2022年1月11日の特選銘柄

フィスコ社提供の今週のeワラント特選銘柄です。
提供:フィスコ社

<今週の東京株式市場見通し>

今週(1/11~1/14)の東京株式市場はもみ合いか。日経平均株価の週間予想レンジは28,000円~29,000円。物価指標の発表なども控えるなか、金利動向を中心に米国市場の動きに神経質な展開が想定される。全体の方向感を見出しにくいなか企業の決算発表が週を通して多く、個別株物色が中心となりそうだ。

先週は昨年12月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録をきっかけに相場の基調が大きく転換した。新年度相場入りした海外投資家のニューマネー入りなどもあり、大発会の4日から5日にかけては東証1部の主力大型株を中心に買いが入り、日経平均も29,500円を窺う展開となった。しかし、FOMC議事録で一変。多くの参加者から従来の想定よりも早期かつ迅速な利上げに踏み切ることが正当化されうるとの見解が示され、また、一部の参加者は利上げ後の早い段階でバランスシート縮小(QT)に着手することが適当とも言及していた。これを受け、早期の金融引き締め懸念が改めて強まり、ハイテク・グロース(成長)株を中心に相場は急落した。

米連邦準備制度理事会(FRB)が目標としていた「最大雇用」についても、ほとんどの参加者が、現状において既にこの水準の達成に近いことを認めた。議事録の公表後、市場が予想する3月会合での利上げ確率は8割程にまで上昇した。株式市場は日米ともに議事録公表直後は急落した一方、翌日は落ち着きを取り戻した。ただ、7日発表の12月米雇用統計が市場予想を大きく上振れるようだと、改めて警戒感が高まる可能性があり、高いボラティリティーは当面続くことに留意したい。

FRBの政策動向の影響を受けやすい短い年限を中心に米国債の利回りは大きく上昇、10年物国債利回りも、昨年3月以来となる1.7%台まで上昇してきた。一方、この間、期待インフレ率の指標とされる米10年物ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は低下傾向にあり、市場は、インフレファイターとしての姿勢を明確化したFRBの動きなどを勘案し、インフレは次第に沈静化していくと捉えている様子。

名目金利が上昇する一方で期待インフレ率が低下したことで実質金利が上昇し、これが株式相場の重しとなっている。今後もこの実質金利の動向がカギを握り、とりわけ名目金利の動きが重要視されよう。その上で、一段の金利上昇には警戒が必要だが、今後は金利上昇が一服する可能性もある。海外では新年度相場入りしたことでポートフォリオの見直しを行っている投資家が多くなったとみられ、こうした動きが年明けからの大幅な金利上昇に寄与したと考えられる。そのため、資産配分の見直しが一巡すれば、金利上昇のペースも一服するか緩やかなものとなろう。また、年金などを中心に利回りの絶対水準に着目して債券を買う投資家もおり、こうした存在も金利上昇の一服に寄与することが考えられる。

今後も金利動向に神経質な相場が予想されるなか、今週は米国で12月の消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)が発表される。また、少し先にはなるが、今月25、26日には今年最初のFOMCも控えており、重要イベントが目白押しだ。イベント前に積極的な売買は手掛けづらく、全体的にこう着感が強い動きが続きそうだ。ただし、金利動向次第ではダウンサイドリスクの方が大きいことに留意したい。

そうしたなか、徐々に決算シーズンに入る。今週から国内では小売企業を中心に21年9-11月期決算が多く発表される。注目度が高いところとしては、製造業決算の前哨戦として位置付けられる安川電機(6506)が週初11日に決算発表を予定しているほか、12日には半導体関連のローツェ(6323)が発表予定。小売では日経平均株価への指数寄与度の高いファーストリテイリング(9983)が13日に控える。そのほか、足元下落が厳しいグロース関連では、13日にSansan(4443)、週末14日にはなるが、ベイカレント(6532)、SHIFT(3697)、マネーフォワード(3994)などが予定されており、決算を機に見直しにつながるかに注目したい。ただ、金融政策関連のイベント前であることを考慮すると、積極的な上値追いは期待しにくく、ポジティブに反応しても買いが続かない可能性に注意したい。

なお、今週は11日に11月景気動向指数、12日に12月景気ウォッチャー調査、中国12月CPI、中国12月PPI、米12月CPI、13日に12月都心オフィス空室率、12月工作機械受注、米12月PPI、14日に12月企業物価指数、米12月小売売上高、米12月鉱工業生産などが発表予定。

<今週の注目銘柄>

JPモルガン・チェース(JPM) コール 69回
権利行使価格170米ドル(原資産:165.52米ドル)デルタ:0.49

FOMC議事録公表を受けて改めてFRBによる早期利上げへの思惑が高まっている。長期金利の上昇がどこまで続くかは不透明であるが、新型コロナウイルス変異株「オミクロン型」感染収束後の景気回復への期待も根強く、利ザヤ拡大を意識した買いが続きそうだ。また、金融政策が引き締めに向かう今年は金融や資本財などのバリュー(割安)株のパフォーマンス好調が見込まれている。こうした市場の見方も株価の下支えとなろう。

サイバーエージェント(4751) プット 118回
権利行使価格1,950円(原資産:1,812円)デルタ:-0.77

人気スマートフォンゲーム「ウマ娘」のピークアウト懸念が強まったと同時に株価もピークアウト。その後、FRBを筆頭に世界的な金融緩和縮小への警戒感が高まるなか、グロース株には相対的に厳しい環境が続いており、同社株価も冴えない展開が継続。次の決算でゲーム以外の広告事業などでも好調を見せるなど業績見直し機運を高めるきっかけが出るまでは、当面軟調が続きそうだ。

コマツ(6301) コール 229回
権利行使価格2,900円(原資産:2,889円)デルタ:0.53

FRBの金融緩和縮小への警戒感が高まるなか、景気敏感株やバリュー株のパフォーマンスが相対的に良い。昨年秋に、米国ではインフラ法案が可決されたこともあり、建機市場は欧米を中心に今後も好調が見込まれる。成長ストーリーが描きやすく、株価バリュエーションの割高感にも乏しいため、同社株価は堅調に推移することが期待できよう。


(提供:株式会社フィスコ)

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