2019年6月24日の特選銘柄

DZHフィナンシャルリサーチ社提供の今週のeワラント特選銘柄です。
提供:DZHフィナンシャルリサーチ

<今週の東京株式市場見通し>

今週(6/24~6/28)の日経平均株価の予想レンジは21,000円-21,400円。米主要指数が高値付近で強含むなかでも円高が重荷となり、戻り売りに押される展開か。一方、ヘッジファンドなどの短期筋による買い戻しや個人の選別物色の意欲は高い。米国とイランが軍事衝突に進展する警戒感が手控え要因になるが、米中通商協議(ライトハイザー米通商代表部代表・ムニューシン米財務長官と劉鶴中国副首相)の開催(6/25)、G20大阪サミット(6/28-29)での米中首脳会談による通商合意への期待感の方が勝っているようだ。

上海総合指数が5月以降のボックス相場を上放れてきており、素材セクターなどを中心に中国関連株への物色が目立つ場面がありそう。また、米長期金利(10年債利回り)の一時2.0%割れによる達成感もあり、反動で上昇がみられれば金利敏感株などにも遅ればせながらの買い戻しが予想される。ただ、それらは出遅れ業種の物色に過ぎず、指数を押し上げる効果は限定的とみられる。

ドラギECB総裁は、物価の伸びが低迷し、目標を達成できない状況が続いた場合、欧州中央銀行(ECB)は利下げや資産買い入れなどの金融緩和を再度行うと明言し、物価押し上げへの決意を表明した。

パウエルFRB議長は、「FRBは景気拡大のために適切に行動する」と述べ、景気減速が鮮明になれば早期利下げに踏み切る可能性を示唆した。金利低下が経済の減速を抑え、景気の緩やかな回復と金余りによるリスク資産への資金流入を通じて、適温相場への期待感も市場参加者のマインド改善につながっている。

ドル円が1ドル=107円台まで円高が進行し、3月調査の日銀短観で示された大企業・製造業の2019年度想定為替レート(108.87円)を割り込んだ。先週は円高進行を横目に日経平均株価は上昇したが、主力大型株の底入れからの戻りはまちまち。あと1カ月程度で国内企業の4-6月期決算と今期見通しが公表になることを控え、業績への不透明感が強くなっている大型株物色は次第に薄れていく公算が大きい。

一方、先週マザーズ市場に新規上場した名刺管理サービス最大手のSansan(4443)は、初値形成後も上昇を続け上場初日はストップ高となった。買い付け資金を手当てするための換金売りや、イベント・ドリブン的な短期筋の売買で既上場銘柄が大きく下げる場面もあったが、目先的にはいったん落ち着く可能性が高い。

昨年11月以降、マザーズ市場では海外投資家の売買シェアが40%を超える月がみられるようになった。海外投資家の日本株に対する売買動向の傾向をみると、直近3年間(2016年~2018年)では月間ベースで、4月、5月、7月、10月しか買い越していない。ただ、4月と7月は毎年買い越した経緯がある。今年も4月が例年通り買い越しだったように、7月の日本株への資金流入にも期待できそうだ。

小型株への資金流入のカギになるのは、米国市場の動向である。大型株中心のS&P500と小型株で構成されるS&P小型株600の昨年来からの推移をみると、昨年来高値に対してS&P小型株600の戻りが相対的に鈍い。今後、S&P500にキャッチアップできれば、東京市場でも海外投資家による小型株への見直し買いが強まる可能性が高い。

国内の経済指標では、5月有効求人倍率、6月都区部消費者物価指数、5月鉱工業生産指数(6/28)に注目。一方、米国の経済指標では、米6月消費者信頼感指数(6/25)、米5月耐久財受注(6/26)、米5月個人消費支出・個人所得(6/28)などが注目される。

(提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 東野幸利)

<今週の注目銘柄>

LINE(3938) プット 29回
権利行使価格3,000円(原資産:3,010円) デルタ:-0.5

同社の2019年12月期1Qの連結最終損失(IFRS基準)は103.1億円の赤字(前年同期は13.8億円の赤字)だった。LINEアプリを中心に売上収益は前年同期比13.5%増と順調に推移したが、LINEペイの販促費が増加したほか、人件費が36億円増、減価償却費も28億円増となり、損失を拡大させた。

直近では、傘下のファイナンス事業子会社がみずほ銀行と共同出資による新銀行設立に向けた検討を開始したと発表。各事業それぞれ引き続き先行投資が膨らむフェーズであり、利益計上局面はまだ先となるだろう。一方で、バリュエーションは今期予想PSR3倍弱と、売り上げ規模2,000億円超の企業としてはかなり高め。利益の実現までしばらく時間がかかる状態で、今後は高めのバリュエーションを調整する売りがかさむと考える。

東海カーボン(5301) プット 13回
権利行使価格1,150円(原資産:1127円) デルタ:-0.5

今後は資金流出が続きそうだ。まず、同社は5月、2019年12月期通期の営業利益予想を従来の987億円から754億円(前期比31.4%増)に引き下げると発表。ひっ迫していた黒鉛電極の需給が当初予想より早期に落ち着きを取り戻し、販売数量が減少する見込みだとした。また、同社はドイツの炭素黒鉛製品メーカーであるCOBEXHoldCoの全株式を取得すると発表。取得価額は約1,000億円(ネット有利子負債額を含む)で、株式取得日は7月下旬の見込み。この材料も、目先の多額のキャッシュアウトへの懸念から売りを誘発した。

こうした中、格付投資情報センター(R&I)は計画されている買収について「格付けの方向性に影響も」とするレポートを公表。今回の買収は東海カーボンにとって過去最大規模の買収案件で、収益面の先行きには注意が必要と指摘。目下、黒鉛電極の需給が早期に落ち着きを取り戻す中、会社側は買収によりアクセルを強めるという姿勢を見せており、市場ではリスク回避の売りが続きそう。

米ドル(UDJY1) プット 903回
権利行使価格108円(原資産:107.22円) デルタ:-0.6

FRBは連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の誘導目標を「年2.25~2.50%」と据え置き。しかし、景気拡大に向けて「適切な行動を取る」との考えを明確に示し、今後の利下げへの柔軟な姿勢を明らかにした。市場では、米中通商摩擦で景気の先行き不透明感が強まる中、FRBが次回7月FOMCで利下げに踏み切るとの観測が広まっている。

金利の面のほか、長引く米中貿易摩擦の懸念などからもリスク回避の円買いは向かいそう。今後はこうした背景の中、ドル安円高が進行する公算が大きいと思考する。

(提供:DZHフィナンシャルリサーチ)

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