジアの鋼材市況も上昇基調をたどるとの見方を示している。同証券ではさらに、国内の今19.3期上期の自動車用鋼板価格(ひも付き価格)は、前期の石炭価格高騰による期ずれを反映する形で値上げ決着となる可能性が高いと考えられ、国内鉄鋼市況を下支えする見通しとした。株価は目先、5月につけた戻り高値2,500円台まで上昇するとみている。

SUMCO(3436) プット 91回
権利行使価格2,200円(原資産:1,960円) デルタ:-0.6

 好業績の見通しが多数であるものの、4~6月決算後に株価の弱さが目立つ銘柄の1つである。同社は8月8日、今18.12期第3四半期累計(1~9月)の連結営業利益予想を631億円(前年同期比2.2倍)とすると発表。上期(1~6月)営業利益は412億円(同2.4倍)であり、300ミリウエハーは通信量伸長に伴うデータセンター向け、高性能ロジックデバイス向けの需要などがけん引した。決算説明会についても、証券各社からおおむね前向きのものや、好評のレポートが出されており、来19.12期にかけても、300ミリや200ミリウエハーの需給好調が続く可能性は高そうである。

 株価がさえない理由として(1)目先の好業績は大方織り込まれた、(2)日中の貿易摩擦など外部環境が変わり、投資家が先行きに自信を持てなくなったということが考えられるであろう。加えて、(3)修繕費や人件費、増産対応コストの増加が想定以上になる見込みで、見極めたいとのムードが強くなってきているとの指摘も、ここに来て聞かれるようになってきた。また、日足チャートをみると、比較的厚めの雲の下で推移しており、株価の弱さは続きそうである。7月から8月にかけてのじり高局面では、いったんは雲の中にもぐりこんだものの、結局、雲の下へと跳ね返されている。株価の戻りがあっても、雲の上抜けは難しいと見ている。

リニカル(2183) プット 2回
権利行使価格1,500円(原資産:1,661円) デルタ:-0.4

 日足チャートをみると、かなり衝撃的な株価急落が見て取れる。8月14日に発表となった今19.3期第1四半期(4~6月)連結営業利益は8,600万円(前年同期比65.8%減)となり、上期の会社計画8億8,400万円に対する進ちょくは9.7%にとどまった。事業環境、季節性などを考慮してもネガティブ・サプライズと言えよう。売上高は増加したものの、先行的な人材投資による人件費増加が重しになったとされる。また、3月に発表された、医薬品開発業務受託事業を展開する米国Accelovance(現Linical Accelovance America)買収に関連して発生した取得関連費用や、のれんの償却負担増加などを吸収できなかった。買収発表時には、業績への貢献が期待され、株価が急騰した経緯があるだけに、その上昇分がはく落したと考えられる。

 株価は2,400~2,500円から1,500円台へと、一気に1,000円近くもの暴落となっているが、ここからの一段安を予想する。今回の4~6月決算の特徴として、株価急落でも押し目買いや値ごろ感からの買いが入りにくく、ダラダラと下げ続けるものが多い。これは先の3~5月期決算で小売企業などで見られた光景でもあり、押し目買いや値ごろ感からの買いが入っていったん下げ止まっても、買い支えられずに下落が再開し、損切りを余儀なくされるケースが散見された。個人投資家の買いが入り難いためと推察する。加えて、リニカル独自の要因として、5月31日に公表した自己株取得枠(上限10万株・1.55億円)について、早々に取得枠が満たされて、買い付け終了が発表となっていることも見逃せない。8月17日までに7万1,100株を約1.55億円で取得済み。1,500円を割り込めば、チャート的には1,250円までサポートが見当たらず、下押し圧力はさらに強まるとみられる。

(提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 小林由二)

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