2021年9月21日の特選銘柄

フィスコ社提供の今週のeワラント特選銘柄です。
提供:フィスコ社

<今週の東京株式市場見通し>

今週(9/21~9/24)の東京株式市場は一進一退か。日経平均株価の週間予想レンジは29,900円~30,700円。国内は祝日に伴い立会が3営業日に限られることに加え、米連邦公開市場委員会(FOMC)も控えているだけに週末までは動きにくい相場となりそうだ。一方、自民党総裁選の告示を迎えたことで、今後の各候補者間での政策論争を背景に、次期政権への期待など先高観から底堅い展開が想定される。

東京市場は20日(月)と23日(木)が祝日で休場となる。そうした中、21日からは日銀金融政策決定会合および米FOMCが開催され、注目のFOMC公表結果とパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見は現地時間22日に予定されている。

もともとFRBは前回7月のFOMC後に今後複数回にわたる経済データの進捗を確認しながら政策方針の変更を決定すると表明していたことから、9月FOMCでの量的緩和策縮小(テーパリング)の決定の可能性は低いとみられていた。さらに、最新の8月雇用統計の数値が予想外に悪かったこともあり、テーパリング決定の可能性は一段と遠のいた。市場では11月FOMCでのテーパリング決定、年内の開始が濃厚とされている。

一方、今回の9月FOMCの注目度が低いかといえばそうではない。今回はFRBメンバーによる政策金利見通し(ドットチャート)が公表される。前回6月FOMCでは、参加者18人のうち13人が2023年末までに少なくとも1回の利上げがあると予想し、3月時点の7人から倍近くに増えた。また、22年中に利上げがあると見込んだ参加者も7人と、3月時点の4人から増えた。今回、22年の利上げを想定するメンバーが7人からどれだけ増えるかが注目される。

サプライチェーン(供給網)の乱れや需要超過を背景に世界的なインフレ懸念が根強くくすぶる一方、新型コロナウイルス変異株(デルタ株)の拡大を受けて世界的な景気不透明感も強まっている。そうした中、22年内の利上げを支持するメンバーが想定以上に増えるとなると、利上げによる来年からの景気減速懸念が一層強まり、インフレと景気減速が併存するスタグフレーションへの警戒感が高まりかねない。単純に株式のバリュエーション面での許容度を落とすという観点からも相場にはネガティブとなる。米国でもデルタ株の脅威が続く中、今回のFOMCが過度にタカ派寄りの結果となることは考えにくいが、ドットチャートの結果には注意したい。

FOMCの結果は、東京市場では祝日明けの週末24日に消化されることになる。そのため、週前半の相場はこう着感の強い展開となりそうだ。そうした中、中国恒大集団の債務問題が前週から話題になっている。週末まで動きにくい中、こうした中国発の不透明要因やこれを受けたアジア市場の動きに左右されやすい展開となることにも留意したい。

そのほか、米国では住宅着工件数や新築住宅販売などの経済指標が予定されている。インフレ動向の中でも住宅価格の高騰がとりわけ目立っているため、これらの指標で、人々の住宅購買意欲が衰えていないかを確認したい。住宅指標は景気に対する先行性の高い指標でもあるため、大きく下振れると、景気減速懸念がさらに強まり、FOMC以外の要因で米株市場が軟化することも想定されるため、注目だ。

一方、17日に自民党総裁選の告示を迎えたことで、29日の投開票までは各候補の政策論争が活発化する。メディア露出も増えると思われ、次期政権への期待感が引き続き相場を下支えしそうだ。また、東京都の新型コロナウイルス新規感染者数が1,000人を下回る日が増えるなど、感染ピークアウト感が鮮明になってきた。ワクチン接種を2回済ました人の割合も既に5割を超えたこともあり、国内景況感の改善も支援要因となろう。

加えて、政局流動化をきっかけに9月第1週から海外投資家による個別株買いや先物買いが活発化しているが、年前半に先物中心に売り越しを続けていた海外勢の買い余地はまだまだ大きい。さらに、9月の上昇局面において逆張りで大量に売り越していた個人投資家を中心に、買い遅れた投資家による押し目買いなども今後は想定される。先行き需給面は良好といえそうだ。

このように、短期的には警戒要素も散見されるが、中長期的な先高観は変わっていないため、押したところはこつこつと拾うスタンスが奏功しやすいだろう。

なお、今週は21日に日銀金融政策決定会合、米FOMC(~22日)、米4-6月期経常収支、米8月住宅着工件数、米 8月建設許可件数、22日に黒田日銀総裁会見、パウエルFRB議長会見、米8月中古住宅販売、23日に英国金融政策発表、トルコ中銀金融政策決定会合、南ア準備銀行金融政策決定会合、24日に8月全国消費者物価指数、独9月Ifo景況感指数、米8月新築住宅販売などが予定されている。

<今週の注目銘柄>

東京海上ホールディングス(8766) コール 77回
権利行使価格6,100円(原資産:6,047円)デルタ:0.48

13日に、発行済み株式数の1.1%に当たる750万株、300億円を上限とする自己株式の取得実施を発表。取得期間は9月14日から11月30日まで。機動的な資本政策を行うことを取得理由としている。300億円の自己株式取得を8月に完了したばかりであり、追加の自己株式取得とあって好感する動きが先行した。また、今後の業績に対する自信とも受け止められたようだ。中長期的には、FRBの利上げが意識される中、金利先高観も追い風になると想定される。

太平洋セメント(5233) プット 95回
権利行使価格2,550円(原資産:2,507円)デルタ:-0.53

コロナ禍からの世界的な景気回復を背景に、製造業中心に業績回復が鮮明だが、セメント業界は蚊帳の外となっている。国内のセメント需要の回復基調は鈍く、一方で原料となる石油・石炭価格が上昇していることで、足元の事業環境は厳しい。今期会社計画も2桁の減収・最終減益と見通しは良くない。全体相場が上向く局面でも株価の戻りは鈍くなりそうだ。

日本製鉄(5401) コール 250回
権利行使価格2,150円(原資産:2,153.0円)デルタ:0.49

16日、ユーロ円建転換社債(CB)型新株予約権付社債を発行し、3,000億円を調達すると発表。潜在的な株式価値の希薄化をネガティブ視する動きが先行し、17日の株価は大きく下落した。しかし、調達資金は高機能鋼材の生産体制強化、脱炭素関連の技術開発などに充当する方針で、中長期的な成長に必要な合理的な資金調達と思われる。一方で、構造改革の進展で収益力が高まっている中、今期業績は大幅な増収増益見込み。第1四半期決算時に早々に通期計画を上方修正しているが、更なる上振れの可能性は大きく、株価の見直し機運は高まりやすいとみる。


(提供:株式会社フィスコ)

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