2021年10月11月の特選銘柄

フィスコ社提供の今週のeワラント特選銘柄です。
提供:フィスコ社

<今週の東京株式市場見通し>

今週(10/11~10/15)の東京株式市場は一進一退か。日経平均株価の週間予想レンジは27,750円~28,750円。週前半は前週末に発表された安川電機(6506)の決算や9月の米雇用統計の結果を吸収する展開となろう。その後は、米中に関する外部環境の不透明感がくすぶる中、今月下旬からの7-9月期決算や31日投開票の衆院選の結果を見極めたいとの思惑も働き、様子見ムードが強まりそうだ。そのほか、週後半には指数インパクトの強いファーストリテイリング(9983)の本決算があり、決算を受けた先物主導の動きには留意したい。

米連邦政府の債務上限問題は与野党の合意により、12月まで一時的に棚上げされた。目先の債務不履行(デフォルト)リスクは後退したが、解消されたわけではない。また、中国の恒大集団をはじめとした不動産業の資金繰り問題は今後も折に触れ話題になることはほぼ確実だ。中国経済に占める不動産業の割合は大きいため、今後も実体経済の下振れリスクはくすぶる。

さらに、中国のほか、欧州など世界的に広がっている電力不足の問題にも警戒が必要だ。世界が同時期に一気に脱炭素の動きにシフトした弊害として、石炭、天然ガス、原油などのエネルギー価格が高騰していることが背景にある。ロシアのプーチン大統領が天然ガスの供給増加を示唆したことで、一時的に価格高騰が落ち着く動きも見られているが、在庫が少ないまま電力消費が増える冬場を迎えるリスクは払しょくできていない。エネルギー価格の高騰は企業の生産コストとして重しになるほか、電力不足による工場の操業停止などは実体経済への下振れにつながる。

今月下旬からは主力企業の7-9月期決算が始まる。4-6月期の決算が良好だっただけに、従来は中間決算での通期計画の上方修正などが期待されていたが、こうした外部環境の不透明感を背景に、むしろ警戒感が高まってきている。決算を期待した先回り買いよりは、内容を確認してから買いたいと考える投資家の方が多いとみられ、決算発表が一巡するまでは様子見ムードが続きそうだ。

一方、衆院選は19日公示、31日投開票と決まった。日経平均は前週までの間に、菅元首相の退陣表明があった8月末以降の上昇分をすべて吐き出してしまった。むろん、背景には上述したような外部環境の不透明感もあるが、海外投資家の岸田新内閣への厳しい評価によるところも大きいとみられる。改革色が強く海外勢から人気の高かった河野氏が敗れたことの失望感も大きいだろうが、岸田新政権が掲げる金融所得課税の引き上げなど、「成長」よりも「分配」の方が色濃く主張されている点や、「安定」が優先され、成長につながる「変化」の側面が乏しい点などが、失望感を誘ってしまったようだ。

組閣後の内閣支持率も歴代政権の中では低く、国内でも評価は決して高いとは言えない。野党との支持率の差が大きいため、衆院選での与党大敗というシナリオは考えにくいが、圧勝も期待しにくい状況となった。大規模な経済対策などへの期待がある程度は下支え要因とはなろうが、以前までのような、衆院選投開票日までは株高になりやすいというアノマリーに期待する声は乏しくなった。衆院選を通過するまでは、相場の上値が重くなりそうだ。

全体的に様子見ムードが強まりやすいなか、小売業を中心に6-8月期決算が終盤に入る。週後半の14日には日経平均への指数インパクトが強いファーストリテイリング(9983)の本決算が予定されている。直近の月次動向から株価は軟調が続いているが、22年8月期見通しを受けた株価反応に注目だ。インパクトのある内容となれば、先物主導で指数が大きく動く可能性がありそうだ。

なお、今週は11日に9月工作機械受注、世銀・IMF年次総会、12日に9月企業物価指数、独10月ZEW景況感指数、G20財務相・中央銀行総裁会議(~10月13日)、米10年国債入札、13日に8月機械受注、中国9月貿易収支、米9月消費者物価指数(CPI)、FOMC議事録(9月開催分)、14日に中国9月生産者物価指数(PPI)、中国9月CPI、米9月PPI、米9月小売売上高、米10月ニューヨーク連銀景気指数などが予定されている。

<今週の注目銘柄>

JPモルガン・チェース(JPM) コール 61回
権利行使価格180米ドル(原資産:170.09米ドル) デルタ:0.42

13日に決算を予定。前年同期比では、コロナ禍の金融緩和で堅調だった市場部門がトレーディング収入の減少で伸び悩みそうだが、企業のM&A(合併・買収)などは活況が続いていることから、投資銀行部門は引き続き好調が見込まれる。9月FOMC以降、米国の長期金利が再び上昇基調を強めており、インフレ懸念なども背景にした金利先高観から利ザヤ改善期待も一層高まりそうだ。

太平洋セメント(5233) プット 95回
権利行使価格2,550円(原資産:2,380円)デルタ:-0.79

前週、セメント出荷価格の値上げを発表し、株価は一時急反発した。しかし、値上げの背景は原料である石炭価格の急騰を受けたもので、採算割れを回避するために消極的に迫られたもの。需要が強いことを背景にした良い値上げとは言いにくい。実際、足元の国内セメント需要の回復基調は鈍く、値上げがどこまで浸透するかも不透明。株価は、25日、75日移動平均線水準を前に上値の重い展開となることを想定しておきたい。

日本精工(6471) コール 17回
権利行使価格775円(原資産:776円)デルタ:0.55

株価はコロナショックで付けた昨年3月安値579円をボトムに、今年3月高値1,202円まで上昇基調を辿った。しかし、その後は、インフレ加速や長期金利上昇を見込んだリフレトレードの一服から、日本株全般が調整したこともあり、調整局面入りへ。半導体不足懸念なども加わり、株価は9月21日には741円と、3月高値から4割近くも下げた。しかし、PER10倍に、PBRは0.7倍とバリュエーション面では割安感がかなり強まっている。今期業績は前期比15%増収および同8.3倍の営業増益予想で、第1四半期の進捗も順調。過度な懸念から株価は実力以上に下げている印象が否めない。下期に向け部品調達に正常化の兆しなどが確認されれば、戻りの余地は大きいだろう。


(提供:株式会社フィスコ)

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