2018年9月10日の特選銘柄

DZHフィナンシャルリサーチ社提供の今週のeワラント特選銘柄です。
提供:DZHフィナンシャルリサーチ

<今週の東京株式市場見通し>

 今週(9/10~9/14)の東京株式市場は自立反発か。日経平均株価の予想レンジは22,200円-22,700円。好調な米経済指標を受け米10年債利回りが緩やかに上昇する中、8月雇用統計の程よい結果をこなし米国株が下げ止まるかが週初の反発のポイントになる。一方、米国とカナダの通商協議の行方や、米国による対中制裁関税第3弾の発動に加え、トランプ米大統領が日本との貿易戦争の可能性を示唆したとも伝えられており、今後の日米通商協議にも警戒感が一層強まっている。引き続き、日本株はドル円、ドル円は日本株にらみといった具合で積極的には動きづらそうだ。

 しかし、米国とカナダの通商協議に関しては、トランプ米大統領が早期の決着を示唆しており、結果が材料出尽くしと捉えられれば、こう着感を続ける為替市場の変動が多少は大きくなる公算が大きい。合意した場合は、ドル買い・円売り、決裂した場合は、ドル売り・円買い要因となる。再び円安方向に動き出せば、相場全体の足を引っ張っている自動車株や銀行株には追い風になろう。日本株の空売り比率も足元で高水準が続いており、買い戻しがTOPIX(東証株価指数)の支えとなる。日経平均株価は9月限のメジャーSQを前に、22,500円付近を意識する場面が多くなりそうだ。週後半に入ると、ECB定例理事会(ドラギ総裁会見)や国内の三連休、来週の自民党総裁選挙を控え、様子見姿勢が強まる展開が予想される。

 一方、このところ欧州株の下げが目立っている。欧米通商摩擦で自動車関税問題が決着していないこと、イタリアの2019年度予算案では財政赤字が大きく拡大し、欧州連合(EU)の規律である対国内総生産(GDP)比3%を上回る可能性があるなどで、ドイツとイタリアの信用スプレッド(債券利回りの格差)が拡大している。トランプ政権の言動に加え、欧州リスクが株式市場の不安心理を助長させる可能性もあり注意したい。
 国内の経済指標は、4-6月期GDP改定値、8月景気ウォッチャー調査(9/10)、7-9月期法人企業景気予測調査(9/12)、7月機械受注(9/13)、メジャーSQ算出日(9/14)などが注目に値する。
 一方、海外では、中国8月貿易収支(9/8)、独9月ZEW景況感指数(9/11)、ベージュブック(9/12)、ECB定例理事会、トルコ中銀金融政策決定会合、米8月消費者物価(9/13)、中国8月鉱工業生産、中国8月小売売上高、中国8月都市部固定資産投資、米8月小売売上高、米9月ミシガン大学消費者マインド指数(9/14)などが注目される。

(提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 東野幸利)

<今週の注目銘柄>

ダイキン工業(6367) コール 94回
権利行使価格14,500円(原資産:13,815円) デルタ:0.4

 8月7日発表の今19.3期第1四半期決算は「良いはずだ!」とのマーケットの期待通り、あるいは、それ以上に好調なものであった。今夏の猛暑観測は春ごろから伝えられており、高性能のクーラー(空調)を求める動きは強いと、新聞報道などでも報じられていた。第1四半期の営業利益は831億円(前年同期比11.7%増)で、上期の会社計画に対する進ちょく率は52.6%。この状況は、当然のことながら第2四半期も続いていると見られ、投資家の期待値はさらに上昇しているようだ。主力の空調・冷凍機事業において、国内で業務用空調機器や住宅用空調機器の売上高が前年同期を上回っているだけでなく、中国においても全商品で売上高が前年同期を上回ったことは、投資家に一段の安心感を与えよう。

 株価は、8月31日に直近高値14,240円をつけてから、上昇一服となっているが、懸念は不要と考える。年初につけた高値(1月9日の14,275円)に接近し、目先の利益確定売りが出ているだけであり、株価調整は長引かないと見る。株式市場全体を取り巻く環境は芳しくないが、全体相場がさえなくなれば、業績が堅調な銘柄に資金が流入すると見られ、同社にとってさほど悪い話ではない。なお、ここまでは猛暑に伴う「冷房」に着目した物色、業績貢献がテーマであったが、「猛暑の翌年は花粉飛散量が増大する」という「法則」に添えば、2019年の春はスギやヒノキなどの花粉の飛来が増えると見込まれる。すなわち、「空気清浄機」といったテーマで、今後、ダイキン株が物色される可能性は十分にある。株価は2018年の高値14,240円をブレイクし、次の上値メドである15,000円をとらえに行くとみている。

