2021年2月22日の特選銘柄

フィスコ社提供の今週のeワラント特選銘柄です。
提供:フィスコ社

<今週の東京株式市場見通し>

今週(2/22~2/26)の東京株式市場は一進一退の展開が予想される。日経平均株価の予想レンジは29,500円~30,700円。米国での大規模な追加経済対策の成立を目前に控えるなか、ワクチン接種が先進各国で始まり、マクロ環境は良好だ。先日の決算シーズンで主力企業の力強い業績改善も確認でき、目先は目立った売り材料が見当たらないという状況に変化はない。また、17日に、1月下旬に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表され、連邦準備制度理事会(FRB)が足元の物価上昇は短期的なものとみており、金融緩和は当面維持する方針だと示されたことも支援材料だ。

一方で、日経平均が29,000円を達成した後に間髪を入れずに3万円を突破するなど、指数への高値警戒感は一層強まっている。市場では、1990年前後のバブル期と比べて株価収益率(PER)に異常感は見られないといった声のほか、各国中央銀行によって生み出されている潤沢な流動性の存在、株式益回りと債券金利との差(イールドスプレッド)の違いなど、当時とは違って今の株高を正当化できるとする見解が多い。

そうした中、米バンク・オブ・アメリカ(BofA)が16日に公表したグローバルファンドマネジャー調査によれば、世界の景気見通しは調査開始以来で最も強気で、足元の株高が「バブル」という回答は僅か13%にとどまったという。また、現金比率は過去8年間で最低となる一方、株式・商品の配分は10年間で最高となった。弱気派が混在していることがこれまでの株高を息の長いものにしてきたことを考慮すれば、市場が総じて強気に傾いてきたことはやや懸念であり、BofA自身も「弱気になる唯一の理由」と指摘している。

物色動向では、アフターコロナを見据えた動きが強まっており、空運業のほかレジャーや結婚式場関連など、コロナ禍で打撃が特に酷く株価も出遅れ感の強かったものが直近では大きく買われている。米長期金利が高止まりする中でグロース(成長)株を積極的に手掛けにくくなる一方、先日の決算シーズンを挟んで景気敏感株の買い戻しも進み、バリュエーション面での割安感の解消も大分進んだ。個別でも買えるものが少なくなってきた中で、コロナ禍でのダメージが一番大きく、それ故に長い間買いの対象になってこなかった銘柄群にも買いの目線が向かった格好だ。

しかし、ワクチンに対する期待感はやや先行し過ぎの感じは否めない。現在のワクチン接種ペースに基づくと人口の過半数が1人当たり2回の接種が完了するのは先んじて進んでいる米国でも22年3月で、その他の主要な先進国では23年以降になる国が多いという調査もある。緊急事態宣言の解除を見据えて国内サービス業の業績改善を見込んだ買いはある程度正当化できるが、国際線需要の回復が当分先であることを考えると、空運業の買いなどにはやや拙速感が否めない。買い対象を見つけたいがあまりに出遅れ感のあるものを何でも買っているような個人投資家がいるとすれば、そうした投資には危険が伴うため、注意が必要だ。

それでも大勢は、財政金融による大規模なマクロ経済政策による下支え、ワクチン接種の進展による景気回復期待の高まり、そして、業績改善の裏付けという要素に基づくリスクオンムードの継続が想定される。ただ、米長期金利(10年物国債)が1年ぶりの高水準となる1.3%台を付けるなど、金利上昇ピッチが速い点には注意が必要だ。ここまでの金利上昇は景気回復に基づく良い金利上昇であることや、期待インフレ率を差し引いた実質金利ベースでは依然としてマイナス圏での低位安定が続いているため、大きく問題視する向きは少ない。しかし、あまりにスピードが速いと、市場の警戒感が一気に高まるため、金利動向には留意が必要だ。

また、今週末の26日には、米国の追加経済対策が成立するとの見立てが出ている。実際に成立した後に速やかに現金給付が実施され、個人の懐が潤えば、個人投資家の買い余力の高まりを通じて、更なるリスクオンムードとなり上昇相場に弾みがつくかもしれない。ただ、一方で、これまで経済対策成立への期待感で株価が大きく上昇してきた流れを踏まえれば、政策の成立をもって目先の材料出尽くしと捉えられ、一旦は調整を挟む可能性も十分に考えられる。市場全体の方向性を読むのが難しい局面になってきたといえ、銘柄選別が一段と重要になってきたともいえよう。

物色としては、引き続きグロース(成長)株とバリュー(割安)株、そして出遅れ感のある銘柄間での循環物色がメインとなりそうだ。循環物色相場の中では、目先の動きに一喜一憂して短期売買をすると、高いところで買い、安いところで売るという失敗の繰り返しに繋がりやすくなるため、そうではなく、これだと思う銘柄を決めたら、ある程度の長い時間を持つことを前提に投資することを検討してみるのもよいだろう。

<今週の注目銘柄>

アルファベット(GOOG) コール 141回
権利行使価格2,000米ドル(原資産:2,105.81米ドル) デルタ:0.67

20年12月期4Q(10-12月)業績は、売上高が前年同期比23%増、営業利益も同69%増と2ケタ台の増収増益を達成した。売上面では、YouTube広告およびグーグルクラウドがともに同45%超の増収率となり、四半期ベースでのモメンタムも加速。クラウド事業はまだ営業赤字だが、新型コロナウイルスをきっかけに定着した巣ごもり消費で、今後もYouTube動画の視聴時間の拡大や、それに伴う広告収入の拡大が期待できそうだ。

金リンク債 プット 271回
権利行使価格1,800米ドル(原資産:1,773.4米ドル) デルタ:-0.55

ワクチン接種ペースの加速や、追加経済対策への期待感からリスクオンムードが強まると同時に、米長期金利が上昇・高止まりしている。安全資産であり金利もつかない金資産については、当面は上値の重い展開となることが予想される。

ファナック(6954) コール 212回
権利行使価格26,000円(原資産:27,845円)デルタ:0.71

1月下旬に発表された10-12月期決算では、営業利益が329億円と前年同期比68.2%増益となり、通期予想は従来の854億円から1058億円、前期比19.8%増へと上方修正された。ロボット事業を中心に足元の受注が想定以上に好調で、10-12月期の受注高は前年同期比44%増、前四半期比でも35%増と好内容だった。決算を機に市場の評価も一層高まった。日経平均の底堅い展開が今後も想定されるなか、日経平均構成銘柄であり、値がさ株として影響力も強い同社株価にも期待が持てそうだ。


(提供:フィスコ社)

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