2021年8月23日の特選銘柄

フィスコ社提供の今週のeワラント特選銘柄です。
提供:フィスコ社

<今週の東京株式市場見通し>

今週(8/23~8/27)の東京株式市場はもみ合いか。日経平均株価の週間予想レンジは26,500円~28,000円。週後半からの金融政策イベントを前に、様子見ムードが強くなりそうだ。前週のトヨタ(7203)の減産報道を受けて、新型コロナウイルス感染再拡大による企業業績の下押し懸念が急速に高まっている。世界経済の見通しを下方修正する各種機関も散見され、景気敏感株としての特性が強い日本株には大きな逆風だ。一方、前週の日経平均は一時27,000円割れの場面が見られたものの、終値では同水準を維持した。27,000円近辺は中長期的には割安感が意識される水準でもあるため、下値も限定的となりそうだ。

26日から、カンザスシティ連銀が米ワイオミング州で毎年8月に開催する経済政策シンポジウム、“ジャクソンホール会議”が開催される。今後の金融政策に関するヒントを得ようと、投資家の注目が集まるため、週前半から様子見ムードが強くなりそうだ。

7月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨において、年内にも量的緩和縮小(テーパリング)を開始する可能性が示唆されたことで、足元では改めて金融緩和の早期縮小に対する警戒感が高まってきている。今年の4月頃から米連邦準備制度理事会(FRB)高官からは度々テーパリングに関する発言が聞かれており、従来、市場への刷り込みは十分に上手く進んでいると思われていた。

しかし、足元では、米中二大国で経済指標の下振れが続き、また、世界的に新型コロナウイルス変異株(デルタ株)が猛威を振るい、世界景気の減速懸念が高まってきている。こうした中、金融政策変更スケジュールの後ろ倒しもあり得るのではとも想定されていただけに、年内にテーパリング開始の条件が整うと考えているFRBメンバーが多かったことにはややサプライズ感があった様子。

また、当局による規制強化をきっかけとした中国株や香港株の軟調も続いているほか、日本国内では政局不透明感なども加わり、足元では懸念要素が山積みとなっている。日経平均の動きをみて一目瞭然のように、投資家心理はかなり悪化してきている様子。

一方、7月のFOMC後、パウエルFRB議長は、テーパリング開始に必要な目標への進捗状況については、「今後数回の会合で評価する」と述べている。また、FOMC投票権をもつ米アトランタ連銀のボスティック総裁は「今後、1、2カ月間で7月の雇用統計のような良好な結果が確認されれば、著しい更なる進展目標が達成する」とコメント。これらを考慮すれば、テーパリングの決定は早くても8月の雇用統計を確認した後の9月のFOMCとなるだろう。

そのため、ジャクソンホール会議において決定的な材料が出るとは想定しにくいが、上述したような神経質な環境下、投資家は何らかのヒントを得たいとの思惑から積極的には動けないと想定される。

前週には、日経平均が遂に一時27,000円を割り込む場面が見られた。日本取引所グループが公開している取引参加者別取引高によると、クレディ・スイス証券は、8月に入ってから先物を買い越す傾向が続いている。同社の動向は商品投資顧問(CTA)などの動向を反映する傾向にあるが、イベントを前に改めて短期筋による先物主導の動きには警戒したい。

そのほか、今週も米国では7月の中古住宅販売や新築住宅販売、耐久財受注など経済指標が多く公表される。景気減速懸念が強まってきているなか、大幅な下振れなどがあると、足元、下落がきつい景気敏感株の更なる売り圧力となりかねないため、注意したい。

一方、景気敏感株への逆風が強まっているなか、グロース・ハイテク銘柄には底堅さも確認されている。前週後半にかけては、ネットフリックスやマイクロソフトといった主力ハイテク株が大きく買われたほか、エヌビディアやアプライド・マテリアルズなどの半導体関連株も好決算を受けて大きく上昇した。

東京市場では、半導体関連株は米国と対照的に軟調なものが多く、好決算を発表した東京エレクトロン(8035)などもさえない展開が続いている。しかし、IT系のテック銘柄に目を向けると、年初来安値を更新し続け、弱さが目立っていたマザーズ指数には、前週末にかけて底打ち感が徐々に見られた。マザーズ時価総額上位のJMDC(4483)などは週末に上場来高値をつけていた。

上述したように、足元で早期の金融緩和縮小観測が高まっているにも関わらず、米10年国債利回りは1.2%台半ばでの推移が続いており、ほとんど上昇していない。これは、将来の利上げよりも、景気減速・後退を警戒した動きを映したものと考えられる。市場は、9月FOMCでのテーパリング決定、年末までの開始を想定しているが、FRBがテーパリングを開始する時期には、すでに景気が後退局面に入っていることを恐れているのではないかと考えられる。

こうなってくると、一層、景気敏感株には厳しい状況と思えてくるが、一方で、“景気減速・長期金利停滞”となってくると、グロース株には“相対的”には追い風となってくる。実際には、景気敏感株とグロース株の極端な二択ではなく、循環物色の動きが続きそうだが、目先はマザーズ指数の底打ち感を確認するとともに、テック系グロース株の反発機運が高まることを期待したい。

なお、今週は23日に米7月中古住宅販売、24日に米7月新築住宅販売、25日に米7月耐久財受注、26日に米4-6月期GDP改定値、米カンザスシティ連銀主催のジャクソンホール会議(~28日)、27日に米7月個人所得・個人消費支出、などが予定されている。

<今週の注目銘柄>

シェブロン(CVX) プット 27回
権利行使価格100米ドル(原資産:94.29米ドル) デルタ:-0.54

新型コロナウイルス変異株(デルタ株)が世界各国で猛威を振るっており、トヨタの減産報道など実体経済にも悪影響が及んできている。世界経済を引っ張る米中二大国でも、経済指標の下振れ傾向が継続している。世界のエネルギー需要の拡大に陰りが見えてきているなか、投機資金の流出も相まって、資源価格の下落が続いている。原油価格も目先は上値の重い展開が続きそうだ。

アイシン(7259) プット 23回
権利行使価格4,100円(原資産:3,945円)デルタ:-0.55

トヨタが9月の世界生産を当初計画比で4割減らすと報じられたことで、トヨタ系部品メーカーが軒並み前週末にかけて大きく売られた。これまで、トヨタについては半導体不足の影響は相対的に軽微とみられていたため、大幅減産に対してはネガティブな印象が強い。トヨタは生産計画や業績予想は修正しないとしているが、市場コンセンサスは切り下がっただろう。実体経済への悪影響は相当に印象が悪く、同社系列メーカーの株価は、当面は上値が重くなりそうだ。

ダイキン工業(6367) コール 157回
権利行使価格23,500円(原資産:25,540円)デルタ:0.75

8月3日に第1四半期決算を発表、営業利益は1,093億円で前年同期比2.0倍となり、会社計画を200億円程度も上振れた。欧米や中国などで空調事業が好調だったことが背景。また、通期予想は従来の2,700億円から2,900億円、前期比21.5%増に引き上げた。しかし、これは第1四半期上振れ分のみを上方修正したもので、第2四半期以降は据え置かれている。一方、今後も販売の好調推移が見込まれるほか、原材料費の高騰をこれまで販売価格に転嫁できているなど、力強い収益体質の構築が確認されており、更なる上振れが期待できそうだ。


(提供:株式会社フィスコ)

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