2021年9月6日の特選銘柄

フィスコ社提供の今週のeワラント特選銘柄です。
提供:フィスコ社

<今週の東京株式市場見通し>

今週(9/6~9/10)の東京株式市場は堅調か。日経平均株価の週間予想レンジは28,700円~29,500円。日本株の上値を抑えてきた不透明感が緩和されてきたことでムードが変わってきている。前週一週間だけで日経平均株価は1,500円近く上昇しており、短期的な過熱感は否めないが、週末の先物・オプション取引に係る特別清算指数算出(メジャーSQ)に向け売り方の買い戻しが進めば、一段高もあろう。

週初は前週末に発表された8月米雇用統計の結果をまず消化することとなる。米労働市場の改善傾向を受けて景気回復期待が高まれば、足元の株高ムードの基盤が一層強固なものとなりそうだ。

8月最終営業日の日経平均株価は300.25円高の大幅上昇で、12カ月ぶりに月末株安アノマリーを打破した。それまでの相場のムードが決して良くなかっただけに、大幅高で嫌なアノマリーを断ち切ったうえ、心理的な節目の28,000円も超えて終えたことは非常に印象的だった。また、反動安が想定された9月1日以降も続伸劇が続き、29,000円台まで一気に駆け上がった。こうした様相一変の背景には、これまで日本株の上値を抑制してきた様々な要因が解消されてきたことが考えられる。

上値を抑えてきた大きな要因としては、新型コロナウイルスの感染動向、政局不透明感、景気減速懸念などが挙げられる。一つ目のコロナ感染動向については、依然として水準は高いものの、全国の中でも先行性の高い東京都の新規感染者数に明確な鈍化が見られている。8月第3週の5,000人台、第4週の4,000人台の推移と比べて、8月末から9月上旬にかけては3,000人前後での推移が多く、8月30日には2,000人を下回っていた。前週比では減少傾向が続いており、ピークアウト感が見られてきている。ワクチン接種を2回済ました人の割合が全国民の約半分にまで達し、欧米との格差が縮まってきたこともあり、コロナ感染を理由とした日本株敬遠の動きは後退してきたようだ。

2つ目の政局不透明感については、10月21日の衆院議員任期満了が近づくなか、「解散・総選挙に向けては買い」という株高アノマリーの存在が大きい。過去の経験則として、衆院解散日から投票日にかけては日経平均が上昇するというパターンが多く観測されており、確度の高いアノマリーとして市場関係者の間では知られている。また、今回のように与党の支持率が大きく低下している際には、求心力回復のために大胆な経済対策が打たれるのではとの期待が高まる。さらに、前週末には、菅首相が総裁選に不出馬と伝わり、早くも新首相による新たな政策期待が高まっている。衆院選は、9月29日に予定されている自民党総裁選の投開票日以降になるだろうが、それまではアノマリーを意識した動きや政策期待などで株高基調が支えられそうだ。

景気減速懸念については、米サプライマネジメント協会(ISM)発表の製造景況指数、中国製造業購買担当者景気指数(PMI)のモメンタム鈍化、日本株と連動性の高い米長期金利の低下などが挙げられてきた。ただ、日経平均が2月の30,714.52円から8月の26,954.81円まで半年以上かけて調整した値幅を考慮すると、指標のモメンタム鈍化は十分に織り込んだともいえる。実際、前週は財新が発表する8月の購買担当者景気指数(PMI)が製造業・非製造業ともに好不況の節目となる50を割り込んだが、アジア市場は大きく反応せず、日経平均に至っては独自要因で大幅高だった。

また、水準としては、米製造業ISMは今後も50台後半の高水準が続くと予想されるほか、50すれすれまで低下した中国製造業PMIも底を打ってきたと思われる。来年は北京冬季オリンピックの開催のほか、秋には5年に1度の共産党大会が開催される。習近平国家主席も3期目突入をにらんで、景気減速を放置することはないと考えられ、今後は財政支出の拡大が見込まれるほか、人民銀行の預金準備率引き下げなどで金融政策も緩やかではあるが緩和方向に向かうと想定される。

そのほか、過去の経験則上、例年8月は相場が調整しやすい一方、9月、10月以降から年末にかけては株高になりやすい季節性もある。季節性の調整局面を終えたこともポジティブ材料となりそうだ。

むろん、新型コロナウイルスの新たな変異株の出現・拡大や、衆院選での与党敗北などリスクもある。しかし、当面はポジティブな面に着目した動きが優勢となりそうで、海外勢の買い戻しが一層進展すれば、メジャーSQは波乱なく通過し、その後には更なる株高が見られるかもしれない。

なお、今週は7日に7月家計調査、7月景気動向指数、中国8月貿易収支、独9月ZEW景況感指数、8日に4-6月期GDP確報値、8月景気ウォッチャー調査、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、9日に8月工作機械受注、中国8月生産者物価指数、中国8月消費者物価指数、ECB定例理事会、10日にメジャーSQ、米8月生産者物価指数などが予定されている。

<今週の注目銘柄>

日本製鉄(5401) コール 250回
権利行使価格2,150円(原資産:2,267.5円) デルタ:0.56

中国当局による投機売買の規制などを背景に原料となる鉄鉱石価格が下落し落ち着いてきた一方、鋼材価格は、グローバルな製造企業の生産活動回復や、環境規制を目的とした中国政府による粗鋼生産抑制策もあり上昇傾向。スプレッドが拡大し業績に追い風が吹いている。第1四半期決算では、単独粗鋼生産量が2014年水準には及ばない一方、事業利益は当時を大きく上回っており、これまでの抜本的な構造改革の成果が表れている。

JR西日本(9021) プット 32回
権利行使価格5,400円(原資産:5,154円)デルタ:-0.66

前週に4,854万5,400株の公募増資、412万1,700株のオーバーアロットメントによる売出の実施を発表している。新株発行株数は最大で現発行済み株式数の27.5%にも達し、株式価値の希薄化を嫌気する動きから株価は急落した。同社の公募増資はネガティブサプライズで、改めてコロナ禍で打撃を受けた業種への財務基盤の悪化が認識された。ワクチン接種後の旅行需要などを考えれば株価急落は行き過ぎで割安感があるとの声も聞かれる。しかし、相場はグロース株から景気敏感株といった主力どころを選好する機運が高まっており、物色対象にもなりにくく、当面上値は重い展開となりそうだ。

DMG森精機(6141) コール 11回
権利行使価格1,950円(原資産:2,052円)デルタ:0.63

半導体をはじめとした部材については、2021年内に必要な分は既に確保済みで、サプライチェーン混乱の問題が長期化しているなか、優れた調達力が強み。需要環境は地域別、品目別でみても広く回復傾向にある。特に自動車向けでは半分程をEV関連が占めており、EV需要拡大による業績けん引が期待される。そのほか、人手不足を背景とした省力化・自動化、 脱炭素化対応のための設備更新なども追い風だ。


(提供:株式会社フィスコ)

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