2021年6月21日の特選銘柄

フィスコ社提供の今週のeワラント特選銘柄です。
提供:フィスコ社

<今週の東京株式市場見通し>

今週(6/21~6/25)の東京株式市場はもみ合いか。日経平均株価の週間予想レンジは28,500円~29,500円。米連邦公開市場委員会(FOMC)後の長期金利や期待インフレ率の落ち着きを受けて、グロース(成長)株が相場を下支えしそうだ。一方、景気過熱による「インフレ加速・金利上昇」を見込んだリフレトレードは小休止となり、全体がまちまちとなる中、指数の方向感は乏しくなりそうだ。

米連邦準備制度理事会(FRB)は今回のFOMCを上手く切り抜けた。政策金利予想(ドットチャート)では、参加者18人のうち13人が23年末までに少なくとも1回の利上げがあると予想し、3月時点の7人から倍近くに増えた。また、22年中に利上げがあると見込んだ参加者も7人と、前回の4人から増えた。想定以上にタカ派的と捉えられたようだが、パウエルFRB議長は会見で「これらの予測は委員会の決定や計画を示すものではない」など緩和的な姿勢も示したことで、バランスの取れた結果となった。

実際、長期金利が上昇していたなかでもハイテク株は下げ渋り、当日(16日)のナスダック総合指数の下落率は0.24%とタカ派サプライズがあったとは思えない動きとなった。1.58%まで急伸した長期金利も翌17日にはFOMC前の水準にまで低下し、ハイテク株が広く買われた。米10年物ブレークイーブンインフレ率(BEI、期待インフレ率の指標)も17日には2.27%と3カ月ぶりの水準にまで低下。FRBは足元の物価上昇に対して「一時的」との姿勢を変更していない一方、「我々の予測を上回る値が長く続きうる」ともした。しかし、市場は今回のFOMCを受けて、FRBは後手に回ることなくインフレに上手く対処できるとのポジティブな印象を受けたようだ。結果的に、早期の緩和縮小を市場に織り込ませながらも相場への影響は軽微に済ますという望ましい結果をもたらしたといえる。

長期金利は3月31日に付けた1.78%の高値から大きく下方にあり、BEIも5月10日に付けた2.54%をピークに低下傾向。「インフレ加速・金利上昇」への警戒感は今まで以上に後退したことが窺える。FOMCを消化し、しばらくは目立ったイベントがないこともあり、ここからは、4-6月期決算を見据えた動きも徐々に出てくるだろう。今年に入ってから長らく、リフレトレードを背景にグロース株はバリュー・資源関連株に対して軟調だったが、こうした動きが後退し、業績に関心が移り始めるなか、徐々にグロース株を見直す機運が高まることが期待される。

そのほか、東京や大阪の大規模会場では64歳以下の新型コロナウイルスワクチン接種が始まり、空きが目立っていた東京大規模接種センターでは、27日までの予約が埋まった。政府は高齢者の接種は7月末まで、希望するすべての人への接種は10~11月に終える方針だ。20日から沖縄県以外の地域での緊急事態宣言が解除されたこともあり、接種ペースの加速は国内での景況感の改善に寄与するだろう。21日からは大規模接種センターだけでなく企業などでの職場接種も本格化する。オリンピック開催前後の感染第5波への警戒もあるが、ワクチン接種の一段の進展は、前週に小休止したアフターコロナ関連銘柄へのサポート材料となろう。

他方、今週から新興市場ではIPO(新規上場)ラッシュとなる。ここで個人投資家の物色意欲の強さを確認したい。初値形成後もしっかりとした値動きをする銘柄が多ければ、投資家の含み損益が改善し、マザーズを中心に新興市場のサポート要因となりそうだ。

なお、今週は、22日に米5月中古住宅販売、23日に日銀金融政策決定会合議事要旨(4月開催分)、米5月新築住宅販売、米5年国債入札、24日に独6月Ifo景況感指数、英国金融政策発表、米5月耐久財受注、米7年国債入札、25日に決算発表:高島屋、出前館など、米5月個人所得・個人支出などが予定されている。

<今週の注目銘柄>

アルファベット(GOOGL) コール 156回
権利行使価格2,600米ドル(原資産:2,527.42米ドル) デルタ:0.47

FOMCを受けて「インフレ加速・金利上昇」への警戒感が一段と後退し、ハイテク株やグロース株への物色機運が高まっている。業績成長期待の高さから地合いにも負けず高値更新を続けてきた同社だが、地合いの変化も相まって、今後も堅調な値動きが期待できそうだ。

コマツ(6301)プット 179回
権利行使価格2,700円(原資産:2,850.5円)デルタ:-0.36

前週、主力市場である東南アジアでの競争力の低下懸念を理由とした一部証券会社による投資判断の格下げをきっかけに急落。さらに、FOMC通過後のリフレトレードの後退という地合いも加わり、週末も反発できずに軟調な値動きとなった。出来高を伴った2日間の下落で200日移動平均線をも割り込んできており、当面は上値が重たそうだ。

サイバーエージェント(4751)コール 171回
権利行使価格2,250円(原資産:2,381円)デルタ:0.64

相次ぐ好材料を背景に上場来高値を更新し続けている。子会社のCygamesが展開する「ウマ娘」の人気化を背景にゲーム事業の一層の上振れ期待が高まっていたが、今度は、子会社のサムザップがテレビの人気アニメ「呪術廻戦」のスマートフォンゲームについて企画開発及び運営を行うと発表。ゲーム関連の好材料に加えて、ネット広告事業も好調で、業績への期待感が今後もサポートしそうだ。

(提供:株式会社フィスコ)

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