2022年5月16日の特選銘柄

フィスコ社提供の今週のeワラント特選銘柄です。
提供:フィスコ社

<今週の東京株式市場見通し>

今週(5/16~5/20)の東京株式市場は堅調な展開か。日経平均株価の週間予想レンジは25,600円~27,400円。急ピッチで調整している米株市場だが、目先は修正リバウンドが入ると想定される。米主要株価指数の反発に並走する形で、東京市場でも先週末のリバウンドが継続すると予想。

注目された米4月消費者物価指数(CPI)は総合と変動の激しい品目を除いたコアがともに前年比でも前月比でも市場予想を上回った。今までインフレをけん引してきたガソリンや中古車の価格が前月比で低下するなど、モノ・財に関する価格にピークアウト感が見られた一方、新たにサービス分野での価格上昇が目立った。特に、下方硬直性を有し、CPIでの構成比率が高い住居費は3カ月連続で前月比+0.5%と高止まっており、気がかりだ。また、米4月卸売物価指数(PPI)は総合の伸びが前年比で予想を上回った一方、コアでは予想を下回り、インフレ懸念とインフレピークアウト期待のどちらにも軍配が上がらない結果となった。

一方で、期待インフレ率の指標とされる米10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)は12日、2.59%で前日比-0.11ptと大幅に低下した。4月21日に付けた最高値3.02%から大きく低下しており、明確な低下トレンドを描いている。米10年債利回りも先週後半から2.8%台へと低下するなど、低下基調が鮮明だ。債券市場ではインフレ加速を見込んだトレードの巻き戻しが進められているようだ。

株式市場は、3月中旬からの強烈なリバウンド相場時には、債券市場で織り込みが加速するインフレ懸念を無視する形で上昇し続けていた。その際には後になってしっぺ返しを食らうのではないかと懸念したが、4月以降は実際にそうなってしまった。しかし、今回は、当時とは反対に、インフレ懸念が強まるなかで米主要株価指数が年初来安値を更新し続ける一方、債券市場ではそれまでのインフレ懸念が後退するかのような動きが続いている。今回も株式市場が債券市場を後追いするかのような形が繰り返されるのだとすれば、今後、米主要株価指数はリバウンド局面に入る可能性があろう。

また、同時に低下基調を辿っているかのような米BEIと米長期金利だが、つぶさに見ると、米BEIが4月21日の3.02%をピークに12日時点の2.59%まで低下しているのに対し、米10年債利回りは5月6日に3.14%のピークを付け、12日時点の2.85%まで低下してきている。米BEIの方が先にピークを付け、下落率も大きい。インフレ懸念が払しょくされていないことを踏まえれば、BEIがここから更に低下する余地は小さいとみられ、遅れて調整を始めた米長期金利の方が2%台半ばくらいまではまだ低下余地がありそうだ。

BEIが下げ止まる一方で金利の低下が続けば、名目金利から期待インフレ率を差し引いた実質金利の低下につながる。新型コロナショック以降長らくマイナスだった実質金利がその幅を急速に縮小し、プラス転換して上昇し続けていたことがハイテク・グロース株の重荷になっていたため、実質金利の上昇が一服して低下することになれば、足元でたたき売られているハイテク・グロース株の買い戻し機運が高まりそうだ。

先週末は本決算を発表したソフトバンクG(9984)が大幅な赤字を計上しながらも、あく抜け感から株価が急伸していた。こうした動きからも、目先はハイテク・グロース株のリバウンド相場の到来に期待したい。

一方、今週は中国で鉱工業生産など重要経済指標が発表される。都市封鎖(ロックダウン)が続く同国経済の減速懸念が強まるなか、経済指標の大幅な下振れが警戒され、中国地域での売上比率が高い銘柄などには警戒しておきたい。

今週は16日に4月企業物価指数、4月工作機械受注、中国4月鉱工業生産、中国4月小売売上高、中国4月固定資産投資、米5月ニューヨーク連銀景気指数、17日に米4月小売売上高、米4月鉱工業生産、18日に1-3月期GDP速報値、米4月住宅着工件数、19日に4月貿易収支、3月機械受注、米5月フィラデルフィア連銀景気指数、米4月中古住宅販売、20日に4月全国消費者物価指数などが公表予定。

<今週の注目銘柄>

テルモ(4543) コール57回
権利行使価格4,250円(原資産:3,953円)デルタ:0.36

欧州や豪州でのビール販売を中心に国際事業が堅調ななか、国内事業でも「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」や「アサヒ生ビール」などのヒット商品を多数生み出していることで復活の兆しが出てきている。4月下旬にはビールや缶チューハイなどの酒類162品目の値上げを発表。来年になると見込まれていた値上げの早期実施は、今後の業績に対する自信の表れともいえよう。

オリエンタルランド(4661) プット152回
権利行使価格19,500円(原資産:17,220円)デルタ:-0.68

1-3月売上高は前年同期比7.3%増と2001年以降で最も小幅な伸びにとどまり、増収率が2四半期連続で10%を下回る初めての事態となった。巣ごもり消費の減速などを背景にネット通販事業の売上高が同3%減となったことが響いたほか、インフレ圧力が強まるなか、各種コスト増が重しとなった。4-6月期の売上高見通しも市場予想を下回り、総じてネガティブな内容。金融引き締め懸念が根強いなか、バリュエーション調整が続きそうだ。

SUBARU(7270) コール147回
権利行使価格2,050円(原資産:2,142.5円)デルタ:0.64

22年3月期経常利益は7,218億円で会社計画の6,500億円を大きく上振れして着地。23年3月期は前期比27.3%減の5,250億円と市場予想を1,000億円強下振れたが、コンテナ船市況の見通しが保守的に見積もられていることもあり、株価のネガティブな反応は限定的だった。一方、配当性向目標が20%から25%に引き上げられ、年間配当計画は株式分割考慮後で前期比50円減額となる350円を計画。大幅な減配が警戒されていたなか、配当性向の引き上げと高い配当利回りの維持が見込まれる形となった。物流網逼迫に伴う運賃高止まりも予想され、海運株は今後も堅調な値動きが期待される。


(提供:株式会社フィスコ)

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