2021年7月26日の特選銘柄

フィスコ社提供の今週のeワラント特選銘柄です。
提供:フィスコ社

<今週の東京株式市場見通し>

今週(7/26~7/30)の東京株式市場は一進一退か。日経平均株価の週間予想レンジは27,000円~28,500円。日本でも4-6月期決算シーズンがいよいよ始まる。外部環境の不透明感が強く、全体の方向性も不明瞭な中、決算を受けた個別株物色が主体となりそうだ。

米10年物国債利回りが5カ月ぶりに一時1.1%台にまで低下するなど、米長期金利の急低下が話題になっている。背景には、「過度なインフレは一過性」との見方が徐々に浸透していく中、インフレ加速を見込んでいたヘッジファンドなどがこれまでに積み上げてきたショートポジションの巻き戻しを迫られていることがあるようだ。また、二大経済大国である米中をはじめとした先進各国での経済指標のモメンタムにピークアウト感が出てきていること、景気減速が懸念され始めている中での新型コロナウイルスのデルタ変異株の世界的拡大なども債券買いの背景にあると言われている。短期金利との差が縮小しイールドカーブが平坦化してきており、景気後退を示唆するような動きも見られているため、世界景気に対する先行き不透明感が強まってきていることは間違いないようだ。

こうした中、27~28日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。金融政策については、これまでの大規模緩和が維持される見通しのほか、物価などに対する見方も従来通り「過度なインフレは一過性」との見方が維持される可能性が高い。相場への影響は限定的となりそうだが、前回のFOMC後に長期金利の低下基調が強まっただけに、今会合後の長期金利の動きにも注目したい。

そのほか、主要メディアによると、菅政権率いる内閣支持率は30%台にまで急落し、発足以来最低を記録したという。政権求心力の低下、政局不透明感の強さは海外勢の日本株を敬遠する理由となる。また、東京五輪がいよいよ始まるが、五輪関係者の新型コロナ感染などが相次いで報道されている。大会が終わる頃までの感染動向の不透明感なども日本株の上昇を抑制しそうだ。このように、海外要因だけでなく日本独自の株高抑制要因も多くあるだけに、今後の日本株の上値は引き続き重いと見ておいた方がよいだろう。そのため、先日の安川電機(6506)の決算のように、好決算でも買いが続かないといった動きが、この先の4-6月期決算シーズンにおいても見られるかもしれない点には留意したい。

一方、日経平均は200日移動平均線が位置する27,700円付近まで既に調整している。20日にはオーバーシュート気味に同線を大幅に下回る27,330.15円まで下げていることもあり、調整一巡感も見られる。今年2月16日につけたバブル崩壊後の最高値30,714.52円をピークに軟調な展開が続いてきたが、半年近く続いただけに調整期間としても十分と言えそうだ。また、27,500円付近では予想PERは13倍台前半にまで低下、PBRは1.2倍を割り込む。バリュエーション的にもボトム感が意識されるため、ここからの下値余地は大きくはないだろう。

他方、急落しては反発という動きを繰り返しながら上値を切り下げてきただけに、上値で買ってしまった投資家も多く、しこりも意識される。日経平均がピークを打った2月半ば以降も信用買い残は積み上がってきただけに、需給も良くないだろう。戻り待ちの売り圧力は相当に残っていると考えられ、上昇するにも辛抱強くこれをこなしてからとなるため、水準の切り上がりには時間がかかるだろう。下値が堅い一方で上値も重い展開がしばらく続きそうだ。

個別では、週初はまず連休前に発表された日本電産(6594)の決算が消化されることになる。週末に発表された第1四半期決算は、売上高及び営業利益ともに前年同期比で大幅な増収増益となり、四半期ベースでは揃って過去最高を更新した。市場予想も大幅に上回った。信用買い残が積み上がったままであることは気懸かりだが、2月半ば以降長らく株価はさえない動きが続いてきた分、見直し機運が高まるか連休明けの動きが注目される。市場への影響力も大きい銘柄だけに、ポジティブな動きが先行し失速せずに買いが続けば、相場全体にもポジティブな動きが広がる可能性がある。

また、週半ばからは注目度の高い企業決算が多い。27日に信越化学(4063)、28日にアドバンテスト(6857)、SCREENHD(7735)、TDK(6762)、小糸製作所(7276)、エムスリー(2413)、サイバーエージェント(4751)、29日にファナック(6954)キーエンス(6861)村田製作所(6981)HOYA(7741)、富士電機(6504)、富士通(6702)NRI(4307)、ZOZO(3092)などが予定されている。さらに、消化されるのは翌週となるが、週末30日にはデンソー(6902)ローム(6963)、ナブテスコ(6268)、コマツ(6301)商船三井(9104)、ミスミグループ本社(9962)、NEC(6701)、 MonotaRO (3064)などが予定されている。

