2022年12月26日のeワラント特選銘柄

フィスコ社提供の今来週のeワラント特選銘柄です。

<今来週の東京株式市場見通し>

今来週(12/26~12/30、1/4~6)の東京株式市場は軟調な展開が予想される。日経平均株価の予想レンジは25,500~27,000円。

世界景気が減速する中、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)は頑なに金融引き締め継続の必要性を主張しており、過剰な引き締めが深刻な景気後退を招き得るとの警戒感が引き続き相場の重荷となってこよう。

また、日本銀行はイールドカーブ・コントロール(YCC)の修正を決定、長期金利の上限を引き上げ、実質的な利上げを決めた。黒田総裁の過去の発言から、今回の決定には大きなサプライズが伴った。今後、さらなる上限の引き上げや、ひいてはYCCが撤廃されるのではないかという思惑がくすぶり続けることになる。日銀のサプライズ政策修正を機に、ドル円は200日移動平均線を下抜け、円高・ドル安トレンドが加速している。さらなる政策修正への思惑がくすぶる中、一段の円高進行も否定できず、輸出企業を中心に日本株の上値抑制要因となることが懸念される。

年末にかけては海外投資家を中心にクリスマス休暇、年末休暇に入る投資家も増えてくるため、商いは一段と減少してくる。薄商いのなか、需給主導で相場に大きな動きが出る恐れもあるため、為替動向も含めて株式市場の動きには注意が必要だろう。また、米国では27日に2年債、28日に5年債、29日には7年債の入札が予定されている。米債券市場の流動性もすでに枯渇気味だが、薄商いの中、金利に大きな変動があると株式市場への影響も懸念されるため、こちらも警戒は怠れない。年末は株高になりやすい「掉尾の一振」という格言もあるが、今年は下方向への振れに注意したい。

一方、年明けは第1週から注目材料が多い。1月4日に米サプライマネジメント協会(ISM)の製造業景気指数が発表されるほか、6日には米ISM非製造業(サービス業)景気指数、米雇用統計が発表される。また、欧州でも4日に非製造業(サービス業)購買担当者景気指数(PMI)、6日に小売売上高、消費者物価指数(CPI)などが発表される。

振り返ると、年明けは波乱の起こることが多い。2019年はアップルショック、2020年は米国とイランの衝突による地政学リスクの勃発などがあった。2022年は年明けから急速に米債券市場で金利が急伸し、株式市場に動揺が走った。2023年は上述の欧米の経済指標をきっかけに、年明けから景気後退懸念が一段と強まる形で相場に動揺が走るかもしれない。

ほか、ゼロコロナ政策の緩和を進める中国では感染者が急増し、医療体制のひっ迫や、薬局の在庫不足、学校休校などの社会的な混乱が起きている。有効性の高いワクチンの接種率が高くない中国ではリオープン(経済再開)が一筋縄ではいかないことが想定され、中国発のリスクにも留意しておきたい。今の株式市場は上よりは下に振れやすい材料で溢れている。時には攻めの姿勢も必要だが、ここは慎重に臨みたいところだ。

今来週の予定は27日に11月失業率・有効求人倍率、11月米10月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米2年国債入札、28日に11月鉱工業生産、米5年国債入札、29日に米7年国債入札、30日に大納会、1月2日にユーロ圏12月製造業PMI、4日に大発会、ユーロ圏12月非製造業PMI、5日に米12月ISM製造業景気指数、米12月ADP雇用統計、6日にユーロ圏12月小売売上高、米12月雇用統計、米12月非製造業景気指数、となっている。

<今週の注目銘柄>

三井住友フィナンシャルグループ(8316)コール382回
権利行使価格5,300円(原資産:5,350円)デルタ: 0.53

日銀のサプライズな緩和政策の修正決定により金融業界の事業環境が好転する期待が高まっている。今後、さらなる政策修正も見込まれる中、銀行セクターは外せないだろう。世界的な供給網再構築の動きや経済再開を受けた運転資金需要の増加を背景に、2024年3月期も国内大企業向けを中心に貸出スプレッドの改善や貸出金残高の増加が期待される。また、国内個人消費の回復を背景としたクレジットカードや消費者金融の債権残高の増加も続こう。継続的な増配と自社株買いも期待できる。安定的な業績拡大と高い株主還元力からみて1倍を大幅に割り込むPBRには割安感がある。

JR西日本(9021)コール84回
権利行使価格6,000円(原資産:5,527円)デルタ:0.32

日本政府観光局(JNTO)が21日に発表した11月の訪日外国人旅行者数は93万4500人と、10月(49万8600人)から2倍近く増加した。最大の割合を占める中国人観光客の回復はまだ先だが、インバウンド需要は着実にそして想定以上のスピードで回復している。こうした中、関西国際空港と京都を結ぶ特急「はるか」を運行する同社にとっては事業環境として追い風が吹いている。また、コロナ禍の間にコスト改革も行っており、収益体質が向上していることも評価材料となる。

第一生命ホールディングス(8750)コール178回
権利行使価格3,000円(原資産:3,000円)デルタ:0.55

「みなし入院」の給付対象の見直しにより、新型コロナに関する支払い負担が軽減されることで今後は業績改善が見込まれる。また、日銀の政策変更により、長期国債の運用環境が改善していることも生保業界には追い風だ。同社については、来年3月31日までを期間とした発行済み株式数8.75%に相当する自社株買いによる需給面での下支えも好材料となる。


(提供:株式会社フィスコ)

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