2022年3月22日の特選銘柄

フィスコ社提供の今週のeワラント特選銘柄です。
提供:フィスコ社

<今週の東京株式市場見通し>

今週(3/22~3/25)の東京株式市場はもみ合いか。日経平均株価の週間予想レンジは26,000円~27,000円。国内は月曜が祝日で立会いは4日に限られる。連邦公開市場委員会(FOMC)を通過したことで目先はイベントに乏しい。国内外で経済指標などの発表も少なく、ウクライナ情勢を巡る地政学リスクを睨んだ展開となりそうだ。

注目されたFOMCを波乱なく通過したことや、ロシアとウクライナの停戦期待が高まっていることで、投資家心理も幾分改善してきている。そうしたなか、今週は3月末に向けた需給期待が相場を下支えしそうだ。一部の海外金融機関では1、2月の株式相場の大幅な下落を受けて、年金基金や政府系ファンドが四半期末に向けたリバランス(投資配分の再調整)による株式買いをするとみており、世界の株式相場を5-10%引き上げる可能性があると予測している。

また、3月29日の権利付き売買最終日が近くづくなか、配当権利取りを狙った現物株の売買が下値を支えることが期待される。権利付き売買最終日前後には指数連動型インデックスファンドの配当再投資に伴う先物買いが入ることが想定されるが、それを見越した先回り買いなども相場の支援要因となりそうだ。

一方、FOMC通過後の日米株式市場は大幅に反発したが、先物やオプション取引における売り方の買い戻しが主体の様相で、相場が本格的な復調に入ったとの声は依然少ない。バンク・オブ・アメリカ(BofA)の月次ファンドマネジャー調査によると、現金比率が約2年ぶりの高水準となる一方、株式の比率は約2年ぶりの水準に低下したという。また、スタグフレーションを予想する割合は62%と前回2月調査の30%から大幅に上昇し、2008年9月以来の高水準となった。

金融政策の動向やウクライナ情勢も依然油断はできない。注目されたFOMCで公表された政策金利見通しは年内の利上げ回数として7回(前会合では3回)、2023年は3~4回を示唆。今年の物価見通しではPCEデフレーターの予想が+4.4%(同+2.6%)へと大幅に引き上げられた一方、経済成長率見通しは+2.8%(同+4.1%)へと大きく下方修正された。PCEデフレーターの予想値が連邦準備制度理事会(FRB)の目標値である+2%を大幅に超過しているところからFRBのインフレ懸念が窺える。

FRBは景気に対して緩和的でも引き締め的でもない中立金利の水準を2.5%から2.4%へと引き下げた。そうしたなか、FRBが示す来年末の政策金利は2.75%に至る見通しだ。中立金利を上回る水準にまで政策金利を引き上げるということは、景気を冷ましてでもインフレ抑制を優先するということだろう。米債券市場で景気後退入りのサインとされる2年債と10年債の逆イールドが近づくなか、今回見せたFRBの政策スタンスは一段とスタグフレーション(物価高と景気後退の併存)リスクを高めるものだったといえる。

逆イールドはいまだ発生しておらず、発生しても実際に景気後退入りするのには1年前後の時間がかかることから、目先の相場への影響は限られると考えられる。また、名目ベースでなく、実質ベースの長短金利差の方が正確な物差しで、これで見れば逆イールドの発生確率は低いとの指摘もある。しかし、名目ベースでも実際に逆イールドが発生すれば投資家心理の悪化が想定され、買いの手が鈍ることが予想されよう。

また、停戦期待が高まってきているウクライナ情勢についても不透明感がくすぶる。ウクライナの代表団から「ロシア側の態度が軟化してきており、数日内に停戦合意に至る可能性がある」との発言があったことなどを背景に、相場のムードは大分改善してきた。しかし、その後、ロシア側は停戦交渉が進展したとの報道は誤りであると表明するなど、未だに先行きが読みにくい。

ウクライナの激しい抵抗により想定外に戦闘が長期化していることで、苦しい立場に追い込まれつつあるロシアが、戦術核など核兵器で威嚇する可能性なども指摘されている。そのほか、動向が注目される中国は、仲裁どころか、欧米諸国の対ロシア制裁の影響を和らげる方法を探るなど、ロシアに近づいているなどとも指摘されている。米国は、中国がロシアを支持するならば「代償」を支払わせると通告しており、米中摩擦激化への懸念がくすぶる。仮に中国にも経済制裁を科すとなると、世界経済への打撃は計り知れない。

需給的な支えに期待しつつも、なお、相場環境は脆く、本格復調は遠いと認識しておきたい。

今週は23日に米2月新築住宅販売、24日に日銀金融政策決定会合議事要旨(1月17-18日開催分)、欧州連合(EU)首脳会議(25日まで)、北大西洋条約機構(NATO)緊急首脳会議、米10-12月期経常収支、米2月耐久財受注などが予定されている。

<今週の注目銘柄>

三菱商事(8058) コール 246回
権利行使価格4,450円(原資産:4,296円)デルタ:0.41

資源価格の高止まりが続くなか、原料炭の価格の高騰が際立つ。石炭はエネルギー源のなかでもCO2排出量が特に多いことから、新規の開発投資が抑えられてきた経緯がある。また、生産地での天候の影響など短期的な要因も相まってとりわけ需給が逼迫しているもよう。大手総合商社のなかでも原料炭へのエクスポージャーが高い同社株には追い風が吹いている状況で、押し目狙いスタンスで臨みたい。

任天堂(7974) コール 452回
権利行使価格62,000円(原資産:60,940円)デルタ:0.45

シクリカル(景気循環)系はスタグフレーションリスクで買いづらい一方、IT系グロ-ス(成長)株も金融引き締め懸念で買いづらい。こうしたなか、双方の影響を相対的に受けにくいゲームセクターに第三の選択肢として着目。同社は「スーパーマリオ」や「ゼルダの伝説」、「ポケモン」など有力なIP(知的財産)を多く有しており、ゲームセクターの中でも代表格とされる存在。株価は昨年10月をボトムに緩やかな上昇トレンドを描いており、相対的な安定感が光っている。

日本郵船(9101) コール 155回
権利行使価格13,000円(原資産:12,400円)デルタ:0.30

中国で再び新型コロナウイルス感染が拡大しており、吉林省や広東省などではロックダウン(都市封鎖)が実施されている。これを受け、トヨタ自動車(7203)や台湾の鴻海精密工業は工場の稼働を一時停止した。ウクライナ情勢を巡るロシアへの経済制裁の影響もあり、物流網の逼迫は一段と解消の兆しが見られにくくなった。運賃高騰への思惑が広がりやすいなか、9%という高い配当利回りもあり、3月期末に向けては配当権利取りを意識した動きも予想される。


(提供:株式会社フィスコ)

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