2021年9月27日の特選銘柄

フィスコ社提供の今週のeワラント特選銘柄です。
提供:フィスコ社

<今週の東京株式市場見通し>

今週(9/27~10/1)の東京株式市場は堅調か。日経平均株価の週間予想レンジは30,000円~30,800円。中国恒大集団の信用不安が一時後退したほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)を波乱なく通過したことで、外部環境の不透明感が緩和された。自民党総裁選の結果が29日に迫るなか、再び次期政権への期待など国内要因を背景に堅調な値動きが期待できそうだ。

中国政府が恒大集団に、短期的なドル建て債のデフォルト(債務不履行)を避けるよう伝えたとの報道をきっかけに、同社の債務問題を巡る懸念はひとまず後退した。ただ、今後も断続的に支払い期限が来るほか、中国の不動産企業には恒大集団以外にも信用不安を抱える企業が多いため、同様の問題は今後も折に触れ話題になりそうだ。それでも、今回の一件は中国国内の問題に過ぎずシステマティックなリスクには至らないとの大勢の見方は維持され、目先は神経質ながらも買いが優勢の展開となりそうだ。

FOMCも短期的な波乱になり得ることを懸念していたが、結果的には杞憂に終わった。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は記者会見で、11月にも量的緩和策の縮小(テーパリング)を開始し、来年半ばまでにそのプロセスを完了させる可能性を示唆。同時に公表された政策金利見通し(ドットチャート)では、当局者18人のうち9人が22年の利上げを見込んでいることが示され、6月時点の7人から増加した。比較的タカ派色が強いとの印象をもって捉えた向きが多かったようだが、相場はポジティブに反応し、底堅さを示した。

また、米10年国債利回りが7月半ば以来およそ2カ月半ぶりに1.4%台へと上昇してきている一方、期待インフレ率の指標とされる米10年物ブレークイーブン・インフレ率はほぼ横ばいで、市場はFRBのインフレへの対応を評価している様子。長期金利の水準も3月に付けた1.78%と比較すればまだ低く、上昇ペースが緩やかであれば、相場の波乱要因とはならないだろう。

一方、自民党総裁選の投開票が29日に迫ってきているなか、総裁選が混迷となっている。しかし、誰が総裁になるにしても、衆議院議員選挙に向けての党勢拡大を目的に積極的な経済対策が打たれる可能性は高く、こうした期待が相場を下支えしよう。

あえてリスクとして挙げるのであれば、海外投資家には改革色の強い河野太郎氏を好んでいる向きが多いとみられる点だ。河野氏以外の候補が選出された場合の相場反応は気になるところだろう。しかし、上述した背景から大きな波乱になるとは考えにくい。むしろ、衆院選の投開票日に向けた株高アノマリーなども意識され、上値を試す展開の方が可能性としては高そうだ。

他方、中国恒大集団の問題をきっかけに中国経済の減速懸念が一層強まっている点には留意したい。中国経済に与える不動産業の影響力は大きく、今後の実体経済への影響を注視する必要があるほか、不動産業へ多額の融資をしている銀行への影響、負の資産効果による個人消費の減退など、懸念要素は多数ある。今週は中国で9月の製造業・非製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表される。前月8月分はともに市場予想を下回ったが、日本では政局流動化をきっかけとした株高局面で特段材料視はされなかった。今回は中国経済への関心が高まっている場面でもあるため、結果と市場反応を注視したい。

物色面では、小売企業の6-8月期決算が始まることから、これら決算を受けた個別株物色が盛んになることが想定される。そのほか、衆院選に向けた株高アノマリーや来月下旬から本格化する製造業の7-9月期決算を意識する形で景気敏感株などを中心に主力株もしっかりとした動きとなりそうだ。

なお、今週は27日に米8月耐久財受注、28日に米7月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米9月消費者信頼感指数、29日に自民党総裁選投開票、30日に8月鉱工業生産、8月住宅着工統計、中国9月製造業・非製造業PMI、中国9月財新製造業PMI、米4-6月期GDP確定値、10月1日に8月失業率・有効求人倍率、9月日銀短観、9月新車販売台数、日銀金融政策決定会合の「主な意見」、米8月個人所得・個人消費支出、米9月ISM製造業景気指数などが発表される。

<今週の注目銘柄>

JPモルガン・チェース(JPM) コール 60回
権利行使価格160米ドル(原資産:161.18米ドル) デルタ:0.54

9月の米FOMC で公表されたドットチャートでは、参加者18人のうち9人が22年の利上げを見込んでいることが示され、6月時点の7人から増加。加えて、FRBのインフレ見通しが引き上げられたほか、イングランド銀行は23日、インフレ率が一時4%を超えるとの見通しを示し、英国での年内利上げの可能性を指摘する専門家も出てきた。こうした背景から、米10年国債利回りは7月半ば以来の約2カ月半ぶりに1.4%台まで上昇。貸出収益の増加を期待した動きから金融株が買い戻された。景気減速懸念は依然くすぶっているが、景気の力強い基調の維持を見込む専門家も多く、金利先高観も追い風に、金融株の堅調さが予想される。

AGC(5201) コール 119回
権利行使価格5,900円(原資産:5,900円)デルタ:0.54

建築用や自動車用向けガラスのほか、ライフサイエンス(医薬品製造受託)やファインケミカルなどの化学品、半導体微細化進展において注目のEUV用マスクブランクスを擁する電子材料など複数事業を展開。欧州の建築用・自動車用ガラスの出荷増と価格上昇を背景にガラス事業が好調なほか、EUVマスクブランクスの拡大で電子材料なども好調。今後はEUVマスクブランクスやライフサイエンス事業など高利益率の戦略事業の拡大がバリュエーションの引き上げに寄与しよう。外部環境の不透明感などで相場全体が調整色を強める場面においても株価は底堅さを発揮しており、安定感も魅力的。

日本製鉄(5401) コール250回
権利行使価格2,150円(原資産:2,107.0円)デルタ:0.49

先週に続き再掲載。先日のユーロ円建転換社債(CB)型新株予約権付社債発行の発表後、潜在的な株式価値の希薄化を嫌気する動きが強まったほか、中国恒大集団の債務問題などを巡る不透明感から、株価は大きく調整した。しかし、中国の粗鋼生産抑制策などを背景に鋼材需給環境は引き続き良好な見通し。また、23日付けの日本経済新聞社のインタビューにて、副社長は米国やインドなど海外市場での好調さを背景に業績予想の更なる上振れを示唆。外部環境の不透明感が後退し相場全体の基調が持ち直してきているなか、同社への見直し機運の高まりに期待したい。


(提供:株式会社フィスコ)

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