オリックス(8591) プット 118回
権利行使価格1,750円(原資産:1,725.5円) デルタ:-0.5

 株価は2018年に入り、下方向の圧力が強いようにみえる。1月24日2,216.5円の高値をつけてから弱さが目立っており、2月から4月にかけて1,800~1,900円のボックス相場を形成した。その後いったんはボックスの上抜けに成功し、5月8日に2,043円の戻り高値をつけたが、本決算シーズンの一巡で全体相場がさえない展開になると、同社株も連れ安し、7月4日には今年の安値となる1,706.5円まで下落。1,900円レベルまで戻す場面も見られたが、今夏はおおむね1,750~1,800円の狭いレンジ内で推移した。なお、日足チャートの一目均衡表で上記の株価推移をみると、雲の上限、下限、転換線などで上値を抑えられていると見て取れる。足もとでは、日足の基準線、転換線でアタマを抑えられており、仮にこれをブレイクできたとしても、すぐ上の1,770~1,780円の水準に雲の下限がある。上値の重い展開が続くと見るのが無難であろう。

 リース事業から、保険、不動産などへの多角化戦略は功を奏しており、太陽光などエネルギー事業へ、いち早く参入した同社の経営陣に対する評価は高い。近年では、国内空港の民営化に早くから着目し、空港運営に参入した。伊丹、関西国際、神戸の関西3空港を傘下に持つ関西エアポート(オリックスは40%を出資)の業績貢献に、市場の期待は高まっている。しかし、関空が9月4日に上陸した台風21号の甚大な被害を受け、しばらく通常営業できないというネガティブ・サプライズが浮上。空港の滑走路が海水に覆われただけでも痛いが、対岸との連絡橋にタンカーが衝突し、橋脚が大きく破損したことは、想定外といえる。3空港への参入にあたり、関西エアポートは不可抗力による損失については100億円超の損失負担を迫られることはないとのことで、台風による影響はある程度、保険でカバーされる見通しではある。だが、空港閉鎖中の物販への影響など、マイナス面がまったくないわけではない。オリックスは海外投資家の多い銘柄でもあり、台風被害のニュースが海外メディアで伝えられるにつれ、ポジションを手じまい、様子見に転じるムードが強まると予想。株価は節目の1,700円を下抜け、下値模索のリスク大とみている。

英ポンド ポンド安(プット)型 359回
権利行使価格146円(原資産:143.20円) デルタ:-0.6

 9月は英国の欧州連合(EU)離脱交渉にとって、重要な月である。9月末が英国のEU離脱交渉で、条件決定の目標日となっているためだ。「ブレグジット」の期限が2019年3月に、あと半年に迫っており、残る1カ月足らずで進展がなければ「合意なきブレグジット」が現実味を帯びてくる。しかし、交渉の難航は必至であり、英ポンドの軟調地合いは続きそうである。

 とはいえ、一部では交渉進展期待もあり、英ポンドが一方的に下落するともみていない。8月下旬に英国とEUの離脱交渉が行われ、EU高官が「EUは前例のない協力関係を英国に提案する用意がある」と発言したことで、一時的ではあったが離脱交渉の合意期待が高まる局面がみられた。しかし、両者の溝は深いため、どこまで歩み寄れるかは依然不透明である。このように、EU離脱に関連するニュースで、英ポンド相場が神経質に振れる展開は続こう。英ポンドの上昇局面での戻り売り戦略が有効と見て、権利行使価格に146円を選ぶ。英ポンド円の月足チャートで一目均衡表をみると、ここからしばらく、厚い雲の下で推移しそうである。雲の下限は146円レベルであり、仮に戻りを試す場面があっても、ここでアタマを抑えられると見る。なお、今週は13日に英国中央銀行(イングランド銀行、BOE)の政策金利、四半期インフレ報告の発表が予定されている。サプライズはないと見られるが、留意すべきイベントである。

(提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 小林由二)

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