アドバンテストやSCREENHDなど半導体関連株は好決算であることはまず間違いないが、株価反応が注目される。14日、半導体業界の国際団体SEMIが2022年の半導体製造装置の世界販売額の予測を前回から3割超引き上げた際には相場への影響は限定的だった。また、15日に台湾積体電路製造(TSMC)が発表した決算も悪くない内容だったが、株価の反応は厳しく、日米の関連銘柄もその後大きく売りに押された。直後には押し目買いも見られたが、日本企業の関連銘柄のチャートは総じて右肩下がりとなっており、決算を機にトレンドが変わるのか、それとも出尽くし感から一層売り込まれてしまうのか注目される。

なお、先日の決算でTSMCは「年後半にかけてメーカーは在庫積み上げに動く」とし、年後半の在庫調整懸念を払しょくするようなコメントを出しているほか、半導体業界の好況は2022年後半まで続くとの見方が市場関係者の間では多い。最近では証券会社による関連銘柄のレーティング引き下げが観測されるなど一部で弱気派も増えてきたが、全体としては依然として半導体関連株については強気の見方が多い様子。

エムスリーは、医療業界でのDX化の進展を背景に引き続き良好な決算となりそうだが、今年に入ってからの下落トレンドを転換できるのかが注目される。なお、前回の本決算発表以降の株価はもみ合いの末に水準としてはほぼ横ばいとなっており、トレンド転換の兆しは出てきている。

なお、今週は26日に6月全国百貨店売上高、独7月Ifo景況感指数、米6月新築住宅販売、27日に米連邦公開市場委員会(FOMC)(~28日)、米6月耐久財受注、米5月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米7月消費者信頼感指数、28日に日銀金融政策決定会合の「主な意見」(7月開催分)、パウエルFRB議長会見、29日に米4-6月期GDP速報値、30日に6月失業率・有効求人倍率、6月鉱工業生産、6月住宅着工統計、米6月個人所得・個人消費支出などが予定されている。

米国での主な企業決算としては、26日にテスラ、27日にアルファベット、アップル、マイクロソフト、ビザ、スリーエム、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ、スターバックス、28日にボーイング、フェイスブック、クアルコム、フォード、29日にアマゾン、マスターカード、30日にエクソンモービル、シェブロンなどが予定されている。

<今週の注目銘柄>

村田製作所(6981) コール 205回
権利行使価格8,400円(原資産:8,774円) デルタ:0.64

1月下旬からは調整局面が続いていたが、5月中旬以降は持ち直してきている。主力の積層セラミックコンデンサー(MLCC)は自動車やサーバーなど社会インフラ向けでも需要拡大が続いており、スマートフォン向けの調整をカバーできるとの見方もあり、決算前に見直し機運が高まっている。また、在庫調整懸念が台頭するきっかけとなったスマートフォン向けについても、「米アップルが今年投入予定の次世代iPhone(アイフォーン)を年内に最大9,000万台生産するようサプライヤーに求めている」などと伝わっており、需要拡大が期待されてきている。アップルの株価が最高値付近で推移する中、29日の村田製作所の決算に注目したい。

サイバーエージェント(4751) コール 173回
権利行使価格2,200円(原資産:2,161円) デルタ:0.51

子会社Cygamesのスマートフォンゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」が好調であり、同社の業績をけん引している。米AppAnnieの日本法人が発表した調査結果によると、4-6月の課金額ランキングで世界2位だった。また、1-3月と比べた課金額の急上昇ランキングでは1位だったようだ。「ウマ娘」の好調により第2四半期決算時には通期の営業利益予想が2倍近く引き上げられた。28日は改めて「ウマ娘」の貢献による好決算が期待される。また、子会社サムザップが人気テレビアニメ「呪術廻戦」のスマートフォンゲームについて企画開発及び運営を行うと発表しており、材料に事欠かない点も魅力だろう。

ファナック(6954) コール 230回
権利行使価格26,500円(原資産:25,230円) デルタ:0.42

先んじて発表されている安川電機の決算から好決算が期待される。同社は保守的な計画を出す傾向があることでも知られており、こちらも2月以降はさえない動きが続いてきた分、決算発表後の見直し機運の高まりに期待したい。


(提供:株式会社フィスコ)

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